英?式ブラスバンド
（えいこくしきブラスバンド、
金管バンド
、
ラッパ隊
とも呼ばれている、
英
:
British-style brass band
）は、
サクソルン
?の
金管?器
と直管?器の
トロンボ?ン
、
打?器
で構成される
金管バンド
である。
日本
では
吹奏?
のことをさして「ブラスバンド」ということがある
[1]
が、
イギリス
では吹奏?はウィンド?バンド (wind band) として明確に?別されている。
?史
[
編集
]
19世紀前半、イギリスの??者階級を中心に
禁酒運動
の一環で、??者階級のレジャ?、レクリエ?ションとしてのブラスバンド運動が起こった。イギリス各地で職場バンドや市民バンドが創設され始める。?時のブラスバンド編成は現在とは大きく異なり、
クラリネット
などの木管?器も含まれていた。
19世紀半ば、
アドルフ?サックス
により音色の統一を目的とした
サクソルン
が開?され、1851年の
ロンドン万?博??
で?表されると、ブラスバンド編成に取り入れられて中心的な?器になっていった。
1853年に初となる??的なコンテストであるベルヴュ?コンテストが開催されるようになり
[2]
、ブラスバンド編成の統一、演奏技術の向上が促された。
19世紀後半に
救世軍
のブラスバンド、チャ?ルズ?フライ
[3]
が?美歌を金管?器で演奏し、組織的にブラスバンドが取り入れられるようになった。
また、18世紀から19世紀にかけて起こった産業革命により、印刷技術の革新が?いたことで、?譜の大量印刷と出版が可能になり、より容易に譜面の入手ができるようになったこともブラスバンド運動の?大に?がった。
20世紀にはクリスタルパレス?コンテストが始まり、ブラスバンドのオリジナル曲が作曲され、レパ?トリ?の?充が進んだ。
現在の英?では町に1つはバンドがある、というほど普及しており、2000程の??が活動しているといわれている。地域に密着した存在となっているようで、企業がバンドのスポンサ?になるのも通例である。他にも
米?
や
豪州
、
?州
各地でブラスバンドは盛んであり、日本でも徐?に定着しつつある。
使用?器?編成
[
編集
]
ブラスバンドの編成
代表的な編成は以下の通りである。多くの?曲はレギュレ?ションされた以下の28人編成を前提に作曲、編曲されている。
コルネット?セクション
[
編集
]
コルネット
(又はコ?ネット)?セクションは、通常10名と最も人?が多いセクションである。多くの場合前列と後列に分かれ、前列はフロント?ロ??コルネット (Front Row Cornet) と呼ばれ、ソロ?コルネットと呼ばれるパ?トが配置される。後列はバック?ロ??コルネット (Back Row Cornet) と呼ばれ、ソプラノ?コルネット、リピアノ?コルネット、セカンド?コルネット、サ?ド?コルネットと各パ?トが配置される。ソプラノ?コルネットはE♭の調性を持ち、?音に?し短3度低い音で記譜される（いわゆるin E♭）。それ以外のコルネットはB♭の調性を持ち、?音に?し長2度高い音で記譜される（いわゆるin B♭）。いずれもト音譜表で記譜される。
- ソロ?コルネット (Solo Cornet)
- 通常4名。主に主旋律を??する。ソロ?コルネットの首席奏者はプリンシパル?ソロ?コルネット (Principal Solo Cornet) と呼び、
コンサ?トマスタ?
のような扱いを受け、??ソロを??することが多く音?性の豊かな奏者が??することが多い。その補佐をする奏者1名をアシスタント?プリンシパル?ソロ?コルネット (Assistant Principal Solo Cornet)、?りの2名をトゥッティ?ソロ?コルネット (Tutti Solo Cornet) と呼ぶ。
- ソプラノ?コルネット (Soprano Cornet)
- 通常1名。主旋律の最高音を??したり、ソロを??したりする。ブラスバンドの華やかさの決め手となる重要なポジション。管の長さが短いために安定した音程をとりにくい?器とされる。?器の改良がB♭管のコルネットに比べ進んでいないことも困難さに拍車をかけている。
- リピアノ?コルネット (Repiano Cornet)
- 1番目の伴奏パ?ト。通常1名。副旋律を??したり、ハ?モニ?を構成していたり、隣にいるソプラノコルネットと旋律を吹いたり、さまざまな役割の演奏を要求される。しかし、??の金管バンドには一般的のパ?トでは無い。
- セカンド?コルネット (Second Cornet)
- 2番目の伴奏パ?ト。通常2名。主にハ?モニ?や打ち?みを??し、サ?ド?コルネットとともにホ?ンセクションとの音色の融和も求められる。
- サ?ド?コルネット (Third Cornet)
- 3番目の伴奏パ?ト。通常2名。主にハ?モニ?や打ち?みを??し、セカンド?コルネットとともにホ?ンセクションとの音色の融和も求められる。
ホ?ン?セクション
[
編集
]
ホ?ン?セクションは、英?式ブラスバンドにおいて特?的なパ?トであり、英?式ブラスバンドとしてのサウンドを決定付ける。
- フリュ?ゲルホルン
(Flugelhorn)
- 通常1名。コルネットと同じB♭の調性を持つ。コルネットに比べ、管が太いため、柔らかな音色になる。ゆったりとした場面でソロを??することが多い。コルネットに比べて高音域の演奏が難しい。?音に?し長2度高い音にてト音譜表で記譜される。
- テナ?ホ?ン (Tenor Horn)
- イギリス以外では
アルトホルン
と呼ばれる。通常3名で、ソロ、ファ?スト、セカンドの3パ?トに分かれていることが多い。E♭の調性を持ち、ソプラノ?コルネットの1オクタ?ブ下の音域を受け持つ。通常ハ?モニ?を??する。あまり?器の改良が進んでおらず、高音域や低音域の演奏が他の?器に比べ難しい。?音に?し長6度高い音にてト音譜表で記譜される。
- バリトン
(Baritone)
- バリトンホ?ンと呼ばれることもまれにある。通常2名でファ?スト、セカンドに分かれていることが多い。B♭の調性を持ち、コルネットの1オクタ?ブ下の音域を受け持つ。ユ?フォニアムよりも若干細めの管である。あまり目立たないパ?トではあるが、音?的にも座席でもテナ?ホ?ン、トロンボ?ン、ユ?フォニアムの間に位置するため、各パ?トとの連携が多く重要である。?音に?し長9度高い音にてト音譜表で記譜される。
WASBE
ではヘ音譜表の表示も認められている。
トロンボ?ン?セクション
[
編集
]
トロンボ?ン
?セクションは、B♭の調性を持ち、バリトン、ユ?フォニアムと同じくコルネットの1オクタ?ブ下の音域を??する。円錐管主?の英?式ブラスバンドの中で唯一の円筒管?器として、ピストンではなくスライドという柔軟な音程調節機構を持つ?器として極めて重要である。?く硬い音形でサウンドにメリハリを持たせたり、完全な和音を構成し他の?器とハ?モニ?を組んだりする。?前の救世軍金管バンドでは「伸び縮曲がり金」っと呼ばれていた。
- トロンボ?ン
- 通常2名で、ファ?スト、セカンドに分かれている。救世軍の??金管バンドにはファ?ストとセカンドと別にソロ?トロンボ?ンと言うパ?トを加えている?譜も存在している。?音に?し長9度高い音にてト音譜表で記譜される。
- バス?トロンボ?ン
(Bass Trombone)
- 通常1名。トロンボ?ンセクションの3番目として、またベ?ス?セクションのトップとして活躍する重要なパ?ト。太い?特の音色からソロを??することもよくある。昔??金管バンドのサクバット(G管)と現在のトロンボ?ン(Bb,F,Gb管)が混在している故に、英?式ブラスバンドで唯一ヘ音譜表で?音記譜する?器となった。
ベ?ス?セクション
[
編集
]
チュ?バ/バス
ベ?ス?セクションは、低音域を支えるセクション。典型的にはアップライト式のバス（
バス?チュ?バ
）を使用するのが主流である。他の演奏形態ではめったにみられない
ミュ?ト
を使用する機?が多いのも特?的である。
- ユ?フォニアム
(Euphonium)
- 通常2名。B♭の調性を持ち、バリトン、トロンボ?ンと同?にコルネットの1オクタ?ブ下の音域を受け持つ。ソロ?コルネットと同?、主にメロディ?ラインを受け持つ。柔らかい音を持ち機動性に富み、ソロ?器として活躍する。バリトンとセクションを構成したり、ベ?スセクションと連携することもあるが、比較的?立したセクションと考えられていることが多い。?音に?し長9度高い音にてト音譜表で記譜される。
- E♭バス
- E♭の調性を持つバスを使用し、通常2名。日本??では「エスバス」又は「小バス」と呼ばれることが多い。管の長さの割に大きいベルを持ち、豊かで柔らかな音色がする。演奏が容易で?い音域を持ち、機動性に富むのでソロを受け持つことがある。?音に?し長13度高い音にてト音譜表で記譜される。
- B♭バス
- B♭の調性を持つバスを使用し、通常2名。日本??では「ベ?バス」又は「大バス」と呼ばれることが多い。最低音域を??し、太く安定したサウンドを生み出す。見た目は鈍重な?器だがE♭バス同?に音域が?く、想像以上の機動性を持つ。他の演奏形態のチュ?バの譜面に比べて平均的に1オクタ?ブ前後低い音域を??するため、高度な基礎能力が奏者に要求される。?音に?し長16度高い音にてト音譜表で記譜される。
パ?カッション?セクション
[
編集
]
パ?カッション?セクションは、
打?器
全般を通常3名で??する。典型的編成としては
ティンパニ
1名、
ドラムセット
1名、
グロッケンシュピ?ル
や
シロフォン
といった鍵盤打?器1名というのが多い。3名という人?を最大限に活用するため、?器の持ち替えが多用される。
サウンド
[
編集
]
他の演奏形態では金管?器には?く刺激的な音色が要求されるが、英?式ブラスバンドでは
パイプオルガン
のような??でやわらかく落ち着いたサウンドがする。これは、?器のベルが?客に向くことなく配置され、サラウンド感のあるほどよく調和された間接音を?衆が聞くことになるからである。他の編成に比べ
ビブラ?ト
を多用することも、特有のサウンドを生み出す要因の一つとなっている。そのため、?美歌のような美しいハ?モニ?を持つ?曲の演奏に適しており、
救世軍
の布?活動に極めて?果をもたらした。一般に座席配置は『コの字型』と言われるが、?際には馬蹄形に配置することが多く、?際その方がよりよい音がすることが多い。
?曲
[
編集
]
ブラスバンドは金管?器と打?器で演奏するため、それぞれの?器の扱われ方も他のジャンルと異なる。休符が少ないことからも、耐久性?持久性が要求される。
ブラスバンドのオリジナル作品というのは多くあり、古くは
エルガ?
、
ヴォ?ン?ウィリアムズ
、
ホルスト
などの大作曲家も作曲している。またブラスバンド作品を中心とする作曲家が他ジャンルからブラスバンドへのアレンジを積極的に行ってもいる。
主な作?編曲家
[
編集
]
コンテスト
[
編集
]
ブラスバンドの
コンテスト
は、より向上心を煽るためイギリスでは昔から盛んに行われていたが、近年になってヨ?ロッパ選手?などが催されるようになり、徐?に?がりを見せている。
代表的なものには以下がある。
- National Brass Band Championship of Great Britain（全英選手?、
1900年
から）
- European Brass Band Championship（ヨ?ロッパ選手?、
1978年
から）
- All England Masters Brass Band Championship（全英マスタ?ズ、
1989年
から）
- British Open Brass Band Championship（ブリティッシュオ?プン、
1853年
から）
ブリティッシュオ?プンはプロ?アマ混合の大?であるが、ほとんどアマチュアの大?である。上位のアマチュアの??は比較的ハイレベルである。
?容はセクション?に階層分けされ、演奏レベルで?分される（詳細は
「
グレ?ド制 (イギリスのブラスバンド)
」
を?照）。ほとんどが課題曲（他に自由曲など）で審査され、審査はブラインド審査といって、予め渡されたスコアによって減点方法で評?する。
また、コンテストの開催はブラスバンドのレパ?トリ?の形成にも大きく貢?している。全英選手?を立ち上げたジョン?ヘンリ??アイルズ（John Henry Iles）が
1913年
に
パ?シ??フレッチャ?
（
英語版
）
に委?した『??と愛』（
Labour And Love
）は、
管弦?
作品や
オペラ
からの編曲を?ら演奏していた?時のブラスバンド界において貴重なオリジナル作品だった。その後?年、課題曲（Set Test Piece）として新作が書き下ろされるようになり、上述のエルガ?、ホルスト、ヴォ?ン?ウィリアムズらも、アイルズの依?でブラスバンドのために筆を執っている
[4]
。現代においても、上述のスパ?ク、ウィルビ?、エレビ?などの代表作の多くがコンテストにおける委?から生まれている。
??
[
編集
]
イギリスの主要な??
[
編集
]
スポンサ?によって名前が?わることがあるが、100年以上も?くバンドもある。
日本の主要な??
[
編集
]
- Japan Staff Band（
救世軍
）
- 通?本?バンド、?謀?隊。1902年で立ち上がり、現在日本で最も?史を持つ金管バンドである。スタッフバンドはその?の本部（本?）に所?し、日本では各方面からメンバ?が集まっている。
- 代表は引地正樹。鈴木肇の定年退職にあたり引地正樹が後任。
- 日本にブリティッシュブラスバンドを?えた??として、1996年3月、JSBは日本吹奏??による「第6回?日本吹奏?アカデミ?賞 特別部門賞」を受賞。
- 救世軍?西ディビジョナルバンド（
救世軍
）
- 代表は前田?晴。救世軍西日本連隊に?する??の??員と施設の職員で構成された金管バンド。
- Tokyo Brass Society
[1]
- 代表は山本武雄。日本の救世軍以外のブラスバンドとしては最古?となる。
- BREEZE BRASS BAND
- 大阪で活動する、日本を代表するプロのブラスバンド。代表?指揮は上村和義。1996年のヨ?ロッパツア?で高い評?を受け、日本でもっとも有名なブラスバンドの一つとして英?でも評?される。多くの作品を日本に紹介し、ブラスバンドを知らしめた功績は大きい。
- VIVID BRASS TOKYO
- ?東で活動するプロのブラスバンド。ブラスバンドの新しいサウンドを求めて活動中。
- The Band of the Black Colt (BBC)
- 1976年に初?を上げた、市民バンドでは最も日本で古い?史を持つ、英?スタイル金管バンド。
- 大阪コンサ?トブラス
[2]
- 2008年結成。?時の音大生や音大出身者を中心に結成し、現在は?西を中心に活躍するフリ?ランスの金管?打?器奏者で構成されている。通?OCB。
- 洗足?園音?大?
ブリティッシュ?ブラス
- 日本??の
音?大?
で初めて結成されたブラスバンド。主に金管?器?攻の?生で結成。??のオリジナル曲の他、多方面の奏者との競演や邦人作品などを取り上げている。
- ?立音?大?
金管バンド（くにたち?ブラスクワイヤ?）
- 2002年、管打?器?攻生の有志によって結成。ブリティッシュスタイルの追求の傍ら、新しい可能性を求めて、オ?ケストラ曲の編曲などにも挑?している
[5]
。
- 浜松ブラスバンド
[3]
- 2004年設立、?岡?浜松市を?点に活動するアマチュア?ブラスバンド。略?はHaBB。 代表?音?監督 岡本篤彦、副代表 ?山敏昭 2010年より?年夏に『ブラスバンド?キャンプ』を主催
?考文?
[
編集
]
- The British Brass Band: A Musical and Social History
ISBN 978-0198166986
- The History of British Military Bands: Cavalry and Corps, Plus the Parachute Regiment and the Brigade of Gurkhas v. 1 (History British Military Bands)
ISBN 978-1873376010
- 上宮?紀（2013）,ヴィクトリア朝イギリスにおけるブラスバンド運動の生成と?大 : 1850年-1900年, 甲南大?
脚注
[
編集
]
?連項目
[
編集
]
外部リンク
[
編集
]