洞天福地
（どうてんふくち）とは、
道?
において
神仙
が住む
洞窟
の地「洞天」と仙人が修行した地「福地」の??。名山勝境の?深くにあって、永生を得た仙人たちが安?に棲んでいると信じられていた、
中?
的
ユ?トピア
の一形態。洞天と福地は本?別系統の場所だったとされていたが、唐代になって道?的聖地として統合され、十大洞天、三十六洞天（三十六小洞天）、七十二洞天から構成される洞天福地?が成立し、洞天と福地はほぼ同義に使われるようになった
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道?の「洞天」信仰は、中?全土に散在する
聖地
としての山岳洞窟が?脈を通じて全?的ネットワ?クを形成しているとされた。山岳洞窟である理由は、仙人が修業をするために犬や鳥などの鳴き?さえも聞こえない場所で行う必要があったからである。現?的に、山脈?水脈の連なり、洞窟の?がりなどの地形的?件と神秘的景?などの自然地理的な環境に基づく山岳信仰と、政治的?軍事的情勢や人や物資や情報の移動を反映した文?的?宗?的な想像力が合わさり、中?全土規模にまで?大した「洞天」信仰を形成?機能させたと考えられる。ひとたび成立した洞天の?系は、??視??統化され、「洞天」がある山岳には、
道?
や寺院が建設され、宗?者の修行場、?家的儀?や祭祀の場、文?的資源、巡?と現在に?く?光の名所となっていった。また
司馬承禎
の洞天?における成立順序では、三十六洞天が成立し、その中から十大洞天が?立し、?り二十六洞天に新たに十洞天を加えたものが三十六小洞天となったと『天地宮府?（てんちきゅうふず）』にある
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成立
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- 福地?の成立は、洞天?より早いとされている。福地は、人や自然の災害に及ばない、修業に?まれた土地をいう。本?福地は洞窟、洞天のもともとのイメ?ジを含めた幅?い?念であった。
葛洪
の『
抱朴子
』に仙?を作るのに最適な山では「山神は必ずこれを助けて福をなす」とあり、福をなす場所、つまり福地が想定されていたことが分かる。「福地」という熟語が出てくるのは、
陶弘景
が、句曲山の由?を?く箇所である。それは、「金陵（南京付近）というところは、兵害や水害も及ぶことはできないし、災いや病にも冒されることはない。『河?中要元篇』の第四十四?には、十大洞天の第八の句曲山洞?金壇陽洞天のことを指して、「句金の壇は、その間に陵あり、兵害も病?もなく、洪水の波も登ってこない、と書かれる。ここはまさに福地である」（『
?誥
』稽神?）と書かれる。幸福に?まれて、神仙がいるにふさわしい場所という意味の「福地」という言い方をしていた。この福地は、洞天の下位にランク付けされた聖地ではなかった。つまり、洞天までをも含めた聖地として、福地であったといえよう。
- 『?誥』では先述に?十大く文で、「大天の?、地中の三十六洞天あり、その第八は句曲山である。周回は百五十里、金壇華陽天と名づける」とある。十大洞天の一つである句曲山が、三十六洞天の第八と書かれる。これは、?初の三十六洞天の中には、後に十大洞天として?立する洞天が含まれていたということである。
- 三十六洞天から、何らかの理由で十大洞天が別に扱われるようになり、他の二十六洞天はほとんど?承を絶った。
- 唐代に入り、十洞天が「十大洞天」として別出されて、?承の絶えた先に二十六洞天に新たな十洞天を加えて「三十六小洞天」とした。また、一般な聖地の呼?であった福地も、?裁を整え「七十二福地」とした。
このように、洞天福地は種別され、順序をつけられた。これら各洞天福地の?をあらわす?字は、象?的な意味をもつ聖なる?の「?合わせ」であしているとされる。つまり、一連の聖地があり、それを集めたら十や三十六、七十二という?になったのではなく、まず聖地がいくつかあり、それに合わせて各聖地を?に?てはめたのである。
10、36、72が選ばれた理由として、十は、東?西?南?北の四方と、東北?東南?西南?西北の四維と、上?下の方位をさし、完全なる世界をあらわす?であるため。三十六は、多い?の象?であるとともに、道?の天界（三十六天）の?に??するため。三十六の倍?である七十二は、『易』の思想に基づくとされているためである
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詳細
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住人
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洞天を治める者は上位の神仙であるが、住人は必ずしも高い位の仙人ではない。洞天の中で暮らすことのできる人物は、かつて道?的に優れたことをした人?であるという。
洞天?には男女に分かれた宮殿があり、女子は易遷宮と含?台、男子は童初府と蕭閑堂があり、それぞれに住む人の?別があった。易遷宮は女の「地下主者」の最も高位の者の住所であり、含?台は得道した女?（女の仙人）が館として住んでいた。男子の童初府は易遷宮に、蕭閑堂は含?台に相?するものである。『
?誥
』に、易遷宮や童初府に入るには陰?、つまり現世での功?を積むことが必要である、とある。その功?もさまざまであるが、自己や係累の生前の善行により入ることができる。
地下主者とは、
尸解
と同じように、死後に仙界に入る人をさす。完全な神仙になる前の修業中の人といえる。地下主者には三階級があり、百四十年が一?位として進むという。どの地下主者の位に振り分けられるかは現世においてどれだけ功?を積んだかによる。
一等地下主者はもっとも下の者で、百四十年して一進してはじめて仙階（仙人の世界）に進むことができる。
二等地下主者は、中間のくらいで、ただちに仙人階級になれる人で、百四十年して進んで管禁の位（世間の役人のようなもの）に補任される。
三等地下主者は、一番上の者で、仙人の住まいに出入でき、神の世界にも遊ぶことができる。この最上の三等地下主者が、女は易遷館を、男は童初府を住所とするのである。三等地下主者の場合は「十二年で?は神魂に?し、十五年で?魄を束ね、三十年で棺中の骨は神?をもつ。四十年すると生きている人のようになり、人間世界に還り遊ぶことができ、五十年で仙官に補せられ、六十年で?寒に遊び、百年で昆盈の宮に入ることができる」とある。普通の死?が腐敗して、無に?していく過程と、まったく逆のプロセスをたどる再生といえる
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十大洞天
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十大洞天とは、「大地名山の中にあり、上天が郡仙を遣わして統治せしむるところ」と書かれる。大きな有名な山の中にあり、天上の神?が多くの仙人を派遣して、そこを治めさせているという。偏りなく中?の全土に分布しており。道?以前の山岳信仰に源流を持つものと、道?史上の事跡に?係するものとが同じように集まっている
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第１ 王屋山洞 周回?万里 小有??之洞天 洛陽と河陽の?界にまたがる王屋?から六十里 西城王君
第２ 委羽山洞 周回?万里 大有空明之洞天 台州???から三十里 ?童君
第３ 西城山洞 周回?三千里 太玄??之洞天 未詳 上宰王君
第４ 西玄山洞 周回?三千里 三元極?之洞天 不明
第５ ?城山洞 周回?二千里 ?仙九室之洞天 蜀州?城? ?城丈人
第６ 赤城山洞 周回?三百里 上?玉平之洞天 台州唐興? 玄洲仙伯
第７ 羅浮山洞 周回?五百里 朱明輝?之洞天 循州博羅? ?精先生
第８ 句曲山洞 周回?百五十里 金壇華陽之洞天 潤州句容? 紫陽?人
第９ 林屋山洞 周回?四百里 左神幽?之洞天 洞底湖の湖口 北嶽?人
第１０ 括蒼山洞 周回?三百里 成??玄之洞天 ?州?安? 北海公涓子
三十六洞天
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三十六洞天（三十六小洞天）は、「諸名山の中にあり、上仙が統治するところ」と?明される。上位の仙人が治めるところで、十大洞天の次にランクとしては位置付けられる。また、道?で重視される五つの聖山である「五岳」もこの中に含まれる
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第１ ?桐山洞 周回?三千里 ?林洞天 福州長?? 仙人の王緯玄
第２ 東嶽太山洞 周回?千里 蓬玄洞天 ?州乾封? 山?公子
第３ 南嶽衡山洞 周回?七百里 朱陵洞天 衡州衡山? 仙人の石長生
第４ 西嶽華山洞 周回?三百里 ?仙洞天 華州華陰? ?人の?車子
第５ 北嶽常山洞 周回?三千里 ?玄洞天 恒州曲陽? ?人の鄭子?
第６ 中嶽嵩山洞 周回?三千里 司馬洞天 洛州登封? 仙人の鄧雲山
第７ 峨嵋山洞 周回?三百里 ?陵洞天 嘉州峨眉? ?人の唐?
第８ 廬山洞 周回?百八十里 洞??天 江州?安? ?人の周正時
第９ 四明山洞 周回?百八十里 丹山赤水天 越州上虞? ?人の?道林
第１０ ?稽山洞 周回?三百五十里 極玄大元天 越州山陰?鏡湖の中 仙人の郭華
第１１ 太白山洞 周回?五百里 玄?洞天 京兆府長安??終南山に連なる 仙人の張季連
第１２ 西山洞 周回?三百里 天柱?極玄天 洪州南昌? ?人の唐公成
第１３ 小?山洞 周回?三百里 好生玄上天 潭州醴陵? 仙人の花丘林
第１４ ?山洞 周回?八十里 天柱司玄天 舒州?寧? 仙人の稷丘子
第１５ 鬼谷山洞 周回?七十里 貴玄司?天 信州貴?? ?人の崔文子
第１６ 武夷山洞 周回?百二十里 ?昇化玄天 建州建陽? ?人の劉少公
第１７ 玉?山洞 周回?百二十里 太玄法?天 吉州永新? ?人の梁伯鸞
第１８ 華蓋山洞 周回?四十里 容成大玉天 ?州永嘉? 仙人の羊公修
第１９ 蓋竹山洞 周回?八十里 長耀?光天 台州??? 仙人の商丘子
第２０ 都嶠山洞 周回?百八十里 ?玄洞天 容州普寧? 仙人の劉根
第２１ 白石山洞 周回?七十里 秀?長?天 鬱林州南海の南、または和州含山? 白?人
第２２ ?漏山洞 周回?四十里 玉闕?圭天 容州北流? ??人
第２３ 九疑山洞 周回?三千里 朝?太?天 道州延唐? ??人
第２４ 洞陽山洞 周回?百五十里 洞陽??天 潭州長沙? 劉?人
第２５ 幕阜山洞 周回?百八十里 玄?太元天 鄂州唐年? 陳?人
第２６ 大酉山洞 周回?百里 大酉華妙天 辰州を去ること七十里 尹?人
第２７ 金庭山洞 周回?三百里 金庭崇妙天 越州剡? 趙仙伯
第２８ 麻姑山洞 周回?百五十里 丹霞天 撫州南城? 王?人
第２９ 仙都山洞 周回?三百里 仙都祈仙天 ?州縉雲? 趙?人
第３０ ?田山洞 周回?四十五里 ?田大鶴天 ?州?田? 傅?人
第３１ 鐘山洞 周回?百里 朱日太生天 潤州上元? ??人
第３２ 良常山洞 周回?三十里 良常放命洞天 潤州句容? 李?人
第３３ 紫蓋山洞 周回?八十里 紫玄洞照天 荊州?陽? 公羽?人
第３４ 天目山洞 周回?百里 天蓋滌玄天 杭州余杭? 姜?人
第３５ 桃源山洞 周回?七十里 白馬玄光天 朗州武陵? 謝?人
第３６ 金華山洞 周回?五十里 金華洞元天 ?州金華? 戴?人
七十二福地
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選ばれた72ヶ所の祥福の土地。七十二福地は、「大地名山の間にあり、上帝が?人に命じて治めさせており、得道が多いところ」と?明される。統治者の位は、十大洞天や三十六洞天より低くなるが、かなり具?的な修業の地であったために、道を得た者が多いとされている。場所は、山や洞窟、?、泉、井?、壇など非常に多岐にわたっている
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第１ 地肺山 潤州句容? ?人の謝允
第２ 蓋竹山 ?州括蒼?仙渡 ?人の施存
第３ 仙?山 ?州?成?の東五十里 ?人の張重華
第４ 東仙源 台州??? 地仙の劉奉林
第５ 西仙源 台州??? 地仙の張兆期
第６ 南田山 東海の東 劉?人
第７ 玉溜山 東海の蓬萊島の上 地仙の許邁
第８ ?嶼山 東海の西 ?人の劉子光
第９ 鬱木洞 玉?山の南 地仙の魯班
第１０ 丹霞洞 麻姑山の西 蔡?人
第１１ 君山 洞庭?草湖の中 地仙の侯生
第１２ 大若? ?州永嘉?の東百二十里 地仙の李方回
第１３ 焦源 建州建陽?の北 尹?人
第１４ ?墟 台州唐興?の北 白雲先生
第１５ 沃洲 越州剡?の南東 ?人の方明
第１６ 天?岑 越州剡?の南 ?人の魏?仁
第１７ 若耶? 越州?稽?の南 ?人の山世遠
第１８ 金庭山 廬州?? 馬仙人
第１９ ?遠山 ?州?遠? 陰?人
第２０ 安山 交州の北 安期先生
第２１ 馬嶺山 ?州郭?水の東 ?人の力牧
第２２ 鵝羊山 潭州長沙?
第２３ 洞?墟 潭州長沙?の西嶽 ?人の韓終
第２４ ?玉壇 南嶽祝融峰の西 ?鳥公
第２５ 光天壇 南嶽の西源頭 鳳?人
第２６ 洞?源 南嶽の招仙?の西
第２７ 洞宮山 建州?隷?五嶺 ?山公
第２８ 陶山 ?州安固?
第２９ 三皇井 ?州?陽? ?人の鮑察
第３０ 爛柯山 衢州信安? 王質先生
第３１ 勒? 建州建陽?の東
第３２ 龍虎山 信州貴?? 仙人の張巨君
第３３ ?山 信州上饒?の北 墨?人
第３４ 泉源 羅浮山の中 華子期
第３５ 金精山 虔州虔化? 仇季子
第３６ 閣?山 吉州新?? 郭?人
第３７ 始豊山 洪州豊城? 尹?人
第３８ 逍?山 洪州南昌? 徐?人
第３９ 東白源 洪州新??の東 劉仙人
第４０ 鉢池山 楚州
第４１ 論山 潤州丹徒? 終?人
第４２ 毛公壇 蘇州長洲?
第４３ ?籠山 和州?陽? 郭?人
第４４ 桐柏山 唐州桐柏? 李仙君
第４５ 平都山 忠州?都?
第４６ ?蘿山 朗州武陵?
第４７ 虎?山 江州彭??の南
第４８ 彰龍山 潭州醴陵?の北 臧先生
第４９ ?福山 連州連山? ?人の廖?
第５０ 大面山 益州成都? 仙人の柏成子
第５１ 元晨山 江州都昌? 孫?人?安期生
第５２ 馬蹄山 饒州?陽? ?人の子州
第５３ ?山 朗州武陵? 仙人の張巨君
第５４ 高?藍水山 雍州藍田?
第５５ 藍水 西都藍田? 地仙の張兆期
第５６ 玉峰 西都京兆? 仙人の柏?
第５７ 天柱山 杭州於?? 地仙の王伯元
第５８ 商谷山 商州
第５９ 張公洞 常州宜興? ?人の康桑
第６０ 司馬悔山 台州天台山の北 仙人の李明
第６１ 長在山 ?州長山? 毛?人
第６２ 中條山 河中府虞?? 趙仙人
第６３ ?湖魚澄洞 西古姚州
第６４ 綿竹山 漢州綿竹? 瓊華夫人
第６５ 瀘水 梁州 仙人の安公
第６６ 甘山 黔南 寧?人
第６７ 王晃山 漢州 赤須先生
第６８ 金城山 限戍または石戍 石?人
第６９ 雲山 邵州武岡? 仙人の盧生
第７０ 北邙山 東都洛陽? 魏?人
第７１ 盧山 福州連江? 謝?人
第７２ 東海山 海州の東二十五里 王?人
影響
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洞天福地は
文人
趣味とも?わる
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。文人趣味の指南書である宋の
趙希鵠
『洞天??集』は、洞天福地にちなんで命名されている
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存思
法において人?を洞窟に見立てることも洞天福地に通じる（
大宇宙と小宇宙
）
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?連項目
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脚注
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