城壁

城壁（じょうへき、ラテン語 moenia フランス語 muraille 、英語 defensive wall ）は、城の周?を?んで建設された防御壁のことである ^[1]。城郭都市では都市全?を?い、また境界線（?境）上に建設し、外敵の攻?から?側を守る。構造材は石材、レンガ、木材、土（版築）など??なものがある。日本では城（正確には城砦）の石垣 ? ? を指すことも多い。

世界の城壁 [ 編集 ]

日本 [ 編集 ]

熊本城の石垣
首里城の石垣

日本の古代の都市（都城）では周?を壁（羅城）で?み、4方に門がつくられた。?部の治安を守るために、夕刻になると門の扉を閉じ、翌朝まで外部のものが入れなくした。日本の武士の城は、最初簡?な土? 、板? 、築地? を用いていたものが多かったが、??時代になると、次第に築城のための技術も競われ、次第に?固で背の高い石垣が作られるようになり、「武者返し」という、?が?く上にゆくにしたがい傾斜がきつくなるもので登ることが極めて困難で、防御力の非常に高い石垣がつくられるようになった。熊本城や江?城の石垣はきわめて巨大なものとなっている。

萩城、熊本城などでは、石垣の上に木造の城がせり出すように建てられており、いざ敵が石垣を登ろうとすると、下方にひらいた?をあけ、そこから石や湯等?を落として攻?するということも行われた。

中? [ 編集 ]

中?で完璧に近い形で現存する古代の城壁は、平?市壁（中?語版）、西安城壁（中?語版）、荊州城壁（中?語版）、興城城壁（中?語版）である。それ以外の南京城などでも一部?っており、保護活動も行われている。

ヨ?ロッパ [ 編集 ]

?要と構造 [ 編集 ]

城壁（ Enceinte , Defensive wall）とは、市街地や城を包?して防御機能を果たす 幕壁（カ?テンウォ?ル） 及び 城壁塔 ? 堡? などの一連の構築物のこと。初期の?純な形の城壁は、城壁上部の?廊に ?間（Crenellation）付き胸壁（Battlement）を備えた壁で、しばしば?間窓（射眼）が設けられていることもあった ^[2]。攻城技術の?達に伴い、城壁の構築技術は13世紀頃にかけて頂点に達した。城壁には壁面から突出する半円形の塔（側防塔）を配し、そこに矢?間を設けることで城壁に取り付く敵兵に左右から射掛けることが可能となった ^[3]。幕壁部分の下部に傾斜面（英語版）を設けることで、掘削による壁の破?を難しくし、攻城塔が取り付きにくくすると共に、この傾斜面が幕壁を分厚くすることで砲?に?するより高い抵抗力を持つようになった ^[2]。幕壁（カ?テンウォ?ル）には一定間隔で塔（側防塔など）が造られ、塔の?術上の重要性が認識されてくるとその間隔は短くなっていった。この塔は防衛目的のために造られた側防塔（Defensive Tower）のほか、?術上有利な地点に設けられたタレット（Turret）や張り出し櫓（ Bartizan ）、主に居住空間を提供した居住塔（Lodging Tower）などがあった ^[3]。一部の城では、城壁や塔の頂上部に屋根?の木造構造物を架けたものもあり、これを櫓（ Hoardings ）という。櫓は風雨をしのぎ弓矢による攻?を避けるだけでなく、壁面上にせり出した櫓の構造が連?した出し?間（石落とし）の役割を果たし城壁正面の領域を直接支配するために造られたものである ^[3]。

城（城壁）には少なくとも一箇所の城門（Gateway）があり、一基の塔?部に門が組み?まれている場合（ Gate tower ）と、1?2基の塔が門の脇を固めている場合のいずれかであった。13世紀になると、城門とキ?プの機能を兼ね備えた?門（ゲ?トハウス）が造られるようになった。この?門は?子の円筒型の塔の間に四角形の居住用建物が追加されたものが多かった ^[3]。城門を閉じるために、跳ね橋（Drawbridge）、落とし格子（Portcullis）及び門扉が備えられるのが一般的であった。さらに防御機能を?化するため、門の外側に要塞化した小堡（バ?ビカン）が設けられることもあった。

?間（凹部）付き胸壁
?間窓（射眼）
出し?間（石落とし）
側防塔と幕壁の傾斜面
小塔 Turrets
張り出し櫓 Bartizan
塔や城壁の上部に造られた櫓
?門（ゲ?トハウス）
小堡（バ?ビカン）

攻城兵器と防衛 [ 編集 ]

詳細は「攻城兵器」および「攻城? 」を?照

古代における攻城兵器は破城槌、カタパルト (投石機) 、オナガ? (投石機) 、攻城塔などであった。中世になると、これらに加えてバリスタ（大型弩砲）、トレビュシェット（改良型投石機）などが加わり、近世になると大砲が用いられるようになった。

城壁を用いて防衛する側は、古代においては弓矢で反?したり、胸壁や出し?間（石落とし）から石や煮えたぎった油、湯や糞尿を落としたりして抵抗した。中世になるとクロスボウも使われるようになった。

?史 [ 編集 ]

古代

中近東を含めたこの地域では文明が興り都市が形成されるとその周?に城壁（?壁）を巡らしていたが、これは街の防護と?時の?点とするためだった。古代ギリシアや古代ロ?マにおいても都市の防護に城壁が用いられた。例えば、古代のエルサレムは堅固な城壁に守られた重厚な城郭都市であった ^[4]とされ、また共和政ロ?マ時代の首都ロ?マにも都市を守る城壁（?壁）であるセルウィウス城壁が築かれていた。また一時的なものであるが、ロ?マ軍? は進軍した先で十分な防御能力を備えた陣地を構築しており、これも城の一種と見ることもできる。

古代ロ?マの全盛期になると、もはや侵入できる外敵が存在しなくなり、都市機能の?大に合わせて城壁を?大していく必要がなくなった。ロ?マ帝? の防衛は?境線に築かれた防壁リメス ?びに軍? 及び補給物資を迅速に投射できるロ?マ街道等の輸送路の維持によって行われていた。しかしながらロ?マ帝? が衰退する 4世紀頃以降、ゲルマン人の侵入に?抗するため都市に城壁（?壁）を築いて防衛する必要性が生じた ^[5]。ロ?マ帝?最盛期には城壁を持たなかった首都ロ?マも、全周約19km?高さ8m?厚さ3.5mのロ?マン?コンクリ?トで造られたアウレリアヌス城壁で防御されることになった。

城壁の素材は地域や時代?建築技術の程度によって??で、日干しレンガや?きレンガ?石?木?土など??である。なお『ガリア?記』に記されているガリアの城壁は木を主?としたものであり、北西ヨ?ロッパに本格的に石造建築が導入されるのはロ?マ化以降のことである。ロ?マ帝?の最盛期には?固なロ?マン?コンクリ?トで城壁（?壁）や塔が造られるようになっていた。

このように、古代地中海世界を含めて、 10世紀半ばまでのヨ?ロッパには?密に「城」と呼べるものは存在せず ^[3]、主に都市や都市?家、?大な?家全?を?んで防御する城壁（?壁）や塔が造られていた。

中世

西ロ?マ帝? の消滅後、古代ロ?マの建築技術は急速に失われ、土??びに木造の塔や柵が再び主流をなす時代が訪れた。10世紀の終わり頃から城と呼べる建築物を作るようになった。これらも多くは木造の簡易なもので、代表的な形態がモット?アンド?ベ?リ? 型であった。平地や丘陵地域の周?の土を掘りだして、濠(空濠が多かった)を形成し、その土で小山と丘を盛り上げた。小山は粘土で固めてその頂上に木造または石造の塔(天守)を作った。この丘はモット（Motte）と呼ばれる ^[3]。また、丘の脇または周?の附?地を 木造の外壁 で?んで、貯?所や住居などの城の施設を作った。この土地はベイリ?（Bailey）と呼ばれた ^[3]。また、多くの街も城壁を有する城郭都市となった。古い街の中には、古代ロ?マ時代の城壁を再建?補?して用いた場合もあった。都市? を得た都市のみが城壁を建設できる「市壁築造?」が定められた時代や?家もあった。

11世紀には、天守や外壁が石造りの城が建築されるようになるが、石造りの城は建造に長期間(?年)かかり費用も高額になるため、王や大貴族による建設が中心であり、地方では木造の城も多く?っていた。 石造りの城壁 には四角い塔が取り付けられ、幕壁（カ?テンウォ?ル）を守る形になった。

12世紀の十字軍の時代には、中東におけるビザンティン、アラブの技術を取り入れ、築城技術に革新的?化がみられた。集中式城郭と呼ばれる城は、モットの頂上に置かれた石造りの直方?の天守塔キ?プが、同心円?に配置された二重またはそれ以上の城壁で守られていた。?側に行く程、壁を高くして、外壁を破られても?側の防御が有利になるよう工夫されている場合もあった。石造りの城を攻?するためには、地下道を掘って城壁を崩したり、攻城塔や破城槌を使う?前の方法だけでなく、 12世紀後半には十字軍が中東から?んだカタパルト (投石機) が使われるようになる ^[3]。投石機は50kgの石を200m余り飛ばすことが出?るものもあり、 14世紀末に大砲にその役が取って代わられるまで城攻めの中心的兵器であった ^[3]。この投石機より飛?する石?の衝?を逸し吸?するため、直方?の塔は多角形を?て円筒形になり、また壁の厚みも?していった ^[3]。

12世紀後半から13世紀になり、塔や城壁に矢?間を設けてクロスボウを用いて反?を行う ^[3]ようになった。城壁には壁面から突出する半円形の塔（側防塔）を配し、そこに矢?間を設けることで城壁に取り付く敵兵に左右から射掛けることが可能となった ^[3]。こうして城の軍事的機能の中心は天守塔（キ?プ）から側防塔を配した城壁に移行していった。ついには、城とは?固な城門（ゲ?トハウス）と側防塔を配した城壁そのものとなり、城壁に?接する形で居住スペ?スなどの建物が配置された ^[3]。

近世

14世紀頃に中?から?わった ?色火? の製造技術が大砲の製造を可能にした。15世紀中頃からは高? 技術の普及で ?? を用いた「中型?小型の大砲」が大量生産されるようになる ^[3]。15世紀の砲?には炸? や信管は無かったが、初速が大きく水平に近い軌道で飛ぶ砲?の破?力は大きかった。高い建造物は大砲の標的となったため城壁は高さよりも厚さを重視するようになり、さらに地下に掘り下げて建設され地上からはその姿を見いだせないような要塞型の城となっていく ^[3]。もはや城壁のみでは?略?点を守ることはできなくなり、防衛施設としての主役の座を要塞や塹壕に明け渡すことになった。

城壁付きの庭園 [ 編集 ]

ヨ?ロッパでは城壁付きの庭園であるウォ?ルド?ガ?デン ( Walled_garden ) という形式の庭園がある。これは高い壁で?まれた庭園で、防犯目的でもともとが動物や人間の侵入者から守るためにすべての庭園が?われていた可能性がある一方、園芸目的の場合にも用いられている。例えばスコットランドのような寒い地域であるとこうした庭の壁の本質的な機能は風や霜から庭を守ることであるが、 ?? ?候?の地域では ?飾の目的も兼ねている場合もある。キッチン?ガ?デンは壁に?まれて外部遮?されることが非常に多く、通常、家の住人がいるであろう時間には「プレジャ??ガ?デン」から必要なくなっていた庭師が庭仕事を?けられるようになっていった。壁には暖房が施されることもあり、エスパリエとして育てられた果樹も植えられていた。

?史的に見ても、また現在でも世界の多くの地域において、都市部でプライベ?トな屋外空間を持つほぼすべての住宅では、安全のために高い壁があり、どんな小さな庭でも壁で?まれるのが?定路線となっている。農村の家屋やその他の建物、たとえば宗?的なものにも同じことが言える。

宮殿やほとんどのカントリ?ハウスでは、?大な庭も含めた敷地全?が壁で?まれているか、少なくとも柵で?まれていた。時には、ベルサイユ宮殿、バッキンガム宮殿、その他の多くの宮殿のように、住居の豪華さをアピ?ルするために、境界の最も眺めのよい部分に金?の手すり（はるかに高?）が付けられていることもあったほか、もともと?や生け垣があったところに、資金の許す限り?を追加するケ?スもあった。特に地元の??者を雇って壁を作ることは、金持ちの飢饉救? の方法として賞?された。イギリス諸島のカントリ?ハウスの敷地を?む多くの壁は、1840年代の「ジャガイモ飢饉」の時代に作られたものである。

こうして壁に?まれた庭園の園芸的、社?的な利点から、キッチン?ガ?デンもしばしば巨大な壁に?まれた敷地?に形成されたり、壁に?まれた??を形成したりすることになった。1630年代のフランス王立植物園（現在のパリ植物園）は、全?敷地が壁に?まれていたが、球根が貴重で?まれやすいため、さらにその?側に壁を設けたチュ?リップの庭があったという ^[6]。

?連項目 [ 編集 ]

堀
? （土? 、 ? (城郭) 、築地? ）
柵、垣根、バリケ?ド
カ?テンウォ?ル (城壁)
市壁（ドイツ語版）
ア?チェリ? (弓術) - 通常?下に矢を?つのは困難であるが、トルコやマルタなどで城壁や馬上から下に?つ Jarmakee（被り射ち）と呼ばれる技術を生み出した。ちなみに日本では、「?矢」もしくは「?矢掛かり」という石垣を星型要塞のように相互にサポ?トできる構造にして??した。

出典 [ 編集 ]

[ 脚注の使い方 ]

^ ??苑【城壁】
^ ^a ^b マルコム?ヒスロップ Dr. Malcolm Hislop 著『?史的古城を?み解く』（桑平幸子?） ISBN 978-4-88282-912-6
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m ⁿ ^o 堀越宏一「??の技術と社?」3.城と天守塔, ? 15のテ?マで?ぶ中世ヨ?ロッパ史 ISBN 978-4-623-06459-5
^ ?約聖書ネヘミヤ記
^ Claridge, Amanda 1998 Rome: An Oxford Archaeological Guide
^ Penelope Hobhouse|Hobhouse, Penelope, Plants in Garden History , 124-125, 2004, Pavilion Books, ISBN 1862056609