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明治通?

出典: フリ?百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
明治通?一円券

明治通? （めいじつうほう、 ?字? ： 明󠄁治通󠄁寶 ）とは、 明治時代 初期に?行された 政府紙幣 （ 不換紙幣 ）である。日本では西洋式印刷術による初めての紙幣として著名である。また ドイツ の フランクフルト にあった民間工場で製造されたことから「 ゲルマン札 」の別名があるほか、?行開始の公示 [1] から「 新紙幣 [2] 」と?されることもある。

?略 [ 編集 ]

明治維新 により新政府が成立し、 1869年 （ 明治 2年）、明治政府は オリエンタル?バンク と 貨幣?造?約 を結んだ。他方、 戊辰?? の 軍事費 を出費する必要もあり大量の紙幣が?行されていた。紙幣は 太政官札 、府?札、 民部省札 、 ?替 ?社札など、 江?時代 の 藩札 の?式を踏襲して官民が?行した多種多?で?多なものであり、 ?造紙幣 も大量にあった。 松方正義 は 1870年 （明治3年）、 福岡藩の太政官札?造 を?見したとされている。共通 通貨 「 円 」の導入とともに、近代的紙幣の導入が必要であった。

?初日本政府は、新紙幣を イギリス に?注する予定であったが、 北ドイツ連邦 の ドンドルフ?ナウマン 社（ ヘッセン州 ）から「エルヘ?ト 凸版 」による 印刷 のほうが ?造 防止に?果があるとの??みがあった。そのうえ技術移?を日本にしてもいいとの?件もあった [3] 。近代的印刷技術も獲得できることもあり [3] 、北ドイツ連邦宰相 ビスマルク は7月に 普??? を開?したが [注? 1] 、 大?卿 大木喬任 は10月、ドンドルフ?ナウマン社に9券種、額面5000万円分（後に5353万円分を追加?注）を?注した。

1871年 （明治4年） 岩倉使節? が?年間の?米査察に出立し、3月には 岩倉具視 がビスマルクと?見し [4] 、 ?藩置? 翌月の9月、大?省に 紙幣司 が創設され、?週間後に?工寮が合?して 紙幣寮 が?足した [5] 。12月にはドイツからドンドルフ?ナウマン社製作の紙幣が?き始めたが、この紙幣は安全?策のため未完成であった。そのため紙幣寮で「明治通?」の文言や「 大?卿 」の印などを補って印刷し完成させた。なお?初は「明治通?」の文字を100人が手書きで記入していたが、約1億円分、2億枚近くもあることから記入に年?がかかりすぎるとして 木版 印刷 に?更され記入していた52,000枚は?棄?分された。

明治通?は 1872年 （明治5年）4月に?行され、民衆からは新時代の到?を告げる斬新な紙幣として?迎され、?多な?紙幣の回?も進められた。同年、紙幣寮の頭に ???一 が就任し、また太政官正院 印書局 が創設された。

しかし、流通が進むにつれて明治通?に不便な事があることが判明した。まずデザインが全ての額面で同一（表面の地模?と裏面の印刷の色は額面により異なる）であり、額面が異なっていても同じサイズや近いサイズのものが多かったため、それに付け?んで額面を?造する不正が?行したほか、?造が多?した。また紙幣の 洋紙 が日本の高?多?の ?候 に合わなかったためか損傷しやすく?色しやすいという欠?があった。また同年には 藤田組?札事件 も??した。

ドンドルフ?ナウマン社は 1873年 （明治6年）10月9日、日本政府の在???者に、明治通?製造のための設備投資により??難に?ったこと、そのため設備を?却したいと申し出た [6] 。同社は オリエンタル?バンク （東洋銀行）と取引していたが、このとき ロンドン 本店から?浜支店に同社の製造費用等の支?請求書が送付され、同銀?浜支店はこれに 大久保利通 卿と 吉田?成 少補の書簡を添えたうえで、大?省へ送付している。

1874年 （明治7年）にはドンドルフ?ナウマン社にあった明治通?の原?や原版が日本に引き渡され、技術指導の技術者の派遣も決定し、?産化へ移行した [7] 。また、 北海道開拓使 だったアメリカ人の ト?マス?アンチセル が紙幣寮に移り、紙幣用インキの?究、製造に?事した。 1875年 （明治8年）からは、?日した元ドンドルフ?ナウマン社の エドアルド?キヨッソ?ネ も紙幣寮の技術指導に?たった。

折りしも 1877年 （明治10年）に勃?した 西南?? の際は、明治通?が莫大な軍事費支出に役立つこととなったが、前述の通り?造や欠?が問題となったため 1881年 （明治14年）には 改造紙幣 に取って代わられた [8] 。

明治通?の要目 [ 編集 ]

下表の通り、百円券から十?券までの9種類の券種が製造?行された [2] 。

デザインは?型の全券種共通のもので、表面の主模?として 鳳凰 と 龍 があしらわれており、出納頭の 割印 と「明治通?」の文字が印刷されている [9] 。裏面には ?海波 、 ?? 、 千鳥 、 帆立貝 、 孔雀 の?柄の他に、大?卿印（大日本帝?政府大?卿）、記?頭の割印が印刷されている [9] 。ただし表面の地模??割印と裏面の模??割印の刷色は額面により異なり、半円券以下の裏面には地模?がない。近代的な印刷技術を用いた日本初の紙幣ではあるが、?型の券面や鳳凰?龍などを題材としたデザインは江?時代から流通していた藩札や、明治政府により?行された??の太政官札?民部省札などの流れを汲むものとなっている [9] 。

裏面の上下には記番?が印刷されているが、記?は 平?名 1文字ないし3文字、通し番?は 漢?字 （?一二三四五六七八九。のちに?行された日本銀行兌換銀券のように「壹貳?」の 大字 を使っていない）で印刷されている。通し番?の桁?は多くは4桁だが、十円券の一部では5桁、二円券と一円券の一部では6桁のものが見られる。記?は右上と右下、通し番?は左上と左下に印刷され、右上の記?の下と右下の記?の上には「? [注? 2] 」、左上の通し番?の下と左下の通し番?の上には「番」の文字が印刷されている。

透かし は入っていない [2] 。紙幣用紙は 麻 と ?麻 を原料としているが、先述の通り紙質に問題があり損傷や?色の原因となった [9] 。

使用色?は、表面は全券種とも4色（??は主模?1色、地模?1色、印章1色、「明治通?」の題?1色）、裏面は券種により異なり、一円券以上が5色（??は主模?1色、地模?1色、印章2色、記番?1色）、半円券以下が4色（??は主模?1色、印章2色、記番?1色）となっている（券種によっては印章と記番?で同色のものもあるが別版のため別色扱い） [10] [2] 。ドイツのドンドルフ?ナウマン社での製造分については、主模?、地模?および記番?が印刷された半製品の?態で日本へ輸入し、その後日本??で「明治通?」の題?の加刷と印章類の押印を行う手順で製造された [9] 。

なお、表面の漢?字?書きによる額面金額の左右に額面金額の英字表記が施されているが、一円券についてはこの額面金額の英字表記が本?「1YEN」と記載すべきところ「0YEN」と誤表記された?態で印刷されている [9] 。また半円券については漢?字?書きによる額面金額の左右が「50SEN」となっており、「半」と「圓」の漢字の間に「1/2 YEN」と表記されている。

ドイツ製造分は 1870年 （明治3年）10月から、??製造分は 1877年 （明治10年）7月から 1878年 （明治11年）6月までの期間に製造された [11] 。

名? 額面 寸法（ミリ） 記番?色
[2] 		製造枚?
（ドイツ製造分） 		製造枚?
（??製造分） 		?行 [12] ?止 [13] [14]
百円券 金百圓（100円） 159ｘ107 ?色 24,330 - 1872年 （明治5年） 8月13日 1899年 （明治32年） 12月31日
五十円券 金五拾圓（50円） 159ｘ107 赤色 23,261 - 1872年（明治5年）8月13日 1899年（明治32年）12月31日
十円券 金拾圓（10円） 137ｘ89 ?色 1,143,189 1,546,063 1872年（明治5年） 6月25日 1899年（明治32年）12月31日
五円券 金五圓（5円） 137ｘ89 赤色 3,104,474 - 1872年（明治5年）6月25日 1899年（明治32年）12月31日
二円券 金二圓（2円） 111ｘ72 ?色 2,695,298 9,792,989 1872年（明治5年）6月25日 1899年（明治32年）12月31日
一円券 金壹圓（1円） 113ｘ71 赤色 39,814,943 5,394,916 1872年（明治5年） 4月 1899年（明治32年）12月31日
半円券 半圓（½円＝50?） 89ｘ53 暗?色 22,717,569 - 1872年（明治5年）4月 1899年（明治32年）12月31日
二十?券 二十錢（20?） 87ｘ53 褐色 46,100,557 - 1872年（明治5年）4月 1899年（明治32年）12月31日
十?券 十錢（10?） 87ｘ53 赤色 72,026,143 54,621,137 1872年（明治5年）4月 1887年 （明治20年） 6月30日
  • 明治通宝百円券（表面）
    明治通?百円券（表面）
  • 明治通宝百円券（裏面）
    明治通?百円券（裏面）
  • 明治通宝五十円券（表面）
    明治通?五十円券（表面）
  • 明治通宝五十円券（裏面）
    明治通?五十円券（裏面）
  • 明治通宝十円券（表面）
    明治通?十円券（表面）
  • 明治通宝十円券（裏面）
    明治通?十円券（裏面）
  • 明治通宝五円券（表面）
    明治通?五円券（表面）
  • 明治通宝五円券（裏面）
    明治通?五円券（裏面）
  • 明治通宝二円券（表面）
    明治通?二円券（表面）
  • 明治通宝二円券（裏面）
    明治通?二円券（裏面）
  • 明治通宝一円券（裏面）
    明治通?一円券（裏面）
  • 明治通宝半円券（表面）
    明治通?半円券（表面）
  • 明治通宝半円券（裏面）
    明治通?半円券（裏面）
  • 明治通宝二十銭券（表面）
    明治通?二十?券（表面）
  • 明治通宝二十銭券（裏面）
    明治通?二十?券（裏面）
  • 明治通宝十銭券（表面）
    明治通?十?券（表面）
  • 明治通宝十銭券（裏面）
    明治通?十?券（裏面）

?止 [ 編集 ]

「 日本の貨幣史 」も?照

日本銀行 の設立により 1885年 （明治18年）から 日本銀行券 （日本銀行兌換銀券）が?行開始されたことを受け、 西南?? 等を?端とした インフレ?ション 沈?化を目的とした 紙幣整理 の政策の一環として 1898年 （明治31年） 6月11日 に公布された「政府?行紙幣通用?止に?する法律」 [13] 等に基づき、 1899年 （明治32年） 12月31日 をもって 政府紙幣 である明治通?および 改造紙幣 の法的通用が禁止され?止となった。なお、同年 12月9日 には ?立銀行紙幣 も通用停止 [15] となっており、これらにより日本??で流通する紙幣は日本銀行券へ一元化された。

なお、前述の通りそもそも用紙の質に欠?があったことに加え、低額面で流通が激しく特に損傷が甚だしい?態であったことから [16] 、十?券に限り一足早く 1887年 （明治20年） 6月30日 をもって法的通用が禁止され?止されている [14] 。

朕󠄂 帝??國議會 ノ協贊ヲ經タル 政府發行紙幣󠄁通󠄁用廢止ニ關スル法律 ヲ裁可シ?ニ之ヲ交󠄁付セシム

御　名　　御　璽

　　　　　明󠄁治三十一年六月󠄁十日

　　　　　　　　　　內閣總理大臣侯爵󠄂 伊 藤󠄁 博󠄁 文󠄁
　　　　　　　　　　大藏大臣伯爵󠄂 井　上　馨

法律第6號

政府發行ノ紙幣󠄁ハ明󠄁治三十二年十二月󠄁三十一日限リ其ノ通󠄁用ヲ廢止ス

?連法令 [ 編集 ]

  • 『 勅令 』、官報。1886年（明治19年） - 十?紙幣の通用期限を1887年（明治20年）6月30日とした。
  • 『 大?省省令 』、官報。1886年（明治19年） - 十?紙幣交換期限を1887年（明治20年）6月30日とした。
  • 『 大?省省令 』、官報。1887年（明治20年） - 十?紙幣交換期限を1887年（明治20年）12月31日まで延期。
  • 『 大?省省令 』、官報。1887年（明治20年） - 十?紙幣交換期限を1888年（明治21年）6月30日まで延期。
  • 『 大?省省令 』、官報。1888年（明治21年） - 十?紙幣交換期限を1888年（明治21年）12月31日まで延期。
  • 『 大?省省令 』、官報。1888年（明治21年） - 十?紙幣交換期限を1889年（明治22年）6月30日まで延期。
  • 『 大?省省令 』、官報。1889年（明治22年） - 十?紙幣交換期限を1889年（明治22年）12月31日まで延期。
  • 『 大?省省令 』、官報。1889年（明治22年） - 十?紙幣交換期限を1890年（明治23年）6月30日まで延期。

?遷 [ 編集 ]

後?は 1881年 （明治14年） 2月 から 1883年 （明治16年）にかけて?行開始された 改造紙幣 （十円券、五円券、一円券、五十?券、二十?券）である。ただし改造紙幣では百円券、五十円券、二円券および十?券は?行されなかった。また、十?券は他の券種に先んじて?止されたため、これ以降は 十?硬貨 （ 十?銀貨 ）のみの?行となった。最終的に、改造紙幣も明治通?と同日を以て失?となっている。

この他に、 1873年 （明治6年） 8月20日 から1899年（明治32年） 12月9日 までは ?立銀行紙幣 、 1885年 （明治18年） 5月9日 以降は 日本銀行兌換銀券 が?行して通用していた。

備考 [ 編集 ]

明治通?のデザインは後に 軍票 、 台?銀行 券、 第一銀行 券（ 大韓帝? 通用紙幣）の製造にも踏襲して使用された。また軍票は 昭和時代 の 日中?? 初期まで、このデザインが使用された。

明治通?の百円券や五十円券は現存?が?枚程度しかないと推測されており、取引例はほぼ皆無なので相場?格がない。それ以外の券も現在 古? 市場で全?的に高値（十円券 - 二円券は?万円 - ?十万円以上、一円券 - 十?券は?千円 - ?万円以上）で取引されている。

脚注 [ 編集 ]

[ 脚注の使い方 ]

注? [ 編集 ]

  1. ^ 北ドイツ連邦宰相であり プロイセン王? 首相の オット??フォン?ビスマルク は、翌年1月には ドイツ帝? を創始した。4月には ビスマルク憲法 を設置し、5月に フランス帝? 及び フランス共和? に勝利し、 フランクフルト講和?約 を締結した。
  2. ^ ?時の正式な字?は現在?字?と呼ばれる「號」だが、現在の 新字? に相?する「?」も?時略字として用いられていた。

出典 [ 編集 ]

  1. ^ 1871年（明治4年）12月27日太政官布告第678?「新紙幣ヲ?行スル件」
  2. ^ a b c d e 大?省印刷局『日本銀行券製造100年??史と技術』大?省印刷局、1984年11月、302-303頁。  
  3. ^ a b 植村 2015 , pp. 46?47.
  4. ^ 多田好問『 岩倉公?記 』、1906年。
  5. ^ 造幣局あゆみ編集委員?『 造幣局のあゆみ 』。2010年、 造幣局 。
  6. ^ 『 新紙幣の部 』、『大?省考課??紙幣寮』、 大?省 。1873年。
  7. ^ 植村 1989 , p. 44.
  8. ^ 植村峻『紙幣肖像の?史』東京美術、1989年11月、77-78頁。 ISBN   9784808705435 。  
  9. ^ a b c d e f 植村 2015 , pp. 50?53.
  10. ^ 日本銀行調査局『??日本の貨幣 7 近代貨幣の成立』東洋??新報社、1973年、274-275頁。  
  11. ^ a b 大?省印刷局『日本のお金 近代通貨ハンドブック』大?省印刷局、1994年6月、242-255頁。 ISBN   9784173121601 。  
  12. ^ a b c d 日本銀行金融?究所『日本貨幣年表』日本銀行金融?究所、1994年、39頁。 ISBN   9784930909381 。  
  13. ^ a b c 1898年（明治31年）6月11日法律第6?「 政府發行紙幣󠄁通󠄁用廢止ニ關スル件 」
  14. ^ a b c 1886年（明治19年）7月10日勅令第50?「 拾錢紙幣󠄁通󠄁用禁止 」
  15. ^ 1896年（明治29年）3月9日法律第8?「 國立銀行紙幣󠄁ノ通󠄁用及󠄁引換期󠄁限ニ關スル法律 」
  16. ^ 大?省印刷局『日本のお金 近代通貨ハンドブック』大?省印刷局、1994年6月、136頁。 ISBN   9784173121601 。  

?考文? [ 編集 ]

  • 『日本紙幣?集?典』　 原典社 　2005年 　
  • 植村峻 『紙幣肖像の?史』東京美術、1989年。  
  • 植村峻 『?札の世界史』生活人新書、2004年。  
  • 植村峻 『紙幣肖像の近現代史』吉川弘文館、2015年6月。 ISBN   978-4-64-203845-4 。  
  • 日本銀行調査局『??日本の貨幣 7 近代貨幣の成立』東洋??新報社、1973年。  

?連項目 [ 編集 ]

外部リンク [ 編集 ]

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