甲府空襲 （こうふくうしゅう）とは、 太平洋?? 末期の 1945年 7月6日 ～ 7月7日 の間に、 アメリカ軍 爆?機 B-29 によって 山梨? 甲府市 を中心とした 都市 が受けた 空襲 である。空襲を受けたのが7月6日の深夜から7月7日にかけてであったため、「 たなばた 空襲」とも呼ばれる。

?要 [ 編集 ]

7月6日深夜から7月7日までの間に、 甲府市 、 西山梨郡 玉諸村 、西山梨郡 山城村 、西山梨郡 住吉村 、西山梨郡 甲運村 、 中巨摩郡 昭和村 、中巨摩郡 玉幡村 、中巨摩郡 ?王村 、中巨摩郡 池田村 、 東八代郡 石和町 、東八代郡 柏村 、東八代郡 富士見村 、 東山梨郡 岡部村 、東山梨郡 春日居村 、東山梨郡 神金村 がアメリカ軍爆?機B-29（米軍任務番?第245?、任務報告書によれば第314爆??より138機出?、第一目標への到達131機、ほかに臨機目標1機）による大規模空襲を受けた。

同年7月7日時点で行われた甲府市?火?況調査書に?れば、死者740名、重?傷者1,248名、行方不明者35名、被害??18,094? ^[1] 。

甲府市は市街地の74％（79％とも言われる）が灰燼に?した。また、この他に山梨??では以下の空襲がアメリカ軍によって?施されている。

• 5月19日 ?西、?南地?の山中2ヶ所にアメリカ軍機が爆?を投下。負傷者?名。
• 6月9日 甲府市?母地?の 田圃 にアメリカ軍機が爆?を1?投下。被害なし。
• 7月10日 大月町 、猿橋町がアメリカ軍による空襲を受ける。死者1名、重傷者1名、工場1棟が被害を受ける。
• 7月30日 南都留郡 下吉田町 、中巨摩郡 百田村 、中巨摩郡 鏡中?村 、中巨摩郡 五明村 、中巨摩郡 落合村 、 南巨摩郡 ??町 がアメリカ軍による空襲を受ける。死者16名、?傷者18名、工場1棟半?、被害??6?。
• 8月1日 北都留郡 上野原町 、東八代郡 芦川村 がアメリカ軍による空襲を受ける。工場1棟全?、被害??5?。
• 8月13日 北都留郡 大月町 、南都留郡下吉田町、南都留郡 禾生村 がアメリカ軍による空襲を受ける。死者54名、重傷者48名、罹災者110名、被害??33?。工場5棟が被害を受ける。

空襲前～空襲後の流れ [ 編集 ]

空襲前 [ 編集 ]

第二次世界大? において 日本軍 が劣勢になるなか、昭和19年にはアメリカ軍による 本土空襲 が本格化し、 東京大空襲 をはじめ 日本 の主要都市は空襲により?滅していた。 甲府盆地 は南太平洋から 富士山 を目標に到達するアメリカ軍機の飛?ル?トであったため、頻繁に上空を通過するアメリカ軍機と空襲警報に人?はすっかり慣れきっていたという。 5月19日 に長野方面へ向かうアメリカ軍機が?西や?南?域の山中に空爆を行っており、また同年5月から6月にかけては空爆を予告する ビラ の撒布が行われていた ^[2] 。

昭和20年3月に防空本部が設置され、 ?知事 と甲府市長の指揮下に防空?制を指導。 防空壕 の建設も通達されたが、甲府盆地では地盤が固く、 扇?地 では 地下水 が湧くため困難でもあった。アメリカ軍機が進入してきた際の小規模な防空訓練も行われており、?容は 甲府連隊 の 高射砲 隊と 機?銃 隊が敵部隊を迎?するという訓練であった。また、民間防空??が?足し、各地で防空訓練が行われた。主な訓練?容は「 バケツリレ? による消火訓練」であり、この訓練が日常化し、山梨?民は「 ?夷? は バケツ で消せる」「銃後の守りは完璧」と確信したという ^[2] 。

空襲前日の 山梨日日新聞 には 「背後に山を負った甲府だ。（中略）城郭を築かなかった 武田信玄 も ??が崎 背後の自然の天?には人間と同?大きな信?感を持ったものらしい。その自然の山岳形象が、敵機爆?にも相?の味方として備えていることは一つの?みであると言える」 と?載された。また、空襲の前日まで甲府市上空にはB-29の編隊が幾度と無く東へと飛び去る姿が目?されている。 制空? はすでにアメリカが握っており、東京大空襲から逃れてきた 民間人 が多?甲府市に疎開して避難していたこともあり、?時の甲府市民の多くは「アメリカ軍は甲府の上空を通過するだけ。ただの通り道である以上、空襲は無いだろう」と判?していたという ^[2] 。

空襲?日 [ 編集 ]

空襲?日の 天候 は晴れ。空襲前の ?? は22度であった。

以下は空襲の流れ。

• 7月6日午後11時23分頃、 空襲警報 が?令。
• 午後11時43分頃、?夷?13?が相川地?塚原町慶音院に投下される。
• 午後11時45分頃、2度目の空襲警報が?令される。
• 午後11時47分頃、 愛宕山 に 照明? が1?投下される。
• 午後11時50分頃、?夷?を用いた 絨?爆? が甲府市全域において開始される。
• 7月7日午前0時頃、知事官?及び 甲府市役所 が炎上。
• 午前0時30分頃、 山梨?? 附?病院が炎上。
• 午前1時45分頃、空爆停止。
• 午前2時20分頃、空爆警報解除。

空襲後 [ 編集 ]

空襲後の甲府市は、市街地の74％が灰燼に?した。?筋コンクリ?ト造の建物は?け?ったが、他は見渡す限り?け野原で、至る所に 死? が?がっていたという。 1974年 （昭和49年）7月に行われた調査では、死者は1,127名（ 男性 499名、 女性 628名）、負傷者1,239名、被害??18,094?となっている ^[3] 。

?失した主な施設 [ 編集 ]

• 相生?民?校
• ?和高等女?校（現? 山梨英和?院 ）
• 春日?民?校
• ?業銀行甲府支店（現? みずほ銀行 ）
• 名古屋?道局甲府管理部
• 甲府高等女?校（現? 甲府西高等?校 ）
• 甲府市役所
• 甲府商業?校（現? 甲府商業高等?校 ）
• 甲府地方裁判所
• 甲府測候所（現? 甲府地方?象台 ）
• 商工???山梨支部
• 新紺屋?民?校
• 琢美?民?校（現? 善誘館小?校 ）
• 山梨?立???門?校
• 山梨??附?病院（?山梨?病院）
• 山梨?食糧??
• 山梨工業?門?校 （現? 山梨大? 工?部）
• 山梨師範?校 男子部（現?山梨大?人間科??部）
• 山梨中央銀行
• 山梨日日新聞社
• 遊?公園附?動物園
• 湯田高等女?校（現? 甲斐?和高等?校 ）
• 湯田?民?校（現?湯田小?校）

上記の他、 一蓮寺 など64ヶ所以上の 神社 や 寺院 、山梨?市?一の 花街 であった 穴切遊廓 も?失している。

?失を免れた施設 [ 編集 ]

罹災地でありながら?失を免れた、または罹災したが外?は?ったため復?した建物?施設も存在する。

現存する建物 [ 編集 ]

• 山梨???（現?別館）および?議?議事堂

罹災地?にあったが 甲府城 城址に隔てられたおかげもあり?失を免れている。

???は 1963年 （昭和38年）に新??が竣工後も別館となったが、議事堂と共に現在も?時の面影を?したまま使用されている。罹災地である甲府市中心部では?少ない?前からの建築物になっている。

現存しない建物 [ 編集 ]

• 山梨?立?書館

?時は山梨???の敷地?にあったことから?失を免れている。

1970年（昭和45年）に?書館が移?した後も???第一南別館として使用され、防災新館建設の際も存?が?討されたが耐震性の問題により 2009年 （平成21年）に解?された。

• 甲府? ??

罹災地域にあったが?失を免れ、すぐに?業を再開している。その後 かいじ?? にあわせて建物は解??改築されている。

• 岡島百貨店

1936年（昭和12年）に?筋コンクリ?ト造5階建ての建物は空襲で?部を全?したものの外?は留めており?後その建物のまま修復。?後は?床や改築を行ないつつも罹災した建物も改?のうえ使用されていた。2023年2月に移?閉店し、解?工事の際に?焦げになった部分が確認されている ^[4] 。

• 松林軒デパ?ト

岡島百貨店同??部を全?したものの外?は留めたが、松林軒デパ?トとして復元されることはなく、?後は山梨日日新聞の印刷所を?て甲府松菱（現在の 山交百貨店 ）となった。

甲府松菱が?前に移?後も使用され?けてきたが老朽化を理由に 2005年 （平成17年）に解?され、現在はホテルになっている。

• 甲府市水道??

錦町にあった水道??は被害を免れたため、相生町に存在し全?した市??を罹災後ただちに甲府市役所??として使用した。 1961年 （昭和36年）の新??竣工後も市役所3?館として使用されたが、1995年（平成7年）に解?された。

• 甲府郵便局（現在の 甲府中央郵便局 ）

水道??東側に隣接しておりこちらも被災を免れた。?後も引き?き使用され、 1974年 （ 昭和 49年）に太田町へ移?後は甲府市役所4?館となり 2010年 （ 平成 22年）の市役所新??建設に伴い取り?されるまで使用されていた。

• 山梨交通電車線

山梨交通 ?務であった ?藤仙助 の判?により全車?が市街地から離れていた 上石田? へ避難させたため無事であり、?後不足する公共交通機?の助けとなった。

電車線は 1962年 （昭和37年）に?止となり、その後の再開?によって?時の面影はほとんどない。

甲府が空襲に襲われた理由 [ 編集 ]

14?の時に被災し、?親を失った一般市民は「軍事工場や飛行場がない甲府市がなぜ空襲にあったのか」と不思議に思い、個人的に資料?集を行ない、また退役軍人のコミュニティに入り?時の搭?員から話を聞くなどした。すると「?日の爆?ミッションに?加した ^{[注 1]} が、重要なことは起きなかった」「特に?えていない」との回答を得たことで「甲府空襲は??が長引く中で明確な目的や意思のないまま行われた」と述?している ^[5] 。

一方、1945年7月21日に米軍陸軍第20航空部隊が報告した『 中小工業都市地域への爆?リスト 』では甲府市の順位はリストアップされた180都市中45位（軍需工場のあった 宇部市 や 千葉市 などより上位）で、また甲府市より上位の都市で大規模空襲を免れたのは?都市だけであった ^{[注 2]} ことから、甲府への空襲は必然的であったこともうかがえる。

甲府空襲における警防?の活動 [ 編集 ]

太平洋??開?前の 1939年 （昭和14年）1月には警防?令（勅令第20?）が?令され、全?的に 警防? が組織された、警防?は 防護? と 消防組 （ 消防? ）を合?して組織された民間防空?位で、山梨??では同年4月時点で207??計45000人、?時の甲府市域では6?計5181人の規模で組織されている。

甲府空襲に?する警防?活動の史料として2010年（平成22年）に?見された甲府市新紺屋地?警防?資料があり、 町?? における防空活動に?するものとしては『甲府市史調査報告書3　武井家所? ?時中 町???係史料』（甲府市史編纂委員?、1992年）がある。

甲府市新紺屋地?警防?資料は平成22年の調査で?見された。資料が??した新紺屋地?は現在の甲府市宮前町にあたり、甲府市街の北部に位置する。甲府空襲における被害も比較的?微な地域で、警防?に?わる貴重な資料が??した。同家には他に明治期から昭和期にかけての資料群が??し、明治期の 俳諧 ?係資料なども含まれる。平成22年に全96点が 山梨?立博物館 に寄贈された。

??した資料群のうち警防??係資料は平成22年調査の時点で7点が確認され、警防?が組織された 1938年 （昭和13年）から解散の年にあたる 1947年 （昭和22年）にかけての一連の資料が含まれる。?容は?員名簿や?番日記、出動記?、?務記?など。小畑（2011）では個人名などが伏せられた形で一部の資料が?刻されている。

太宰治?井伏?二と甲府空襲 [ 編集 ]

作家の 太宰治 は1938年（昭和13年）9月に 井伏?二 の仲介で山梨?を訪れ、甲府市水門町（朝日一丁目）に居住していた地質?者? 石原初太? の娘 美知子 と見合いし、結婚する。翌昭和14年甲府市御崎町（朝日五丁目）で新生活をはじめ創作活動を行ない、太宰中期の代表作を?表している。同年9月には東京三鷹に?居するが、その後も石原家や井伏との?わりから山梨との?は?き甲府の石原家にはたびたび?在している。

1941年（昭和16年）に太平洋??が勃?し、1945年（昭和20年）3月には美知子や子の園子、正樹らと甲府に 疎開 し、石原家や同じく疎開していた井伏らと過ごしている。7月6日の甲府空襲で石原家は?失しており、太宰は甲府市新柳町（甲府市武田）の山梨高等工業?校（ 山梨大? ）助?授の大?勇宅に身を寄せた。

1946年11月に?表した「薄明」において大?家に?在した空襲の記憶を執筆している。太宰はその後、故?の?森へ再疎開し終?を迎えている。

太宰の師である井伏?二は昭和初年から山梨?を頻繁に訪問し、趣味の川釣りなどを行うほか多くの地元文人らと交流し、山梨を舞台にした作品も多い。井伏は1941年（昭和16年）に 陸軍 に?用され シンガポ?ル へ駐在していたが、翌1942年に解除される。1944年（昭和19年）には八代郡甲運村（甲府市和?町）の岩月家に疎開しており、甲府空襲では被災している。井伏はその後、?島?福山の自宅へ再疎開している。井伏は?後も山梨?を頻繁に訪問し、俳人の 飯田龍太 らと交流した。

甲府市?災復興都市計? [ 編集 ]

?後、山梨?と甲府市は ?災復興都市計? を策定した。 甲府? から南に?路（ひろじ）1?線（幅員50m）を建設し、主要な幹線道路（現在の美術館通りなど）は幅員36mとする?大な復興計?であったが、 地主 たちの反?（復興都市計?に反?する 同盟 の結成など）に遭い、?現できたのは面積を4分の1に縮小された?前?場と幅員を36mに縮小された?路1?線だけであった ^[2] 。この道路が現在の 平和通り である。

ちなみに、?初の計?では以下のような道路計?が立案されていた（出典：建設省『?災復興誌　第一?計?事業編』 p.168）。

• 幅員50m以上60m未?：1路線
• 幅員35m以上50m未?：2路線
• 幅員30m以上35m未?：2路線
• 幅員22m以上26m未?：7路線
• 幅員18m以上22m未?：11路線
• 幅員15m以上18m未?：4路線
• 計?地??における道路面積率：27.4%

?時としては行き過ぎた?幅計?であったが、その後山梨?では モ?タリゼ?ション 社?の進展により平和通りを始めとする各通りで??が蔓延している。このため?後市街地を避ける形で 甲府バイパス などが整備され、中心部は ド?ナツ化現象 が進展することになった。現在?策として中心部に通じる道路も片側2車線化の?幅工事が行われているが買?などで手間取っており、これらの復興都市計?がそのまま適用されていた場合??やド?ナツ化現象は緩和されていた可能性がある。

脚注 [ 編集 ]

注? [ 編集 ]

出典 [ 編集 ]

?考文? [ 編集 ]

• 『山梨?の百年』（著?有泉貞夫、山川出版社、2003年） ISBN 978-4-63427190-6
• 『甲府市史』
• 『山梨?史通史編6』近代2（山梨日日新聞、2006年） ISBN 978-4-89710833-9
• 小畑茂雄「甲府市新紺屋地?警防??係資料について」『山梨?立博物館 ?究紀要 第5集』山梨?立博物館、2011年

?連項目 [ 編集 ]

• 日本本土空襲
• 大月空襲 　昭和20年 8月13日 朝に行われた山梨? 大月市 への無差別爆?。 都留高等女?校 （跡地は 大月短期大?附?高等?校 ）女生徒ら50人以上がなくなった。
• 太平洋?全??災都市空爆死?者慰?塔
• ?村寅二?
• ?信太? 　?制桐生工業?門?校在?中、?省した折に遭遇した。
• 『 泥にまみれて 』　作中に甲府空襲の有?が描?されている。

外部リンク [ 編集 ]

• ?土地理院 地??空中????サ?ビス
  • USA-R1228-2 - 1948年（昭和23年）3月31日に米軍により撮影された甲府市街地の 空中?? 。