チョロギ

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チョロギ
チョロギ
分類 APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : ?正?子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : シソ類 Lamiids
: シソ目 Lamiales
: シソ科 Lamiaceae
?科 : オドリコソウ?科 Lamioideae
? : イヌゴマ? Stachys
: チョロギ  S. sieboldii
?名
Stachys sieboldii Miq. (1865) [1]
シノニム
和名
チョロギ
英名
Chinese artichoke

チョロギ (丁呂木?草石??長老木、 ?名 : Stachys sieboldii )は、 シソ科 多年草 植物 、あるいはその根にできる食用とされる球根のように見える 塊? 部分である。 チョウロギ ともいう。 中? が原産で [3] 日本 には 江?時代 に?わった [3] 。?起物として、正月のおせち料理によく添えられる。

名? [ 編集 ]

和名 「チョロギ」の名は諸?あり、元?は 中?語 の「朝露?」を 日本語 ?みにしたとする? [3] や、 朝鮮語 ミミズ を意味するチョンロイ(チ?ロンイ)が?じたとする? [3] [4] 、同じくミミズを意味する朝鮮語のジロイに由?する? [5] などがある。いずれも、塊?の形から連想された名だと考えられている [6]

チョロギの 漢字 表記は多?ある。根?の形が石?(いさご、 トビケラ 類の幼?のこと)の腹を思わせることから「草石?」と書かれたり [6] 、音から「丁呂木 [7] 」「丁?木」と書かれたりする。祝い事の際に食べる場合、 ?起 をかついで「長老木 [3] 」「長老喜 [3] 」「長老貴 [8] 」「千代呂木 [3] 」「千代老木 [8] 」「長老芋 [8] 」のように、さまざまな漢字があてられており、長?とかけた?起物とされている [7]

和名では、その形からネジリイモ、ネジイモ、ホラガイイモなどの別名で呼ばれることもある [7] 。他に甘露子、?塔菜の名もある。

中?名 は「甘露子」 [1] 英語 名は Chinese artichoke(チャイニ?ズ?ア?ティチョ?ク)や chorogi(チョロギ)と表現され、 フランス語 名は crosne du japon (クロスヌ?デュ?ジャポン)などという [5]

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中?の 華南 または 華北 の原産といわれ、華南には野性がある [8] 。中?では古くから栽培が行われており、8世紀の?方書?本草書『本草拾遺』(739年?)に「草石?」として記?がある [8] 。しかし、これは別種の ハンゴンソウ を指すもので、 代の本草書『救荒本草』(1406年?)にある「甘露子」の記述がチョロギだとする?もある [8]

日本では、チョロギの名は江?時代の ?川道祐 遠碧軒記 』(1675年)が初出で、次いで 宮崎安貞 の農書『 農業全書 』(1697年)と 貝原益軒 菜譜 』(1704年)に記載されている [8] 。『農業全書』では、「甘露子」「草石?」「地瓜子」として形態と栽培法を述べて栽培を??しており、この?時チョロギはまだ一般に普及していなかったとみられている [8] 。江?中期の 享保 20年(1735年)の各藩の作物調査書には、備前?和泉?紀州?加賀?越中?米?でテウロギの名で記されている [8] 明治 期になると根菜として栽培法が紹介され、栽培が容易で珍妙な形であることから全?各地でわずかずつながら栽培されるようになり、1949年( 昭和 24年)の調査書では全?23府?で栽培されていた記?がある [8] 。現在栽培が多いのは、 大分? 竹田市 福島? 二本松市 (?? 東和町 )、 ?島? 東?島市 (?? 福富町 )などで、竹田市付近は300年以上栽培を?けたといわれている [8]

1882年に フランス イギリス に?わり、?時は??を有望視された野菜として栽培され、市販も行われた [6] 。1888年には アメリカ に?わり、チャイニ?ズ?ア?ティチョ?クとよび慣わして栽培している [6]

特? [ 編集 ]

チョロギの 塊? 。元の色は白い

シソ科の宿根草で、 ? は直立して高さ30 - 60 センチメ?トル (cm) ほどに育つ [6] [3] 。?の?面は四角形で、稜部に逆刺がある [6] は楕円形で、毛が生えており、 葉? には 鋸? がある [6] 。花期は7-9月 [6] 。?の先に ??花序 が生じ、淡紫紅色の花を各節に輪生して?かせる [6] [3] 。花はシソ科特有の唇形をしている [6] 。夏期に、地下の?の各節から長さ3 cmから1 メ?トル (m) になる地下?を2本ずつ出し、8 - 10月のあいだにその先端に塊?をつける [6] 。根にできる塊?は、長さ1 - 3 cm程度の?貝のような形をしており、2 - 10節、通常7 - 8節のクビレと、各節には退化した鱗?葉と芽があり、?外とも?白色である [6] 。11 - 12月ごろに?穫し食用とする [9] [5] 。日本では 東北地方 を中心に栽培されているが、 京都 など西の各地でも栽培されている。 西日本 での?穫期は東北よりもやや?く、12月ごろになる。

栽培 [ 編集 ]

日?たりのよい場所選び、株間を十分とって種芋となる塊?を植え付けて育てる [7] 。ほとんど土質を選ばず栽培できるが、粘質土ではない有機質に富んだ土?が適する [6] 。作型は 露地栽培 で、春(4月ごろ)に種芋から を育成し、晩春に植え付け、晩秋(11月下旬から12月中旬)に?穫する [7] 。根が伸びた先に新たらしい塊?ができるので、?範?に掘って?穫する [7] 。栽培は容易にできるが [7] 、塊?は掘り?しを生じやすく、草勢も?いため、一度栽培すると野生化しやすい [6] 肥料 はそれほど多く必要としないが、栽培期間が長くて吸肥性が?いため、肥料の?果が大きいともいわれている [6] 連作障害 の影響を受けるため、 輪作 年限は2 - 3年とされる [7]

畑は 堆肥 などをすき?んで耕し、 をつくり、畝間は50 センチメ?トル (cm) くらい、株間は50 cmくらいになるようにする [7] 。春に種芋となる塊?を10 - 20 cmの間隔で定植し、?芽後は葉が茂るまでしばらく除草は行わず、生育?況を見て 追肥 を行う [10] 。あるいは、 育苗ポット に種芋を植え、本葉5、6枚の苗をつくって畑に定植する [11] 。特に 剪定 などは不要であるが、?葉が茂ると倒伏しやすくなるため、必要に?じて支柱を立てて紐で結束するようにして誘引する [10] [12] 。塊?は地下3 - 6 cmのところにできるため、その後も月1回程度に株元を?く 土寄せ 追肥 をして株を充?させ、露出による地下?肥大が?くなるのを防ぐようにする [10] [7] 。?穫は葉が枯れるのを待って行い、?葉を刈り取ってから塊?をていねいに掘りとる [10] 。掘りとった塊?は、土を落としてから水中で土を洗い流して利用する [10] 。なお、翌年の種芋用として塊?を保存するときは、土の中に埋めておくことにより、容易に保存することができる [10]

利用 [ 編集 ]

お節料理 ?豆 に添えられる 梅酢 で赤く漬けたチョロギが、もっともポピュラ?な食べ方として知られる [7] ?起物 の他、 救荒植物 としても利用される。

淡泊な味わいで、クセがなく、サクサクとした??りがある [6] [5] 。梅酢漬けは ユリ根 に似た食感 [13] で、 生姜 のようにピリッと辛い味がする。生のチョロギを茹でたり、 天ぷら にすると、ホクホクした食感になる [12] [9]

塊?を ?漬け や赤く染めた梅酢漬けにしたり、茹でたりして食べる [9] 。?油漬け? ?漬け ?梅酢漬けにしたものは、長期保存が可能で [12] 、市販もされる [5] 。?漬けの場合、4 - 5日ほど漬けた後に 梅酢 やシソ酢に漬けて赤い色をつけることが多い。この赤く漬けたチョロギは、 正月 お節料理 によく用いられる [9] 。俵の形に見立てて正月の?起物とし、お節料理ではそのまま?品として用いられるほか、 クワイ ?豆 を煮たものに添えて供されることも多い [8] [5] 。その他の調理法としては、うま煮、天ぷら、 吸い物 ? 茶碗蒸し の具、 祇園漬け 、汁の?などが?げられる [6] 。西日本では?いたものが 箸休め に用いられる [6]

チョロギは 中? から ヨ?ロッパ にも?わり、 フランス でも食用とされる。フランスではクリ?ム煮や サラダ として食べることがある。フランスで japonaise(ジャポネ?ズ、日本風)と名前に付く料理には、なぜか必ず付け合せにチョロギを盛り付ける [14] 。アメリカでは、 ジャガイモ のように煮るか、 フライ にして食べている [6]

稀に、チョロギは との 食い合わせ が?いといわれることがある。また、??を下げる食べ物としても有名である。

?養?と?果 [ 編集 ]

塊?は、 炭水化物 食物?維 の一種でもある スタキオ?ス という オリゴ糖 を特異的に豊富に含み、乾燥重量で63%程度といわれている [6] [5] 。スタキオ?スは消化の良い四糖類で、この点でチョロギの?養?値は高いと評されている [6] 。オリゴ糖は、小腸では吸?されずに大腸まで?いて、腸?細菌の餌となることが知られる [5]

塊?および全草を乾燥させたものは「草石?」と呼ばれ [3] 、スタキドリン、コリン、スタキオ?スなどを含み、??作用や?咳作用がある [3] 。『 本草綱目 』(著者: 李時珍 )には「徐風破血、下?精神」とあり、外からの病の侵入から身?を守り、血の?りを治し、?を?め精神を安定させる?果があるとされている。

出典 [ 編集 ]

?考文?  [ 編集 ]

  • 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編『かしこく選ぶ?おいしく食べる 野菜まるごと事典』 成美堂出版 、2012年7月10日、127頁。 ISBN   978-4-415-30997-2  
  • 金子美登 『有機?無農?でできる野菜づくり大事典』 成美堂出版 、2012年4月1日、208 - 209頁。 ISBN   978-4-415-30998-9  
  • 講談社編『からだにやさしい旬の食材 野菜の本』 講談社 、2013年5月13日、165頁。 ISBN   978-4-06-218342-0  
  • 21世紀?究?『食の世界地?』文藝春秋社、2004年。 ISBN   4166603787  
  • 農文協編『野菜園芸大百科 第2版 20:特産野菜70種』 農山漁村文化協? 、2004年3月31日、231 - 233頁。 ISBN   4-540-04123-1  
  • 林春隆『食味?典 野菜百珍』 中央公論社 、1984年(原著1930年)。 ISBN   4-12-201116-7  

?連項目 [ 編集 ]