破傷風
(はしょうふう、tetanus)は、
破傷風菌
を病原?とする
人?共通感染症
の一つ。病原菌が産生する神?毒による急性中毒である
[1]
。
?要
[
編集
]
破傷風は、破傷風菌と呼ばれる
細菌
が作る
毒素
で?症する感染症、病?。破傷風菌は、酸素があると?えることのできない
嫌?性菌
であるため、
芽胞
という固い?に包まれた?態で、土などの空?に?れない環境に存在している。そのため、傷がありながら土に?れると、
破傷風菌芽胞
が傷口に入り?み、??という嫌??態で菌が?殖し、毒素を出す。破傷風菌による毒素は、神?を抑制する機能の神?に作用し、神?を「過活動の?態」にする。これが原因で、人?に筋肉の
けいれん
や、
こわばり
がおこる
[2]
。
疫?
[
編集
]
集?感染による
アウトブレイク
は起きない
[3]
。日本では
感染症法
施行規則で5類感染症
全?把握疾患
に定められており、診?した?師は7日以?に最寄りの
保健所
に?け出る。年間100件を超える?出がある
[4]
。
世界的には、先進諸?での?症症例?の報告は少ない。これは、
三種混合ワクチン
の普及による所が大きい。
?展途上?
では正確な統計ではないが、?十万?100万程度の死亡?が推定されており、その大多?が
乳幼?
である。特に、
新生?
の
へその?
(
臍?
)の不衛生な切?による新生?破傷風が大多?を占める。
また動物においては
家畜?染病予防法
上の?出?染病であり、?象動物は
牛
、
水牛
、
鹿
、
馬
である(家畜?染病予防法施行規則2?)。
哺乳類
に?する感度が?いが、
鳥類
は?い抵抗性を持つ。日本では年間、牛で約90件、馬で?件の?出がある
[5]
。
原因病原?
[
編集
]
土?
中に生息する
嫌?性生物
である
破傷風菌
(
Clostridium Tetani
) が、傷口から??に侵入することで
感染
を起こす。破傷風菌は、
芽胞
として自然界の土?中に
世界
に?く常在している。多くは自分で?づかない程度の小さな切り傷から感染している(1999-2000年では23.6%)
[6]
。
芽胞は土中で?年間生存する。
ワクチン
による
抗?
レベルが十分でない限り、誰もが感染し?症する。芽胞は創傷部位で?芽し、?殖する。新生?の破傷風は、衛生管理が不十分な施設での出産の際に、新生?の臍?の切?面を汚染して?症する。
ヒト
からヒトへは感染しないが、呼吸や血?の管理が可能な
集中治療室
などで?施することが望ましい
[7]
。
症?
[
編集
]
破傷風菌は
毒素
として、
神?毒
である
テタノスパスミン
と
溶血毒
である
テタノリジン
を産生する
[3]
。テタノスパスミンは、
?
や
脊?
の運動抑制
ニュ?ロン
(γ-ニュ?ロン)に作用し、重症の場合は全身の
?直性痙攣
を引き起こし、舌を?んで出血したり、背骨を骨折することもある。この
作用機序
と毒素(および
抗毒素
)は1889?1890年(
明治
22?23年)、
北里柴三?
により世界で初めて?見される。
神?毒による症?が激烈である割に作用範?が筋肉に留まるため、
意識混濁
はなく鮮明である場合が多い。このため患者は、絶命に至るまで症?に苦しめられ、古?より恐れられる要因となっている。
破傷風の病期と症?
病期
|
?態の解??症?
|
一般的な期間
|
第一期(?伏期)
|
身?、受傷部の違和感、頸部や顎の疲?感、?汗、?ぎしり
|
1?7日間
|
第二期(痙攣?作前期)
|
「破傷風顔貌」と呼ばれる?態で次第に開口障害が?くなる。語?嚥下障害、咬筋?頸部筋などの?痛、四肢硬直
|
?時間?1週間
|
第三期(全身痙攣持?期)
|
生命に最も危?な時期。
バビンスキ?反射
、
後弓反張
(
英語版
)
、
クロ?ヌス
亢進、呼吸困難
|
2?3週間
|
第四期(回復期)
|
各種の症?が緩和し全身性の痙攣はみられないが、筋の?直、腱反射亢進は?る。
|
2?3週間
|
※破傷風病期と症?の表は「外傷?のない破傷風の1例」
[8]
と?立感染症?究所資料
[6]
より引用し改?。
予後
[
編集
]
破傷風の
死亡率
は50%である。成人でも15?60%、新生?に至っては80?90%と高率である。新生?破傷風は生存しても
難?
をきたすことがある。
治療?制が整っていない地域や?場では、さらに高い致死率を示す。
治療
[
編集
]
破傷風?症による?作(痙攣)は光や音に反?して起き、少しの刺激で痙攣が誘?されるので、刺激を避ける目的で部屋に暗幕を垂らしてできるだけ部屋を暗くしたり、音を遮?した?かな部屋で治療する。
- 外傷
- 外傷が認められる場合は外傷に?する治療を行う。
- ?病原?
- 破傷風菌に?しては、
抗菌?
の
メトロニダゾ?ル
、
ペニシリン
、
テトラサイクリン
の投?が行われる。??の毒素に?しては、
抗生物質
は?かない。毒素の
中和
[
要曖昧さ回避
]
には抗破傷風
免疫グロブリン
を用いる
[8]
[9]
。破傷風は治癒しても
免疫
が形成されないので、回復後に
破傷風ワクチン
の接種を一通り受けることが求められる
[1]
。
- 免疫療法
- 病原?と毒素に?する治療と?行し、免疫療法が行われる。
- 能動免疫
- 破傷風毒素と抗原性を同じくする沈降破傷風トキソイドの注射による投?を?施し抗?(抗毒素)を産生させる。
- 受動免疫
- 毒素に?する抗?(抗毒素)を投?し?症の予防や症?の?減を?る。
治療の?史
[
編集
]
破傷風は、外傷から筋肉痙攣を起こし、
死亡
する病?として古代から知られていた
[10]
。
古代ギリシャ
の?師
ヒポクラテス
が記?に?している
[11]
。
1884年に、
ドイツ帝?
の
アルトゥ?ル?ニコライア?
が土?中に
桿?の菌
(破傷風菌)を?見し、その毒素を確認したが、純?培養はできなかった。1884年に
トリノ大?
の病理?者、 カルレ(Antonio Carle)とラット?ネ(Giorgio Luigi Rattone)が
動物??
で、破傷風の?染性を?明した
[12]
。
1891年に、
北里柴三?
が破傷風菌の純?培養に成功し、動物??で菌による?症を確認し、抗?が作られることを確認した
[13]
。1897年にフランスの
??師
ノカ?ル(Edmond Nocard)は、抗毒素によって人間に免疫が作られることを示した。1924年にPierre Descombeyによって、抗毒素
ワクチン
が開?され、
第二次世界大?
の?傷者の予防?治療に用いられた
[12]
。
予防
[
編集
]
予防接種のみによって免疫を獲得出?るが、獲得した免疫は10年程度で減弱し、感染予防に必要な血中抗??0.01 IU/mLを下回るため、10年ごとの追加接種が必要である
[14]
[15]
。
破傷風菌の芽胞は、そこら中に存在しているが、健康?態で芽胞に接しても、免疫は得られない。これは、芽胞が?芽して生成された毒素が破傷風の原因であり、芽胞そのものは免疫反?の?象とならないためである。つまり、抗毒素(破傷風菌の毒素に?する抗?)を作る能力を人?に備えさせるもので、
解毒
や
殺菌
とは異なる作用に基づく。
日本では、
破傷風ワクチン
を加えた
三種混合ワクチン
の
予防接種
が全?化された
1968年
以前に産まれた世代は、?症リスクが高い。土に?れる作業?事者や災害後には特に注意が必要で、被災地の災害ボランティアに?加する際には、受け入れ機?で予防接種?があるかを確認される
[16]
。
ボランティア
はもちろんだが、より高度な救助行動を行う
自衛官
には、破傷風ワクチン接種が義務付けられている
[17]
。
予防接種
[
編集
]
不活化ワクチン
(沈降破傷風トキソイド)によって行われ、沈降破傷風トキソイドのみの製?の他、日本では小?定期接種の
四種混合ワクチン
(DPT-IPV)、
三種混合ワクチン
(DPT)、
二種混合ワクチン
(DT) に含まれている(D:
ジフテリア
、P:
百日咳
、T:破傷風、IPV:不活化
ポリオワクチン
)。日本には
破傷風ワクチン
の製造企業は5社あり、用法??果は同一である。
各ワクチンの破傷風抗原量
|
ワクチン量 (mL)
|
抗原量 (Lf)
|
?際?位
|
?考
ジフテリア抗原量 (Lf)
|
トキソイド(
化血?
)
|
0.5
|
10以下
|
|
0
|
トキソイド(
生?
、
北里第一三共
、
タケダ
、
ビケン
)
|
0.5
|
5以下
|
20以上
|
0
|
DPT-IPV
|
0.5
|
2.5以下
|
13.5以上(力?)
|
15以下
|
DPT
|
0.5
|
2.5以下 or 約2.5
|
9以上
|
15以下 or 約15
|
DT(化血?)
|
0.1
|
2以下
|
|
約5
|
DT(生?、北里第一三共、タケダ、ビケン)
|
0.1
|
1以下 or 約1
|
4以上
|
5以下 or 約5
|
ただし、小?定期接種で1968年以前は破傷風を含まないDPワクチンが主に使用され、また1975年?1981年には副作用によりDPTワクチン接種が中?された。このため、その?時期いずれかの接種?象者は、破傷風の予防接種を全く受けていない可能性があるため、
母子健康手帳
を確認すること。
渡航ワクチン
[
編集
]
破傷風ワクチン
は、世界中どの地域でも1ヶ月以上の?在には接種推?のワクチンである
[18]
。
?疫所
に?けられた予防接種?施機?
[19]
やトラベルクリニックで、海外渡航者向けの有償予防接種を行っている。
予防接種は標準で3回の接種(筋肉注射)を要する。すなわち、1回目の接種から1ヶ月後に2回目、1年後に3回目の接種を行う。これは、(有?)免疫と免疫記憶という抗毒素の作用機構に基づくものである。ここで3回目の接種を行うと、基礎免疫が備わり4年から10年ほど免疫が得られる。
推?される投?スケジュ?ル
- 40?以上:トキソイド 0.5 mLを初回、3?8週後、6ヶ月以上後の計3回接種。2回目以降は?い局所反?が出ることがある。あまりに副作用が?い場合は以前、接種したことがなかったかどうかもう一度確認する必要がある。2回目に?い局所反?があったら3回目は中止。
- 30?代:DT 0.2 mL
- 20?代:DT 0.1 mL または DPT 0.2 mL
外傷後ワクチン
[
編集
]
動物咬傷
、古い
釘
を踏んで足に刺さった等の外傷後に?して、予防接種される。
トキソイド 0.5 mLを受傷直後1回、1ヶ月後に1回の計2回接種が推?され、小中?生の高度汚染創には、トキソイド 0.5 mL を受傷直後1回のみ接種するが、接種局所の?い腫脹?疼痛の出現が予想されるため、注意が必要である。外傷後感染予防に
診療報酬
が適?されるのは、??
破傷風ワクチン
のみで、トキソイド以外を接種することは出?ない
[20]
。
動物の破傷風
[
編集
]
破傷風は、
ヒト
以外にも感染する。馬で最も感受性が高く、
鳥類
は抵抗性が?い。有名なところでは、
1951年
(
昭和
26年)に
競走馬
の
トキノミノル
が無傷の10連勝で
東京優駿
(日本ダ?ビ?)を制したわずか17日後、破傷風による
敗血症
により急死したケ?スがある。無敗の牡馬クラシック二冠馬が
菊花賞
開催前に疫病で死亡というのは競馬サ?クルのみならず世間にも衝?を?えた。?時はヒト用の不活化ワクチンさえ日本には存在しない時代であり、現在使用されているウマ用の破傷風ワクチンも、?時は存在していなかった。なお、トキノミノルの病?は精細に記?され、後の破傷風?究に役立てられた。
?連法規
[
編集
]
破傷風と文?作品
[
編集
]
日本映?
『
震える舌
』(1980年)で、破傷風の凄?な?病が描かれている。
森鷗外
の短編小?『
カズイスチカ
』(初出「三田文?」1911年)にも破傷風の患者が登場し、その激しい症?が描?されている。
出典
[
編集
]
脚注
[
編集
]
?連項目
[
編集
]
外部リンク
[
編集
]
ウィキメディア?コモンズには、
破傷風
に?連するカテゴリがあります。
|
---|
一類感染症
| |
---|
二類感染症
| |
---|
三類感染症
| |
---|
四類感染症
| |
---|
五類感染症
| |
---|
新型インフルエンザ等
感染症
| |
---|
|
家畜?染病
|
---|
言葉
| |
---|
組織?施設等
| |
---|
協定?法律等
| |
---|
|
---|
複?種
| |
---|
ウシ
| |
---|
ヒツジ
、
ヤギ
| |
---|
ウマ
| |
---|
ブタ
| |
---|
トリ
| |
---|
ウサギ
| |
---|
ハチ
| |
---|
魚類
| |
---|
軟?動物
|
Bonamia ostreae感染症 -
Bonamia exitiosus感染症 -
Marteilia refringens感染症 -
Mikrocytos roughleyi感染症 -
Perkinsus marinus感染症 -
Perkinsus olseni感染症 -
Xenohaliotis californiensis感染症
|
---|
甲?類
|
タウラ症候群 -
白点病
- イエロ?ヘッド病 - バキュロウイルス?ペナエイによる感染症 - モノドン型バキュロウイルスによる感染症 - ?染性皮下造血器?死症 - ザリガニ病
|
---|
その他
| |
---|
|
|