聖餐

聖餐（せいさん）とはイエス?キリストの最後の晩餐および、後にその再現として執行してきた典?的?食をいう。「 エウカリスト 」（ ユ?カリスト ^[1]）の日本語?。「聖餐」はおもに西方の?派で使われる?語だが、カトリック?? では「聖? 祭儀」、「聖?の秘跡」と呼ばれる。日本の聖公? 、プロテスタント ??などでは「聖餐式」と呼ばれる。正?? では「聖??儀」、「聖?機密」「領聖」と呼ばれる。「主の晩餐」の語はいずれの ?派でも使われる。

最後の晩餐 [ 編集 ]

新約聖書には、イエスが引き渡される前に、弟子たちと最後の食事を共にし、自分の記念としてこの食事を行うよう命じたことが記されている。これが「最後の晩餐」である。共?福音書によればイエスはパンを取り、「これがわたしのからだである」といい、杯をとり「これがわたしの血である」といって弟子たちに?えた。『コリントの信徒への手紙一』 (11:23-26) にも述べられており、初期からこの儀式が???で行われていたことが分かる。キリスト?徒はこの儀式を行うことで、そこにキリストが現存するという信仰を保持してきたが、宗派によって細かいやり方や考え方は異なっている。

?統的なカトリックと正??のキリスト?徒たちは聖餐をサクラメント（秘跡） ^[2]として行ってきたが、宗?改革以降のプロテスタント ??はあえてこれを秘跡と呼ばず、 ?典という呼?を用いる ^[3]。これは、「神の救? は人間の行いによるのではなく、信仰のみによる」という考え方から、聖餐の執行そのものを救いの要件とは考えないためである。ただし、聖餐に何らかの意味を持たせるか、?に象?的な儀式と考えるかは、?派によって異なる。多くは、聖餐において神の?みが人間に?えられるのではなく、共同?の信仰を示すための儀式であるとしている。

エウカリスト [ 編集 ]

語源 [ 編集 ]

聖餐は多くの言語でギリシア語由?の語「エウカリスティア」から?化した語で呼ばれる。日本語の聖餐はこれを意?したものであるが、日本の一部?派では英語化したエウカリスト、ユ?カリストの語で聖餐を呼ぶものもある。

ギリシア語の「エウカリスティア」 ( ε?χαριστ?α ) は感謝という意味の名詞である。この語はさらに ε?- （“良い”を表す接頭?）と χαρ? 「喜び」という2つの語根に分けられる。この言葉の動詞形は「エウカリステオ?」（ ε?χαριστ?ω ）で、新約聖書の中で55箇所用例がある。『マタイによる福音書』（以下マタイ）26:27、『マルコによる福音書』（以下マルコ）14:23、『ルカによる福音書』（以下ルカ）22:19および『コリントの信徒への手紙一』（以下一コリント）11:24ではイエスが自分の?と血であると宣言したパンとワインを「感謝して」弟子たちに?えたことが書かれている。新約聖書において「感謝する」とは「祈る」とほぼ同義に使われ、聖餐とは本?この式の中で聖別されたパンとワインのことを指した。なお現代ギリシア語で " ευχαριστ? " (/efxaristo/) というと「私は感謝する」、つまり「ありがとう」の意で用いられる。

初期キリスト? [ 編集 ]

ギリシア語の「感謝」を意味する「エウカリスト」という言葉は初期のキリスト?の?史にすでに現れる。たとえばアンティオキアのイグナティオスは 110年ごろのスミルナとフィラデルフィアの共同?にあてた手紙の中で聖餐の儀式を指して「エウカリスト」という言葉を用いている。 150年ごろ、ユスティノスも『弁明』 (Apologia) の中でエウカリストと呼ばれる聖餐の儀式の詳細を描いている。

初代??では「アガペ? の食事」と呼ばれる儀式が行われていた。それはパンとワインを分け合って、キリストの最後の食事を思い起こす典?儀式であった（「 ?γ?πη 」というのはギリシア語で愛を意味する言葉の一つで、「無私の愛」というニュアンスを含んでいる）。「アガペ?の食事」はそれだけでは終わらず、?際に信徒たちが食事を持ち寄って共同で?食を行うことまで含まれていた。ただ、?加者の?が?えていくにつれ、全員に食事が行き?かないことや、一部の人しか食事ができないといった不都合が起こるようになる。パウロは一コリント11:20-22でこのような事態を批判している。?際の?食を伴う儀式は聖餐が典?儀式として整備されていく中で徐?に?れ、8世紀にはほとんど行われなくなったと考えられている。

現代の??でも、日曜日或いはクリスマス?イヴの??やミサの後で、信徒や非信徒の出席者たちが集まって?食したり、お茶を?んだりすることがよく見られる（祝?）。

コムニオン [ 編集 ]

詳細は「コミュニオン」を?照

カトリック?? や正?? 、聖公? 、プロテスタントの多くの??では、（交わりを意味する）ラテン語コムニオ (communio) に由?するコムニオン (Communion) という言葉も用いられる。キリスト?におけるコムニオンの語は原義において、聖餐ないし聖餐式を指すが、?じて、神と信徒の交わり、信徒同士の交わりなども意味する。このように「コミュニオン」という言葉は?派を超えて重要な用語であるが、この言葉が?義に何を指すかは宗派によって微妙に異なり、カトリック??と正??では、聖餐の儀式そのものを指すというより、聖? （パンとワイン）を口にすること（聖??領、領聖）や聖別された聖?そのものを「コムニオン」といって?別している。このような場合は聖餐の式（エウカリスト）にあずかっても、聖?（コムニオン）を受けないということもおこりうる。他方、聖公?では「ホ?リ??コミュニオン」 (Holy Communion) というのが聖餐式そのものを指す言葉である。

カトリック??では聖餐を「聖?の秘跡」というが、パンとワインがキリストの?と血に?化し、それを信徒が分け合うことこそがミサの中心である。「ミサ」という言葉は聖公?でも用いられる。これは聖公?がプロテスタントであっても、政治的な理由でロ?マ?皇? から離れたため、典?などは多くの部分をカトリック??からそのまま引き?いだことが背景にある。正??では?統的に「聖?機密」という用語を用いている。聖?機密を核とする奉神? （典?）が聖??儀 (Divine Liturgy) であり、カトリックのミサに相?する。プロテスタント??では「主の晩餐」や「パンを裂く式」といった言い方がされることもある。

信徒集?としてのコミュニオンは、共に聖餐式に?る人?の集?を指す。ある???での?加資格の度合いに?じ、「クロ?ズド?コミュニオン」（?該??の?員もしくは?該??が?する?派の??員のみ聖餐?加が許される）?「オ?プン?コミュニオン」（洗?を受けたクリスチャンなら誰でも聖餐に?れる）?「フルオ?プン?コミュニオン」（未受洗でも希望者は全員聖餐に?れる。かつては「フリ??コミュニオン」と呼ばれていたが、?事者たちにより「フルオ?プン」の語が使われるようになってきた）という分類もある。

またコミュニオンは??組織相互の?係を定義する?念でもある。複?の??が基本的?義を共有し相互に聖餐に?る?係を「フル?コミュニオン」、「インタ??コミュニオン」 ( en:Intercommunion ) などという。

聖餐の位置づけ [ 編集 ]

時代や?派によってそのとらえ方に違いがあったとしても、キリスト?の中で聖餐は常に??儀式の核となるものであった。?統的なキリスト?において、聖餐の式は神が計?する人間の罪からの救いの成就となる式であり、イエスの死と復活を思い、そこにイエスの現存を信じるもの、さらには信仰者と神、信仰者同士の絆を確認するものであった。このような中心思想はほとんどの宗派に共通であるが、その程度やとらえ方によって違いが生じている。

例えばカトリック?? と正?? では、?統的に聖?のサクラメントを7つある秘跡 ? 機密の一つとし、「聖?化」という思想を尊重してきた。聖?化とはパンとワインがミサの中で?際にキリストの?と血に?わるという?義である。それに?して宗?改革期以降、プロテスタントの??ではパンとワインが?際にキリストの?と血に?わることはなく、?なる象?的な儀式にすぎないとみなすようになった。

1980年代以降、世界??協議? (World Council of Churches) が行われる中で、洗? 、聖餐、および??における職階についての相互理解を深めようという動きが活?化し、カトリック??をはじめとする多くの?派が?加している。

西方?? [ 編集 ]

カトリック?? [ 編集 ]

詳細は「ミサ」を?照

カトリック??は古代から現代に至るまで、ミサを?日、絶えることなく?けてきた。カトリック??では聖?の秘跡、すなわちパンとワインがイエスの?と血に?わること（聖??化）とそれを信徒が分け合うこと（聖??領）こそがミサの中心である。パンは小さな共同?（??）のために?酵させない穀物と水だけのパンを薄く丸く?き、十字の印をつけたものを使うこともあるが、多くは、その製造を?門にする修道院で穀物と水だけで日持ち良く保存しやすい、ひとりひとり用の大きさのホスチア、オブラ?トと呼ばれる薄?きで味のないせんべいのようなものが使われる。グルテンアレルギ?がある場合には事前に申し?むとグルテンを含まないホスチアやパンを聖?としていただける。カトリック??では「御?」（おんからだ）とよばれるホスチアだけを信徒が?領するのが一般的である。「御血」（おんち）とも呼ばれるワインの?領も行われることがあるが、それはカリスと呼ばれる杯から?むか、聖?をワインに浸して食べるか（インティンクション）のどちらかの形で行われる。また病人などに聖?を授ける場合、ミサの中で聖?化した聖?（通常はパンのみ）をチボリウムとよばれる保管用の容器に移し、ミサ以外の時間に司祭が運んで授けるということも行われる。

聖公? [ 編集 ]

聖公?では、源流である英???? での聖餐式がその元となっており、現行の『日本聖公?祈?書』（1990、日本聖公?管?事務所）では、「目に見えない?の?みの、目に見えるしるしまた保?であり、その?みを受ける方法として」、キリストが自らさだめた聖奠として、洗? と?んで聖餐が示されており、キリストの苦しみと死、蘇りを記念するために主の再臨のときまで行われるものとしている。
多くの??では復活日や?主日に祈?書に沿って聖餐式が執り行われ、司祭または主? によって聖別された聖餐を信徒が受ける。陪餐はキリストとの一致、全公?の一致のしるしであることから、聖餐式中には全公?と世界のために祈る代? や、式に加わる者同士での 平和の?? 、共同懺悔などが含まれている。また、司祭は、明らかに大罪を犯していたり、言行によって隣人を害したりしている者に?して罪を悔い改め、償うことを明らかにしない限り陪餐してはならないことを告げなくてはならないとされている。

聖餐式で使用される祭具は多くがカトリックの道具や言葉を元にしているが、?み方は英語?みのことが多い。聖餐は ホ?スト または ウェハ? (host,wefer）と呼ばれるパンと、ぶどう酒による二種陪餐の形式をとる。信徒に?えられるウェハ?は500円玉程度の大きさのものが使われるが、聖別時に司式者がささげ持つ際に使用する大型のものを特にプリ?ストホ?スト(priest host)と呼ぶことがある。日本では、ナザレ修女? などの修道院で製造されたものが多く使われる。カトリック??で使われているものに比べると薄く、小さいことが多い。

パンを入れる盃?の器を シボリウム (ciborium)と言い、皿?のものは パテン (paten)と呼ぶ。シボリウムは聖堂に安置される聖櫃に保管するためのものだが、分餐時に使用されることもある。また、ぶどう酒を入れる器は チャリス (chalice)と呼び、ワインは赤ワインでも白ワインでも良い。
聖別前のホ?ストを入れるための器を ブレッドボックス (bread box)、ぶどう酒と水を入れる器を クルエット (cruet，２つある場合は複?形でクルエッツと言うことが多い)と呼び、これらに入れたものが、聖餐式中に信徒から聖卓に奉?され、聖職により聖別される。

福音主義??(ルタ?派) [ 編集 ]

福音主義ルタ?派 ??では聖餐式の儀式の形式はカトリック??のそれとも共通点が多く、うすいウェハ?ス（正式にはホスチアと呼ばれる。あるいは本物のパンが用いられることもある）とワイン（もしくはぶどうジュ?ス）を用いて、イエスの?であり血であるとの信仰のうちに分け合う。ワイン（ぶどうジュ?ス）は「カリス」と呼ばれる共通の杯から個人のカップに移されることもある。

東方?? [ 編集 ]

正?? [ 編集 ]

詳細は「聖??儀」を?照

正??では、聖?機密を行なう奉神? は聖??儀と呼ばれる。聖??儀は祈りや聖書朗?の部分と領聖の部分からなる。領聖時に用いられる典?文はギリシア語で「アナフォラ」と呼ばれる。ビザンチン典?の正??における聖??儀では聖金口イオアンのものとされる祝文（祈?文）と聖大ワシリイのものとされる祝文が用いられている。ごく一部の??では主の兄弟イヤコフに?せられる祝文が特別の機?に用いられる。また大? 期の平日には、先の聖??儀で聖?化した聖? を領聖する先備聖??儀も行われる。

聖??儀の最後に行われる十字架接吻の後には、「アンティドル」と呼ばれる祝福された聖?が振舞われる ^[4]。アンティドルは古代には子羊等をかたどり、聖??儀に?ることのできなかった信者のために持ち?ったといわれる。??によってはこの時ともに葡萄酒を振る舞うことがある（多く聖?を浸して供する）。

脚注 [ 編集 ]

^ “ ユ?カリストとは？意味や使い方 ”. コトバンク . 2023年3月10日 ??。
^ 神の?みが儀式をとおして人間に?えられるものとする見方。
^ プロテスタントもサクラメントの語を使うことがあるが、日本語の?語である「秘跡」はカトリックでのみ用いられる。
^ “ 正?について　第八章 ”. ル?マニア?光局 . 2023年3月11日 ??。

?連項目 [ 編集 ]

[1] “ ユ?カリストとは？意味や使い方 ”. コトバンク . 2023年3月10日 ??。

[2] 神の?みが儀式をとおして人間に?えられるものとする見方。

[3] プロテスタントもサクラメントの語を使うことがあるが、日本語の?語である「秘跡」はカトリックでのみ用いられる。

[4] “ 正?について　第八章 ”. ル?マニア?光局 . 2023年3月11日 ??。

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