比企能員の? （ひきよしかずのへん）は、 鎌倉時代 初期の 建仁 3年（ 1203年 ） 9月2日 、 鎌倉幕府 ?部で起こった 政? 。2代 ?軍 源?家 の 外戚 として?勢を握った 比企能員 とその一族が、 北?時政 の謀略によって ?? 、 族滅 された。 比企能員の? 、 比企氏の? 、 小御所合? とも。

背景 [ 編集 ]

鎌倉幕府初代?軍である 源?朝 の死後、18?の嫡男?家が跡を?ぐが、3か月で訴訟の裁決?を止められ、 十三人の合議制 がしかれて?軍?裁は停止された。合議制成立の?か月後（?朝の死から1年後）、?軍?家の側近であった 梶原景時 が御家人らの糾?を受けて失脚し、一族とともに滅ぼされる（ 梶原景時の? ）。 侍所 所司 として?軍?力を行使する立場で御家人たちに影響力のあった景時という忠臣を失ったことは、?軍?家に大きな打?となる。

景時亡き後、?家を支える存在として?されたのは、自身の 乳母 父であり舅でもある 比企能員 であった。能員は、?朝の 乳母 でその流人時代を支えた 比企尼 の養子として 比企氏 の家督を?ぎ、?朝の信任を受けて嫡男?家の乳母父となった。また能員の娘 若?局 は?家の側室となって嫡男 一幡 を産み、比企氏が?軍家外戚として?勢を?めていた。

この比企氏の台頭に危機感を持ったのが、?家の母 北?政子 （尼御台）とその父 時政 である。時政は?家の後ろ楯となる勢力からは外されており、代替わりとともに?軍外戚の地位から一御家人の立場に?落していたのである。

吾妻鏡の描く事件の?過 [ 編集 ]

以下は 鎌倉幕府 末期に 得宗 ?制の立場から編纂された史書『 吾妻鏡 』の描く事件の?過である。

建仁 3年（ 1203年 ）

• 1月2日：?家の嫡男 一幡 が 鶴岡八幡宮 に?詣した。 巫女 を介して 託宣 があり、「今年中に?東で事件が起こるであろう。若君が 家督 を?いではならない。崖の上の木はその根がすでに枯れている。人?はこれに?付かず、梢が?になるのを待っている」と不吉の前兆を述べる。
• 2月4日：千幡（ ?朝 ）の鶴岡八幡宮?詣が行われ、 北?義時 ? 結城朝光 が補助した。
• 3月：?家の?調不良あり。
• 5月19日：?家の命により、 阿野全成 が 謀反 の疑いで 大倉御所 に監禁される。 武田信光 が生け捕り、 宇都宮朝業 に預けられる。翌20日、?家が政子に使者 比企時員 を使わし、全成の妻である 阿波局 の身柄の引き渡しを要求するが拒否される。全成は25日に 常陸? へ 配流 となり、6月23日には?家の命により 八田知家 が 下野? で全成を 誅殺 した。24日には京にいた全成の子 ?全 を誅殺する命令が 源仲章 と 佐?木定綱 に下され、7月16日には在京御家人によって東山延年寺で誅殺される。
• 5月末から6月にかけて狩?に出かけた?家が、 仁田忠常 らに洞穴を探索させて神 罰 に?れたという記事が?く。
• 7月4日：鶴岡八幡宮の鳥の首が落ちたことなどの不吉の兆候を示す?話が?べられる。
• 7月20日：?家が急病に倒れる。
• 8月27日：?家の容?が 危篤 と判?されたため家督?承の措置がとられ、?西38カ?の 地頭 職は弟の千幡に、?東28カ?の地頭職?びに諸??守護職が嫡男の一幡によって?承された。すると一幡の外祖父?比企能員は千幡との分割相?となったことに憤り、外戚の?威を笠に着て??の志心中に抱き、謀反を企てて千幡とその外戚以下を滅ぼそうとした。
• 9月2日

  能員が娘 若?局 を通じて?家に 北?時政 を討つように訴えると、?家は能員を病床に招いて時政追討の事を承諾した。これを政子が障子の影から立ち聞きし、事の次第を時政に知らせる。時政は 大江?元 に能員 征伐 を相談すると、?元は明言を避けつつもこれに同意する。そこで時政は ?事 にこと寄せて能員を 名越 の時政邸に呼び寄せる。

  能員は一族に危?であると引き留められるが、 武? してはかえって疑いを招くといって平服で時政邸へ向かった。時政邸では時政とその手勢が武?して待ち構え、 天野遠景 ? 仁田忠常 が廷?に入った能員の左右の手を?んで竹藪に引き倒し誅殺した。

  逃げ?った能員の?者が能員遭難を知らせると、比企一族は一幡の邸である小御所に立て籠もる。するとこれは謀反であるとして政子が比企討伐の命を下し、軍勢が小御所へ向けて進?する。

  この軍勢は 北?義時 を大?とし、 北?泰時 、 平賀朝雅 ^{[注? 1]} 、 小山朝政 、同 宗政 、同 朝光 、 ?山重忠 、 榛谷重朝 、 三浦義村 、 和田義盛 、同 常盛 、同景長、 土肥維平 、後藤信康、 所右衛門尉朝光 、尾藤知景、 工藤行光 、 金窪行親 、 加藤景廉 、同 景朝 、 仁田忠常 らが加わっていた。

  比企側は能員の子 比企三? 、同 四?時員 、同五?、猶子の河原田次?、娘?の 笠原十?親景 、中山?重、 糟屋有季 らが防?し、決死の抵抗を?けたため??は 申の刻 まで?き、寄せ手は御家人や??に複?の負傷者を出して退却した。すると今度は?山重忠が?力の??を繰り出して比企一?を攻め立てた。

  力?きた比企側は館に火を放ち、それぞれ一幡の前で自決し、一幡も炎の中で死んだ。能員の嫡男 比企余一兵衛尉 は女?して?場を?け出したが、道中で 加藤景廉 に首を取られた。時政が 大岡時親 を派遣して死骸を?分させた。夜に入って能員の舅 ?河兼忠 が誅殺された。

• 3日：能員??の探索が行われ、流刑? 死罪 の??がなされた。能員の妻妾ならびに能員の末子である2?の男子は 和田義盛 に預けられ、 安房? へ配流となった。小御所の跡地の死骸の下から1寸ばかりの?け焦げた 小袖 が見つかり、乳母が一幡のものであると?言した。
• 4日： 小笠原長? 、 中野能成 、細野四?兵衛尉が能員??として拘禁された。 島津忠久 は能員の 連座 で 大隅? ? 薩摩? ? 日向? の 守護 を??された。
• 5日：危篤を?して若干病?が回復した?家は、嫡男?一幡と比企一族の滅亡を知ると激?し、 堀親家 を使者として仁田忠常と和田義盛に北?時政を討つよう 御?書 を送る。しかし義盛はその御?書を時政の下にもたらす。時政は親家を捕らえ 工藤行光 に殺害させた。
• 6日：能員追討の 恩賞 のため、仁田忠常が時政の名越邸に呼ばれるが、?宅の?れを怪しんだ忠常の弟達が北?義時の元へ押しかけ、忠常と弟2人は誅殺された。
• 7日：政子の命により?家が 出家 。
• 10日：千幡が時政邸に移り、御家人らに所領を 安堵 する文書が時政によって下された。
• 15日：千幡の乳母阿波局が、時政の妻 牧の方 に?意があって、時政邸に置いておいては?朝の身が危?であると政子に告げる。政子は千幡の身を時政邸から引き取り、狼狽する時政に千幡が成人するまで政子と同所で養育すると告げる。
• 9月15日：千幡に 征夷大?軍が宣下 される。
• 19日：比企能員の??中野能成以下の所領が??される。
• 21日：時政と?元の評議によって?家の鎌倉追放が決定される。
• 29日：?家が伊豆 修?寺 に退く。

こうして、?家の外戚として?勢を誇った比企一族は、たった1日で滅亡してしまった。

吾妻鏡以外の事件に?する史料?文? [ 編集 ]

事件?時に記?された京都貴族の日記、その他の文?史料によれば、事件の?過は『吾妻鏡』の記述と異なっている。

藤原定家 の日記『 明月記 』によると、建仁3年（1203年）9月7日に 鎌倉 からの使者が到着して、?家が1日に死去したと報じ、その後?をめぐって家臣の間に?力をめぐる?いが起こり、?家の子が?家の祖父時政に殺されて、?家に心を寄せた在京御家人も討たれ、また朝廷に?朝の?軍就任要請がされたことが記されており、同?の記?が 近衛家? の『猪??白記』、 白川伯王家 業資王 の『業資王記』などにも見られる。?家が死んだものとして?朝の?軍就任を要請する使者が京都に到着した9月7日は、?家が出家させられた?日である。

鎌倉から京までの使者の進行速度からすれば、使者は9月1日か2日に鎌倉を出?しており、まさに比企一族が滅ぼされた前後である。使者が送られた時点では?家はすでに危篤であり、一幡?比企能員の殺害が予定されていたものと考えられる。

また、事件?日に時政邸を警護した 小代行平 の子孫が記した置文の『 小代文書 』には、比企能員が?身、平服で時政邸を訪れたことが記されている。『吾妻鏡』で?家??として?罰されたとされている 中野能成 は、比企氏が滅ぼされた2日後の9月4日の日付で「比企能員の非法のため、所領を濫妨されたそうだが、特別?遇を?える」という時政による所領安堵の書?が『 市河文書 』に?されている。時政の子 北?時房 は?家の 近習 であり、この能成とは深い?係があった。

慈円 の『 愚管抄 』によれば、?家は大江?元の屋敷に?在中に病が重くなったので、8月30日に自分から出家し、あとは全て子の一幡に?ろうとした。これでは比企能員の全盛時代になると恐れた時政が、9月2日に能員を呼び出して天野遠景に組み付かせ、仁田忠常に刺し殺させた。そして?元の屋敷に武士を送って?家を監視下に置き、同時に小御所にいる一幡を殺そうと軍勢を差し向けた。一幡は母が抱いて逃げ延びたが、?る比企一族は能員の息子たち、糟屋有季、笠原親景、?河兼忠、?の ?玉? など皆討たれた。また忠常は?家の側近として特に重んじられた者だったが、?家の?態を知らなかったため能員を討ったものの、5日に 侍所 に2人で出仕していた北?義時と?って討たれた。一方、出家直後から徐?に回復した?家は、一幡の世になって皆が仲良くしているだろうと思っていたところ、比企氏が滅ぼされた2日にこれを聞いて激怒。病み上がりの?態で太刀を手に立ち上がったが政子がこれを押さえ付け、10日に修?寺に押し?めてしまった。さらに11月3日になって一幡は義時の手勢に捕らえられ、義時の??の藤馬という者に刺し殺されて埋められたという。

吾妻鏡の問題点 [ 編集 ]

『愚管抄』は比企能員の?者（能員の?? 糟屋有季 の遺族）から?えられた情報を元に記されている。『吾妻鏡』と『愚管抄』を比較した際、『吾妻鏡』にはいくつか問題点が浮かび上がる。それは以下の通りである ^[1] 。

• 『吾妻鏡』では、?家と能員が御所の?所で時政討伐の密談をしており、それを?み聞きした政子から、時政がすぐに報告を受け、能員への?抗策を尋ねに大江?元邸に赴いているが、『愚管抄』では?家が?元邸で 昏睡 ?態に?ったと記述しており、時政討伐の密談の場所と能員?策の相談の場所が同一（?元邸）になってしまい、また本?に時政討伐の密談がなされていたのか疑わしい点 ^[1] 。
• 『吾妻鏡』では、比企氏の反?を宣言した政子の命令で比企氏討伐軍が派遣されているが、『愚管抄』では時政が能員討伐に?いて小御所を襲?したと記されており、後者が正しければ比企能員の?は「北?時政の ク?デタ? 」となる点 ^[1] 。
• 『吾妻鏡』では?家の嫡子? 一幡 は小御所合?で?死したとされているが、『愚管抄』によれば義時が??の藤馬（『 鎌倉年代記 裏書』では藤右馬允）に一幡を殺害させたと記している点 ^[1] 。

北?氏による謀略? [ 編集 ]

事件の?端となった能員と?家の密謀そのものが、事件後に北?氏によってでっちあげられた 捏造 であったとする?がある。この事件以後、主に北?氏と有力御家人との間の 政? が?くため、この事件をその?端と考える見方である。この?において見逃せないのは、この事件の背景に ?制 を?める?軍およびその近臣勢力と東?有力御家人との?立が考えられることである。後世に鎌倉幕府の 執? 職を 世襲 する北?氏であるが、この事件?時それほど大きな力を持っていたわけではなかった。表面的に北?氏の活躍が目立つものの、?際は東?有力御家人の諒解のもとにこの事件は進行したと考えられる。

北?政子の役割 [ 編集 ]

『吾妻鏡』の記述によれば、比企氏討伐も?家の 幽閉 も政子の「仰」であったとされる。また、事件の?端となった?家死後の一幡と千幡の諸?守護の分掌も、政子の積極的な??が見て取れる。?朝の代になっても??な場面で政子が決定的な役割を?っていることも多く、北?氏を含めた東?御家人勢力とは別個に、調停者としての政子が存在していたとも考えられる。

また、この時期の政子の地位について注目すべきものとして以下の二つがあげられる。一つは、?朝の後家として?朝の法事を含め幕府の宗??制の中心的存在であったこと。二つは、幕府の?務官僚であった 大江?元 ら京下りの吏僚たちを掌握していたことである。彼らは幕府?にあって?軍?力と有力御家人の間の中間勢力をなしていたと言われており、彼らを掌握していたからこそ政子は調停者として振る舞うことが出?たとも考えられる。

以上をふまえれば、?朝死後の鎌倉幕府?軍の?力は、?軍職は?家が?いだものの、生前の?朝が持っていた地位と?力は?際は政子と?家により分掌されていたと考えることもできる。そして、政子の??により?家から?朝への?軍職委?がなされたという事件の側面を見ることができるとともに、鎌倉幕府の?力構造を考える上で、のちの 執? 職につながる役割を考察する材料となる。

地方への波及 [ 編集 ]

「比企能員の?」による比企氏の?落は、比企氏が勢力?としていた 北陸地方 にも影響を及ぼした。遡って 木曾義仲 が?落した頃、?永3年（ 1184年 ）4月に源?朝は 比企朝宗 を北陸道?農使に任命しており、これによって比企氏は義仲の勢力?であった信濃?北陸道一?に進出していた ^[2] 。しかし、比企朝宗の進出は北陸道諸?に混?を呼び、文治2年（ 1186年 ）6月17日に 越中? 般若? の領主である?大臣 ?大寺?定 が武士の押妨の排除を要求したことが決定打となり、同年6月21日に?朝より地頭停止令が?令されることとなった ^[3] 。

この地頭停止令は源?朝が京の朝廷に?して妥協した結果?令されたものであるが、?家への代替わり後に比企氏はこの協定を覆す形で北陸道諸?の再掌握を?った ^[4] 。越中?では比企氏の分家と見られる 太田朝季 が越中守護（もしくは守護代）を標榜し、 石?? では正治3年（ 1201年 ）7月前頃に山田?で惟憲なる人物が地頭に補任され、翌年には太田朝季が 藤原定直 に?して「地頭沙汰事」を安堵したとの記?が?っている ^[5] 。一連の比企氏の動きは?朝時代の地頭停止令を一方的に無視するものであり、弘??山田?地頭領家の仁和寺より抗議を受けた源?家が、7月4日付請文で山田?地頭補任を否定する事態にまで至っている ^[4] 。

「比企能員の?」が勃?すると、越中?でも「朝季とその??が謀反を企んでいる」ことが問題視され、政?を主導した北?時政は比企氏??を殲滅すべく、越中の?人に?しても招集をかけた ^[6] 。この翌年、山田?地頭の惟憲が「科」があったことを理由に仁和寺の申し入れによって地頭職を停止された事、太海?院林??の地頭職も停止された事は、まさに太田朝季に加?したことにより討伐されてしまったためと考えられている ^[4] 。一方、弘??地頭の定直は折あしく上京中であったが、急ぎ9月8日に越中に??し、?人仲間のとりなしを得て起請文を出し、同年11月3日に引き?き本領を安堵することを認められたという ^[6] 。

越中中世史?究者の久保?文は、上記の?緯から「比企能員の?」が?なる北?氏と比企氏の?部抗?というだけではなく、公武間の抗?を再燃させかねない路線を取る比企氏とそれを批判する北?氏の?立という側面を有していたことを指摘している ^[4] 。

その後 [ 編集 ]

源?家 [ 編集 ]

?家は?の翌年の 元久 元年（ 1204年 ）7月18日、 伊豆?修?寺 にて23?で?した。『吾妻鏡』は?家の死因については一切?れず、19日に 飛脚 から?家死去の報があったことを記すのみである。

『 愚管抄 』や『 武家年代記 』『 ?鏡 』によれば、?家は 北?義時 の送った 刺客 ^{[注? 2]} により襲?され、激しく抵抗したところを首に紐を?き付けられ、 陰? をとって刺し殺されたという。『 保?間記 』によると入浴中に襲われたとある。

石碑と法要 [ 編集 ]

宗悟寺 （埼玉?東松山市）には「比企一族?彰碑」が建立されている ^[7] 。比企能員の?から820年目の 2023年 （令和5年）9月2日には比企氏を供養する法要が?まれた ^[7] 。

?像集 [ 編集 ]

• 
  祖師堂、鎌倉妙本寺
• 
  比企一族の墓、祖師堂向かって右側
• 
  一幡之君袖塚、比企一族の墓手前

脚注 [ 編集 ]

注? [ 編集 ]

出典 [ 編集 ]

?考文? [ 編集 ]

この節には ?考文? や 外部リンク の一?が含まれていますが、 脚注 によって?照されておらず、情報源が不明瞭です 。 脚注を導入して、記事の 信?性向上 にご協力ください。 （ 2018年7月 ）

• 石井進 『日本の?史 7 鎌倉幕府』（ 中公文庫 、1974年） ISBN 412200070X
• 本?和人 『新?中世王?論』（ 新人物往?社 、2004年）
• 山本幸司 『?朝の天下草創』（ 講談社?術文庫 、2001年）
• 久保?文「 木曾?比企の北陸道軍事と地頭停止令：仁和寺領?園の不入?評?の視点から 」『富山史壇』第177?、越中史壇?、2015年7月、1-18頁、 NAID   40022240748 。