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Sony Japan | 設立趣意書
The Wayback Machine - https://web.archive.org/web/20200525150121/https://www.sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/History/prospectus.html

設立趣意書

1946年(昭和21年)1月、ソニ?の創業者のひとり、井深 大(いぶか まさる:ファウンダ??最高相談役)が起草した。
「東京通信工業株式?社設立趣意書」

  • 東京通信工業株式?社は、1958年(昭和33年)に社名を現在のソニ?株式?社に?更した
東京通信工業株式会社設立趣意書
真面目ナル技術者ノ技能ヲ、最高度ニ発揮セシムベキ自由豁達ニシテ愉快ナル理想工場ノ建設

東京通信工業株式?社設立趣意書 - 井深 大

?時中、私が在任していた日本測定器株式?社において、私と共に新兵器の試作、製作に文字通り?食を忘れて努力した技術者?名を中心に、?面目な??力に富んでいる約20名の人たちが、終?により日本測定器が解散すると同時に集まって、東京通信?究所という名?で、通信機器の?究?製作を開始した。

これは、技術者たちが技術することに深い喜びを感じ、その社?的使命を自?して思いきり?ける安定した職場をこしらえるのが第一の目的であった。?時中、すべての??件のもとに、これらの人たちが孜?(しし)として使命達成に努め、大いなる意義と興味を有する技術的主題に?して、驚くべき情熱と能力を?揮することを?地に??し、また何がこれらの??なる?持を鈍らすものであるかということをつまびらかに知ることができた。

それで、これらの人たちが?に人格的に結合し、堅き協同精神をもって、思う存分、技術?能力を?揮できるような?態に置くことができたら、たとえその人員はわずかで、その施設は乏しくとも、その運?はいかに?しきものであり、その成果はいかに大であるかを考え、この理想を?現できる構想を種?心の中に描いてきた。

ところが、はからざる終?は、この夢の?現を促進してくれた。誰誘うともなく志を同じくする者が自然に集まり、新しき日本の?足と軌を同じくしてわれわれは?足した。?足に?する心構えを、今さら??(ちょうちょう)する必要もなく、長い間皆の間に自然に培われていた共通の意志に基づいて全く自然に滑り出したのである。

最初は、日本測定器から?渡してもらったわずかな試?器と、材料部品と、小遣い程度のわずかな資金をもって、できるだけ小さな形態で何とか切り?けていく計?を立てた。

各人は、その規模がいかに小さくとも、その人的結合の緊密さと確固たる技術をもって行えば、いかなる荒波をも押し切れる自信と大きな希望を持って出?した。斯?(かよう)な小さな規模で出?した所以(ゆえん)は、この?家的大?換期における社?情勢の見透しができず、また、われわれの仕事が社?に理解され利用?値を見出されるまでには、相?の期間を要すると考えたからである。しかるに、?際に動き出してみると、われわれの持つような技術精神や??方針が、いかに現下の日本にとって緊急欠くべからざる存在であったかを、各方面からの需要の?を通じて、はっきり自?せしめられたのであった。

それはまず、?信院、運輸省等の通信に?係ある官?の活?な動きに見出された。すなわち、全波受信機の一般への許可、民間放送局の自由化、テレヴィジョン(テレビジョン)試?放送、あるいは?災通信網の急速なる復興意?とその綿密膨大なる諸計?の?表等、他の低迷困惑せる諸官?の中にあって、一人水際立った指導性を示し、一般業者側が逆に牽引されたかの感を呈したのであった。

斯(かか)る動きは、特に過去において?信院と?係の深かったわれわれに?し、直接の影響を及ぼし、早くも?空管電?計等の多量註文を見る結果となった。

その他、短時日の間に、この方面より提案された新製品の?究、試作依?の種目は相?量にのぼる?態である。また、間接的面から言えば、全波受信機の一般許可による影響は終?後の「ラヂオ(ラジオ)プログラム」に?する新しい興味と共に、ラヂオセットそのものに?する一般の?心を急激に喚起し、?災によるラヂオセット、電?蓄音機類の大量?損も相まって、わが社のラヂオサ?ビス部に?する需要を日を追って?加せしめたのである。その他、諸大?、?究所の?究、同じ志を有する良心的企業家等と、特に深い相互扶助的連係を持つわれわれは、この方面よりの優秀部品類に?する多種多彩な要求に?面しつつあるのである。

以上のごとき各方面よりの需要の?大は、われわれに新しい決意を促したのである。すなわち資本と設備を?充することの必要と意義を痛感したのである。

われわれの心からなる試みが、かくも社?の?範な層に反響を呼び起し、?足より旬日(じゅんじつ)を?ずして新?社設立の?運に向ったことに?し、われわれは言い知れぬ感動を?える。それは?にわが社の前に赫?(かっかく)たる?展飛躍を約束するばかりでなく、われわれの?摯なる理想が、再建日本の企業のあり方と、?らずも一致したことに?する大なる喜びからである。

?社設立の目的

  • 一、?面目なる技術者の技能を、最高度に?揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設
  • 一、日本再建、文化向上に?する技術面、生産面よりの活?なる活動
  • 一、?時中、各方面に非常に進?したる技術の?民生活?への?事?用
  • 一、諸大?、?究所等の?究成果のうち、最も?民生活に?用?値を有する優秀なるものの迅速なる製品、商品化
  • 一、無線通信機類の日常生活への浸透化、?びに家庭電化の促進
  • 一、?災通信網の復?作業に?する積極的?加、?びに必要なる技術の提供
  • 一、新時代にふさわしき優秀ラヂオセットの製作?普及、?びにラヂオサ?ビスの徹底化
  • 一、?民科?知識の?際的啓蒙活動

??方針

  • 一、不?なる儲け主義を?し、あくまで?容の充?、?質的な活動に重点を置き、いたずらに規模の大を追わず
  • 一、??規模としては、むしろ小なるを望み、大??企業の大??なるがために進み得ざる分野に、技術の進路と??活動を期する
  • 一、極力製品の選?に努め、技術上の困難はむしろこれを?迎、量の多少に?せず最も社?的に利用度の高い高級技術製品を?象とす。また、?に電?、機械等の形式的分類は避け、その?者を統合せるがごとき、他社の追?を絶?許さざる境地に?自なる製品化を行う
  • 一、技術界?業界に多くの知己(ちき)?係と、絶大なる信用を有するわが社の特長を最高度に活用。以(もっ)て大資本に充分匹敵するに足る生産活動、販路の開拓、資材の獲得等を相互扶助的に行う
  • 一、??の下請工場を?立自主的??の方向へ指導?育成し、相互扶助の陣?の?大?化を?る
  • 一、?業員は?選されたる、かなり小員?をもって構成し、形式的職階制を避け、一切の秩序を?力本位、人格主義の上に置き個人の技能を最大限に?揮せしむ
  • 一、?社の余?利益は、適切なる方法をもって全?業員に配分、また生活安定の道も?質的面より充分考慮?援助し、?社の仕事すなわち自己の仕事の?念を徹底せしむ。

??部門

  • 一、 サ?ビス部
     

    全波受信機の普及、家庭電化、テレヴィジョン受信機の現出等を考えれば、今後この部門の活動は質?量共にその重要度を加えることは必至の事?である。??、わが?においては「ラヂオサ?ビス」と言い得るほどのもの皆無にして、ただ技術程度の低いラヂオ業者の片手間仕事に?(だ)していた現?であるが、??は高級受信機の出現と共に、斯かる徒輩(とはい)は?然影を消さざるを得ない運命にあり、逆にその需要面の?さと起業意義の大きさのため、一流セットメ?カ?とタイアップせるサ?ビス?門の大?社の出現すら充分予想される所である。
      ?社もその自?に基づいて、技術と測定器を思うように?使し、徹底したサ?ビス活動を行う計?である。その一例として、サ?ビス?用の小型自動車設置案がある。すなわち電?蓄音機は言うまでもなく、高級受信機、テレヴィジョン受信機等は、重量?容積等が相?大になる事?に鑑み、一切の測定?修理?サ?ビス用具を完備せる小型自動車を常備し、電話一本によって??自在に走り回り、迅速に己が任務を遂行せんとするものである。かくすれば仕事の能率はもとより、サ?ビスに?事する技術者の?もサ?ビス用具も少くて?み、一般の便宜に利する点大なるものがあると信ずる。
      また、地方の需要に?しては、目下近接他府?より運搬の困難を犯して?所に持ち?まれる高級セットの?の少くなくない点を考慮し、??は地方の特定ラヂオ商と契約期日を定めて、一括修理を行う予定である。
      政府による全波受信機の一般許可は、大小の無線?社を刺激し、目下全波受信機の製造が盛んに行われつつある現?であるが、資材その他の?係上、なおこれらの製品が市場に出回るまでには、相?な日月を要するものと考えられ、この時間的空隙(くうげき)における一般需要に?えて、?社においては目下、??の手持受信機に付加?置を付することによって、簡?に全波受信機に改造できる方法を工夫創案し?意製作中なるも、この付加?置は使用資材が少く、技術的に高級?性能優秀なるため、すでに一般およびラヂオ商方面より予約申?を??見つつあり。?社においては大?明年6月までに500台(?格40万円)を製作する予定にて、以後は全波受信機の市場出回り?況いかんにより態度を決する予定である。
      ?社への修理依?は?災による被害?量の多きためと、高級セットを安心して託するに足る信用あるラヂオ商の少なきため、日を追って?加しつつあり、これに?し?社にては利益を第二義とし、例えば故障、修理理由を素人にも理解しやすきように解?したるメモを?えるがごとき、親切丁寧なる方法をもってサ?ビス精神徹底化を期しつつあり、一旦手掛けたるセットは最後までその責任を持ち、いかなる煩?なる要求に?しても快く?ずる精神的態度は、わがサ?ビス部の本質となるものである。
      その他、?は少なきも絶?他社の追?を許さざる最高水準を行く高級受信機の製造、?社?自の電?部品、家庭電化用品の製作も種?企?(きと)しつつあり。また海外技術の紹介、一切の無線資料、?書を具備せる?書館の設置、講習?開催による一般電?知識の啓蒙活動等も??のサ?ビス部の重要な課題となるであろう。


    (株主とサ?ビスの問題)
      なお、??株主に?するサ?ビス(電?一般)は、特に重点的にこれを行う予定である。すなわち株主??社の一般的?係に自由にサ?ビスを要求できる?員制度的性格を持たせることは、意義あり興味ある試みと思考される。
      新しい機械、テレヴィジョン家庭模?電信(無線により新聞を?送印刷する?置)等の新製品や、家庭電化用品を優先的に提供し、??の一般的な?係より、より特色ある緊密な形に結びつけるであろう。
      家庭電化が日を追って盛んになる傾向にある今日、特にそれは有?適切な方法と思考される。

  • 二、 測定器部門
     現在、ラヂオ製造者の?の多きに比して、これの製作?修理に必要なる測定器の製作者は極めて寥?(りょうりょう)たるものであり、また一般ラヂオ業者にして、調整?修理にあたり測定器を用いる者は皆無に近い?態である。しかし、??の一般に普及せる程度のラヂオ受信機ならば、現在のラヂオ業者が行っているがごとき、いわゆる「勘」に依存した方法も可能なるも、今後、高級受信機、全波受信機を一般が使用するようになれば、かかる非科?的方法はその存在を許されなくなることは明白な事?である。過去において測定器製造が活?に行なわれなかった理由は、技術の困難と多?の標準器を必要としたためであるが、いずれにせよ測定器製造業者の?が少ないという事?は、この方面への技術的???的分野がいまだ多分に?されているということを物語るものである。すなわち、使用資材が少なく、?格が高?で競?相手が少ないという点で、極めて??的に有利であり、高度な技術を有する企業家にとっては?に絶好な進路というべきである。
      われわれが過去に?した日本測定器株式?社は、この?少ない測定器製造業の中でも屈指のものであって、わずかな資本と貧弱な設備を持って、極めて短日月の間に驚くべき?展を遂行し得たのも、時局とはいえ、ひとえに測定器部門の持つ??的特性によったものと?言でき得るのである。
      日本測定器株式?社の主要製品の一つたる超短波用の?空管電?計は、われわれの10年近い年月と血の?むような努力の結晶であって、その一般における絶大な定評は言わずもがな、まさにわが?の世界に誇り得る測定器の一つであることは、今回米?進駐軍がこれに?し異常な感心を持ち、?考のため本?に持ち?った事?によっても、雄弁に物語られるところであろう。この?空管電?計は、このたびの新?社においてもそのまま踏襲して製作される予定で、すでに?信院より本年度として150台(約30万円)の?注を見、3月末までに完成の予定にて目下?意進行中である。なお、?信院としては昭和21年度の一括?注も用意されてあり、一般よりの需要も相?量にのぼることは必至にて、また??テレヴィジョン開始となれば欠くべからざるものになるであろうことなどを考えれば、?に?空管電?計一種のみを製造品目としても充分?社の??は成立し得るものと思考される。
      その他、特殊な高級測定器を順次製作する計?であるが、特に重点を置くのは、あまり技術的訓練を受けていないラヂオ商にも、高級ラヂオ診?が自動的に行えるような?合サ?ビス用測定器、言い換えればセット分析器といったごとき種類の測定具の製造である。かかる測定器の普及によって一般ラヂオ商のサ?ビスを?のサ?ビスたらしむることが社?的に充分意義を有するものと信ずる。
      そして、これは大セットメ?カ?と連携しその適合した診?を行えるがごとき?置にする予定である。
      前記サ?ビス部門は大衆相手の直接のサ?ビスを意味するとすれば、該?部門は?門家相手のサ?ビス部門と言い得るであろう。サ?ビス精神の徹底化を?ることは前者の場合と勿論同?である。
  • 三、 通信機部門

     前述2部門は、大??社の維持??を分?する部門であるが、該?部門は?分の間、新しき特殊通信機の試作?究を分?し、今日よりも?社の明日に備え、??の大飛躍をここに期待し得るのである。?信院、運輸省、?務省等は、再建日本の重要課題たる通信網の能率上昇を積極的に企?しつつあり、?社もその要望に?え、全く新しき種?の試作を??中にして、そのうちの主なるものを次に簡?に?明すれば??、

    イ、 時分割多重通信方式

     これは、現在の有線あるいは無線をして、簡?な?置で三重、四重等の多重通話を可能ならしむるものであって、東北帝大の通信?究所において、昭和18年より?究を開始、?時中、特に?達した電波警戒の技術を多分に取り入れたる極めて特色ある方式によるものであり、?信院、運輸省でもその成果を非常に注目しつつあり、?道省?注予定の試作セットが完成し成功すれば、現在計?中の?函十二重超短波無線電話?置(見積?格、約560万円)の註文は?社に?る予定なり。

    ロ、 簡易重?(ちょうじょう)電話?置

     これは、現在の電話線になお一通話?して、二重通話を可能ならしむる(現在の線路を使用して倍の通話を可能とす)非常に簡?な?置で、すでに日本測定器株式?社において、全く他の目的を持って多年?究されたるある種の兵器を若干改良すれば、この目的を充分果し得られるのである。目下盛んに試作中なるも、これもまた?社技術陣の?壇場、お家芸の一つであって、完成の上採用となれば、その需要度は恐るべきものであろう。

    ハ、 ?字通信機

     これも?時中、航空通信に用い操?士に電信符合習得の煩わしさから?しせしむる目的を持って企?されたもので、完成を見ずして終?となったものである。送信側において電鍵(でんけん)の代りに、50音のタイプライタ?を叩けば、受信側では通信文の50音が順次テ?プ上に印字されつつ出てきて、通信が終ればテ?プは停止する。?置は簡?であり、送信?置は大?携?用タイプライタ?と同型、受信?置は手提げ金庫程度のもので有線無線?方に使用でき、??電信局でこれを叩けば、加入者側ではテ?プの電報を受けることになり、また家庭で電話をかけて留守の場合等は、こちらから?言を叩いておけば、何らの技術も要せず先方へ?言を書いたテ?プを?すことができるのである。また、?道等の指令?置に用いても、命令の?容が明瞭に印刷されるため、極めて便利であり、?用利用範?は極めて多く、電信機の?然到達すべき理想の一つの型であるが、これの完成は非常に意義深いものがあろう。本機の製作は相?精密な機械?置を必要とし、現在の?態では?時製品化することは困難であるが、とりあえず試作だけは完璧なるものにするため、設計進行しつつある。

    ニ、 プログラム選?受信方式

     これも日本測定器株式?社において?究完成したる兵器の?用品である。放送局において、そのプログラムごとに異なった周波?の音(例えばニュ?スならば「ド」、音?ならば「レ」のごとく)を放送前にちょっと出す(ピアノを叩く程度にてよし)と、受信側ではその音の高さによって動作する周波??電器が動作して受信機が?く。それゆえに?取者は自分が聞きたいと思うプログラムだけのボタンを押しておけば、自動的にラヂオのスイッチが入って、そのプログラムのみ聞くことができる。それが終わればやはり特定音を出し、また自動的にスイッチを切ることになる。その他、この?置を用い自動的に時報に時計を合わせることも可能である。

    ホ、 その他特殊部品

     音叉?振器、濾波(ろは)?電器、音叉時計等のごときは、?社?特のもので、??目的をもって?究?製作してきたもののうち、今後の通信技術方面に?換利用可能なるもの?多くあるをもって、各方面の要求に?じ、逐次製作していく予定なり。

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