隕石は米の新兵器? ロシアンジョ?ク

2013.01.18
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ロシア中部チェリャビンスク州で、隕石落下による衝?波で?れた窓を修理する地元住民(2月15日撮影)。

Photograph by Boris Kaulin, AP
 2月15日朝、ロシア、ウラル山脈東麓の都市チェリャビンスクの空を、目がくらむほどまぶしい火の玉が猛スピ?ドで?切った。そして、耳をつんざくような衝突音とともに、約80キロ西の湖に落下したと考えられている。衝?波によって街中の建物の窓ガラスが吹き飛ばされ、1000人以上が負傷、そのうち3人が重症という。被害?額は10億ル?ブル(約31億円)に上るとみられる。 チェリャビンスク市長はすぐさまラジオ出演し、混??態の住民たちが?に想像していた通りの?表を行った。街からそう遠くないどこかに隕石が落ちたという?容だ。ロシア科?アカデミ?は、この隕石の重さは10トン、時速約5万4000キロで大??に突入したと推測している。

 しかし、ロシアの扇動的な政治家ウラジ?ミル?ジリノフスキ?(Vladimir Zhirinovsky)氏の見方は違った。1度は消えかけたものの再燃しているテ?マを持ち出し、?自の?明を披露した。ソビエト連邦の時代、?十年にわたってプロパガンダにさらされ、いまだ役人の言葉が信じられない人?の心をかき?すことが狙いだ。

「隕石が落下したのではない」とジリノフスキ?氏は?言する。「アメリカが新兵器を試しているのだ」。

 ジリノフスキ?氏によれば、アメリカ?務長官に就任したばかりのジョン?ケリ?氏は14日、ロシアの外相セルゲイ?ラブロフ氏に連絡を取ろうと一日中試みていた。「挑?的行?の予定があり、ロシアに影響が及ぶかもしれないと警告する」ためだ。しかし、ラヴロフ外相がアフリカ?訪中で多忙だったため、結局かなわなかった。

 ドミトリ??メドベ?ジェフ首相はもう少し冷?で、隕石落下がロシア??に?える損害を?に出して心配した。

 しかし、空飛ぶ隕石は14~16日に開催されたクラスノヤルスク??フォ?ラムのロゴにぴったりではないかとも述べている。

 ロシア?民は一般的に政治家の言葉を(ウラジ?ミル?プ?チン大統領を除いては)あまり重視しない。??を確認したいときは、まずインタ?ネットに向かう。ニュ?スサイトには、病院で治療を受ける被害者たちの?然とした表情をとらえた映像が?載されている。それらを見る限り、重大な出?事が起きたことは疑う余地がない。

 では、これほど重大な出?事に直面したとき、ロシア?民はどうするのだろう? ロシア?民はまず冗談を言う。しかも、ソ連時代に生まれ、プ?チン大統領が築き上げたソ連風の王?で復活した暗く自虐的なスタイルが多い。そして、言論の自由が今も認められる場所、つまりインタ?ネットで?表する。

 現在のロシアは政治的な緊張?態にあるため、?然ながら、政治色の濃い冗談が多い。ルスラン?レビエフ(Ruslan Leviev)さんはツイッタ?で、「大統領の調査委員?(Investigative Committee)が(反?制派のブロガ?、アレクセイ?)ナワルニ?氏の??について調べている」とつぶやいた。

 ブロガ?のマクシム?カッツ(Maksim Kats)さんは、「(昨年に復活したばかりの知事)選?を取りやめ、大統領の任期を(6年から)10年に延長する」口?ができたと述べる。プ?チン氏は大統領2期目就任直後の2004年、北オセチア共和?ベスランで武?集?による?校占?事件が起こった際、地方の知事を直接選?から大統領による任命制に改めている。

 フェイスブックでは、??テレビ局「チャンネル1(Channel 1)」の有名なニュ?スキャスタ?の?像が共有されている。ロシアの都市部では、このキャスタ?がクレムリンのプロパガンダを?める役割を?っていると考えられている。?像の顔は宇宙人のように?色で、目はETそっくり、「ニュ?ス速報。今朝、チェリャビンスクでは何も起きていません」と?えている。

 もっと?い冗談もある。Diman604さんはバレンタインデ?にちなみ、「チェリャビンスクの男の子が彼女に空の星をあげると約束し、それを果たした」とコメント。また、ブロガ?のv_neformateさんに言わせれば、おそらく「隕石ではなく、五輪の聖火」という。2014年にロシアで開催される「ソチオリンピックを宇宙から祝福してくれているのだ」。

 @Koffboyさんはツイッタ?で次のように報告している。「あの小惑星の住人はチェリャビンスクに近づくのが怖かったに違いない。チェリャビンスクはロシアの中でも工業による汚染で?名高い都市だ。罪や魂はもちろん、空?も決して?化されない」。

 チェリャビンスク州の知事は事態を?拾するため、新たな隕石が落ちる心配はないと住民に?えた。

 ところがその後、RBC TVのWebサイト「rbc.ru」に、「NASAが世界の終わりのリハ?サルを生中?」という見出しが?載された。ただし、これは同じ15日、隕石の落下後に地球に接近した小惑星「2012 DA14」のことだった。

Photograph by Boris Kaulin, AP

文=Jeffrey Tayler in Moscow

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