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2015年3月
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百合
(ゆり)は、
女性の同性愛
のこと。また、それを題材とした
創作物
の
ジャンル
である。
ガ?ルズラブ
(
英語
:
girls' love、
GL
)とも呼ばれる。
作品の場合、女性同士の
?愛
だけでなく?愛に近い友愛や?く
友情
を含んだ作品も百合と言うことが多い
[注 1]
。
1990年代
以降の
日本の漫?
、
ライトノベル
、
アニメ
、
同人誌
のジャンルをさすことが多いが、?前の少女小?や一般のレズビアン文?、??映?も含まれる場合がある
[1]
[2]
[3]
。
語源
[
編集
]
語源は
1970年代
、男性同性愛者向けの?誌『
薔薇族
』で編集長を務め、2011年引退した
伊藤文學
が、男性同性愛者を指す薔薇族の?義語として、百合族という言葉を提唱したことによると言われている
[4]
[5]
。同誌には女性?者の投稿コ?ナ?「百合族の部屋」が設けられた
[注 2]
。また、??日本においては「立てば芍?、座れば牡丹、?く姿は百合の花」と、
美人
を百合に例えることがしばしばあったが、男性同性愛者が?っ赤な薔薇にたとえられていることから、伊藤はそれとの?比で女性的なイメ?ジの?い白百合を?てたという?もある
[4]
。
?初は、女性同性愛を意味する
?語
であったが、
1983年
にレズ(
レズビアン
)作品である
日活ロマンポルノ
映?『
セ?ラ?服 百合族
』(
?ポ法
との?係で、現在は『制服 百合族』に改題)が人?を得たことにより、百合は?語ではなく、女性同性愛を意味する言葉になったという。ただし、現在の意味で普及したのは
2000年代
前半以降のことである。『
マリア?がみてる
』ブ?ム、百合ブ?ム
[注 3]
があり百合という言葉が使われるようになった。性的指向を率直に表す「レズ」という言葉に比べ、「百合」は?めの女性同性愛を意味する言葉として定着していった。しかし時には、官能的な女性同性愛のことも百合と?される場合がある。
?史
[
編集
]
元?このジャンルは、?前の
少女小?
に源流があると、森?利佳は語る。その少女小?は、
吉屋信子
の『
花物語
』に始まるとされているが、作品の中で描かれる少女同士の?い絆は
エス
と呼ばれ、
1914年
の
?塚歌劇?
の創立もあって
[6]
、少女から大きな支持を得た。現?の女?校でもエスに良く似た少女同士の?い?係が生まれていた
[7]
。
しかし、?後共?化により女ばかりの閉鎖的な空間は、共通のものとしては存在しなくなった
[8]
。しかも、?前には女子高(=
高等女?校
)というものは結婚までの避難所であり、結婚というものは大抵親から押し付けられるものだった。少女は結婚までの限られた時間の中で、唯一自由な女同士の愛を
ファンタジ?
として味わったのである。しかし、?後異性との自由?愛が一般化するにつれて、?固なファンタジ?が他のファンタジ?を?逐してしまった
[8]
。そのため、?後もしばらくはエス小?は?表されていたが、徐?に姿を消していった
[9]
。?前??後に大量生産された捨てられた子が母に出?うパタ?ンの母と子の自然な?係という大きな物語に、エスが回?されたことも指摘されている
[10]
。
しかし、?後の
少女文化
においても女性同士の愛を扱った作品は消えることなく、近年の百合作品の隆盛に至るまで脈?と受け?がれた。少なくとも
1950年代
には?前のエスを引き?いだ漫?が?表されており
[11]
、?後の少女小?における母娘、姉妹間のレズビアニズムを思わせる?い絆が指摘されている
[9]
。
多岐川恭
は
江?川??賞
を受賞した長編推理小?『
濡れた心
』で女子高生の純?な同性愛を描いて話題となった。
丸茂ジュン
はレズビアンの女探偵をヒロインとした連作ミステリ?『ヴィトンの中は疑惑の?い』を1984年に?表、本シリ?ズは
?山まさみち
により劇?化もされている。
日本で初めての連載少女漫?は『
リボンの騎士
』であるが、その?編の『
?子の騎士
』(1958年 - 1959年)に早くも男?の少女が女性を惹きつける場面が描かれている
[12]
。また、『なかよし』版『リボンの騎士』(1963年 - 1966年)にも女性同士の結婚の場面がある
[12]
。1970年前後には
わたなべまさこ
『
ガラスの城
』(1969年 - 1970年)や
矢代まさこ
『
シ?クレットラブ
』(1970年)で女性同性への片思いが描かれたりもしたが、しかし、少女漫?で女性同士の?愛が描かれた最も初期で有名な作品が
山岸凉子
の『
白い部屋のふたり
』(1971年)である。その後2-3年のうちに
池田理代子
『
ふたりぽっち
』(1971年)『
おにいさまへ…
』(1974年)、
一?ゆかり
の『
摩耶の葬列
』(1972年)、
里中?智子
の『
アリエスの乙女たち
』(1973年 -)など後の有名作家が次?に同?の作品を?表した
[8]
。やや時代は下って1970年代後半から1980年代半ばにかけて、
福原ヒロ子
『
?紅に燃ゆ
』(1979年)、
?みちよ
『
彼女たち
』(1981年)、
有吉京子
『
アプロ?ズ -喝采-
』(1981年 - 1998年)、
長浜幸子
『
イブたちの部屋
』(1984年)といった作品が、やや年?層の高い?者向けに?表された。これらの作品の特?は、不幸を背負った主人公の2人が周?からの中傷にさらされ、悲劇的な結末を迎えることである
[8]
。おりしも、アメリカではゲイ革命によって?事者によるレズビアンに好意的な小?が多?出版されていたことを考えると
[13]
?照的である。
レディ?スコミック
でも事情はあまり?わらなかったが、
津雲むつみ
『
月下美人
』(1989年)、
福原ヒロ子
『夢の降る夜』
[14]
(1991年)といった、やや官能的な作品が?表された
[8]
。また、1970年代は『
ベルサイユのばら
』に代表される男?の麗人がらみで百合的な描?が見受けられた
[8]
。『リボンの騎士』なかよし版の段階では、同性愛は男?の少女が女性であると明かされた時点で終わる一時的なものだった。一方、『ベルサイユのばら』ではありえる一形態として描かれていた
[12]
。
1980年代に入ると
樹村みのり
『
海?のカイン
』(1981年)、
吉田秋生
『
櫻の園
』(1985年 - 1986年)といった、特に魅力的とはいえない普通の女性たちが、タブ??や不幸な生まれやポルノグラフィックな文脈とも?係なく交流を繰り?げる作品が現れた
[8]
。
また、1984年には
アダルトアニメ
の
くりいむレモン
シリ?ズから
エスカレ?ション
が??された。この作品は1986年に、
?葉?弓
(2014年に
紫綬褒章
を受章)によって「倉田悠子」の別名義でノベライズされた。この作品は百合ノベルの原点にして金字塔と言われている
[15]
。
ちなみに、くりいむレモンシリ?ズのノベライズ群は、
官能小?
の中でも
ジュブナイルポルノ
の先?けとされ、このジャンルは後の
ライトノベル
の原点とされる。
1990年代
を迎えると、百合作品は作品?の?大もさることながら、描かれ方も?化した。かつてのタブ??や罪?感が退き、例えば
秋里和?
『
10回目の十戒
』(1991年)、
一?ゆかり
『
だから僕はため息をつく
』(1993年)といった作品で、明るい
レズビアン
が登場し始めた。特に、レズビアンのカップルが登場する1990年代初頭の『
美少女?士セ?ラ?ム?ン
』(1992年 - 1997年)の影響は大きく
[8]
、またこれによって、それまで女性の愛好家が大半を占めていた百合作品に男性の支持が集まるようになった
[16]
。
同人誌
の世界でも、『セ?ラ?ム?ン』をネタにした作品が多?作られた。男性同性愛に固執してきた同人誌の?史において?期的なことだった。初期の百合作品に見られた暗さがなくなったのは、この時期に「女」がマイナスの記?であることをやめたからだと考えられている
[8]
。
1994年
に、ム?ビックより百合アンソロジ?『EG』が刊行された。翌1995年にはレズビアンとバイセクシュアル女性のための?誌『フリ?ネ』、1996年にレディ?スコミック『
美?
(ミスト)』
[注 4]
が刊行された。?誌とも現在は休刊している。1997年に百合アニメの金字塔とも言われる『
少女革命ウテナ
』が放映された
[1]
。さらに
1998年
から刊行された、エス小?の現代版といえる
[17]
『
マリア?がみてる
』をきっかけにして、男性愛好家も急?したとされる
[16]
。
2003年
には百合?門誌『
百合姉妹
』(2003年 - 2004年)が創刊され、ついで『百合天?』(2003年 - 2004年)や『ES』(2004年 - 2005年)のような百合アンソロジ?が?刊された。
2005年
に『百合姉妹』の後?として『
コミック百合?
』が刊行されるようになり、2010年前後には『
つぼみ
』(2009年 - 2012年)『
ピュア百合アンソロジ? ひらり、
』(2010年 - 2014年)等の百合アンソロジ??種が次?に?行されたりもした。こうして百合市場は日本に定着し、女子?童が主な?者層である『
りぼん
』『
なかよし
』といった少女漫??誌においても『
ブル?フレンド
』や『
野ばらの森の乙女たち
』のような百合作品が?載されることもあった。ただし、百合の市場規模は2010年に至っても、
やおい
?
BL
市場の10分の1に留まっているといわれている
[18]
。
一方、日本映?界では少女同士のプラトニックな?係や女性同士のポルノグラフィックな?係が描かれてきたが、このうち特に前者が百合映?と呼ばれる場合がある。『
櫻の園
』『
ラヴァ?ズ?キス
』などが代表であるが、大人のレズビアンが共感できる作品ではなかった
[2]
。テレビドラマでもプラトニックな?係も含め百合?係を扱った作品があり、ミステリ??ドラマ『
古畑任三?
』や『
相棒
』でも何回か取り上げられている
[19]
。
百合ブ?ムは、海外にも及んでいる。
2003年
には、北米で百合作品を扱う初めての出版社ALC出版が誕生した。同年には、百合作品のイベント
Yuricon
が開催される。現在は、日?米の作家によるアンソロジ?『Yuri Monogatari』や日英バイリンガルのマンガ『
Rica 'tte Kanji!?
』も?行されている
[20]
[21]
。
2000年代
後半には、男性キャラクタ?を排除?周?化して、複?の美少女キャラクタ?たちの日常的なやりとりを重点的に描く
萌え4コマ
?
空?系
といったジャンルが流行したが、これらの作品を原作とする
二次創作
では(
腐女子
による
やおい
系二次創作と同?に)もっぱら登場する女性キャラクタ?同士の?係性に百合的な同性愛を?み?むという?想が取られており、百合というジャンルの普及に一役買った形になっている
[22]
。2010年代以降は女性キャラクタ?が複?登場する群像劇では、女性キャラクタ?が他の女性キャラクタ?に?愛感情を抱くことが、完全にありふれた常識となりつつある。
考察
[
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]
社??者
の
熊田一雄
は、
やおい
?
ボ?イズラブ
と呼ばれる男性同性愛を扱った作品を好む女性(いわゆる
腐女子
)は、「自身の女性性との葛藤」ゆえにそういった作品を愛好しているのだという分析をもとに
[注 5]
、それと同?のことが百合ものを好む男性にもいえるのではないか、すなわち彼らは「自身の男性性との葛藤」を抱え?んでしまっているがゆえに、男性という記?からの逃避場所として百合ものを愛好しているのではないかと推測している。ここでいう男性性の葛藤とは「女性を一方的?特?的に値踏みする視線の主?」としての男性性であり、女性同士の同性愛という作品世界に?入することによって「?等な性」に近づこうとしていると考えられる。また、百合を愛好する男性はしばしば作中人物に同一化する?持ちで作品を鑑賞していることから、作品外部から作品?部の女性キャラクタ?に?して「一方的に値踏みする視線」を送っているにすぎないわけではないという
[23]
。
文?者の
長池一美
は、百合マンガの全?的な目標は少?派の性的指向に焦点を合わせる「?制的な異性愛」からの避難であり、社?的に作られた女性性を再考する要素を提供すると同時に、?存の女性性を越えたいという女性たちの?在的な願いを表していると分析している
[6]
。
用語
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- エス(S)
- 姉妹を意味する英語
sister
から?た表現。女子校?での上級生と下級生との女性同性愛、またはそれに近い友愛のこと。?前から女?生の間で?語的によく使われていた。「シス」ともいう。
- サッフィズム (
英
:
sapphism
)
- 女性同性愛のこと。同義の「レズビアニズム」と同?、古代ギリシアの女性詩人
サッフォ?
に由?。
- ス?ル (
?
:
sœur
)
- 今野?雪
の『
マリア?がみてる
』シリ?ズで使われる用語で「エス」と同義。「姉妹」を意味するフランス語をリリアン女?園の上級生と下級生の?係を表す言葉に?用したもの。
- お姉?
- ?園ものの百合作品で、年下の女子生徒が慕っている目上の生徒を呼ぶときによく使われる呼びかけの言葉。
漫??誌
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?究書
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]
同人誌???
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]
- Maiden's Garden - 百合?女子カップリング?ガ?ルズラヴ系オンリ?として秋に京都で開催されているイベント 2016年6月時点で8回開催された。
- GirlsLoveFestival
- 少女?愛(百合/ガ?ルズラブ)?女の子同士カップリング要素を含む作品ONLYとして年2~3回程度東京などの?東地方メインで開催されているイベント。2018年6月10日時点で?東での通常回23回+富山?高岡市でのスペシャル回として2回、川崎市でのスペシャル回1回の26回開催された。
- COMITIA
(コミティア) - 創作オンリ?として東京では年4回程度開催されているイベントで、2013年9月時点で105回開催された。以前より百合部?女子GL部などの企?が行われるなど、百合系作品を取り扱うサ?クルが多かったが、2012年5月に開催された「COMITIA100」より百合?GLのジャンルコ?ドが作られた。
- ※?西?名古屋?新潟でもCOMITIAは開催されている。
脚注
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]
注?
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]
- ^
『コミック百合?』等の百合?門誌に?載された作品や、『百合作品ファイル』『百合の世界入門』(玄光社 2016年10月)での百合作品紹介では、女性同性愛とはいえない友愛?友情の作品の多くも百合作品として扱われている。
- ^
『薔薇族』46?より不定期に?載。伊藤が50?で百合族=女性同性愛者の意?を表明した後もコ?ナ?としては女性同性愛者には限らず女性?者全般の投稿が?載されていた。
- ^
『百合天?』(大都社 2003年10月)編集後記には「後年“百合元年”と呼ばれるのではないかと思えるくらいに、今年は“百合”がブ?ムとなり」と記されている。
- ^
1996年
から
1999年
に??された定期?行の?みきりと連載作品メインのコミック誌。百合を大人の女性による格調高い?愛として扱った物語が多い。女性と女?美少年(常に女?していても?の?象は女)との女?百合(女?レズ)を上品できれいに描く作品も連載されていた。
- ^
詳細は『
やおい#論考
』を?照。
出典
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?考文?
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]
?連項目
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]