出師表

「 出師表 」（すいしのひょう、「 出師の表 」）とは、臣下が出陣する際に君主に奉る文書のことである。「出師」とは文字通り「師（＝軍隊）を出す」ことを、「表」とは公開される上奏文を指す。「出師表」自?は一般的な文書名であるが、?史上、三?時代蜀漢の丞相であった諸葛亮が、皇帝劉? に奏上した『（前）出師表』が極めて著名であり、特に述べられない場合、「出師表」とはこれを指す。出師表は、後世に南宋の安子順により「諸葛亮の出師表を?んで?を?さない者は、その人必ず不忠である。」と言われている。

以下、諸葛亮の「出師表」について記す。

前出師表 [ 編集 ]

建興 5年（ 227年）、諸葛亮が主君の劉?に奉った上奏文。一般に「出師表」と言えばこの文章を指すが、おそらくは?書である「後出師表」（後述）と?別するために、「 前出師表 」と呼ばれることもある。自分を登用してくれた先帝劉備に?する恩義を述べ、あわせて若き皇帝である劉?を我が子のように諭し、自らの報恩の決意を述べた文である。陳? の三?志の本文にも引用されている他、『文選』、『文章軌範』等にも?められており、諸葛亮の?作と考えられている。

古?から名文中の名文とされており「諸葛孔明の出師の表を?みて?を?さざれば、その人、必ず不忠」 ^[1]と言われてきたほど、諸葛亮の蜀に?する忠義が如?に描?されていると言われてきた。北宋代の詩人蘇軾は「簡而盡，直而不肆」 (簡素であって出し?くされている。?っ直ぐであって??ではない)と『老子』五十八章の「是以聖人～直而不肆」を引用して高く評?した。また西晋代の?軍羊祜の讓開府表に影響を?えたとされ、古?から比較の?象とされた。　　

なお「前出師表」は、漢代の古文の文?で書かれており、この時代に確立し六朝から隋唐に流行した、 ?文の?飾的な文?とは異なる趣を持っている。この?、唐代?宋代の古文復興運動でも三?時代の文章としては唯一重んじられていた。古文???文章軌範等の詞華集にも多く採用されている。

狩野直禎によれば、諸葛亮が尊敬していた ?毅の「燕の?王に報ずるの書」の影響が見られ、?毅の文章の本歌取りを行なっている所もあるという ^[2]。

?容 [ 編集 ]

諸葛亮が北伐（魏への遠征）に出?する前に、?に?す若い皇帝劉?を心配して書いたという前出師表の?容は次の通りである。

まず、現在天下が魏 ? ? ?蜀に分れており、そのうち蜀は疲弊していることを指摘する。そういった苦境にもかかわらず、蜀漢という?が持ちこたえているのは、人材の力であるということを述べ、皇帝の劉?に、人材を大事にするように言う。

さらに、郭攸之 ? 費? ? 董允 ? 向寵といった面?の名をあげ、彼らはよき人材であるから、大事にしなくてはならないと言い、あわせて後漢の衰退の原因は、立派な人材を用いず、くだらない人間を用いていたからだとも指摘する。

最後に、自分が?なる?士に過ぎなかったのに、先帝である劉備が 3回も訪れて自分を登用してくれたことにとても感謝していると述べ、この先帝の恩に報いるために、自分は中原に進出し、逆賊たる魏王朝を破り、漢王朝を復興させようとしているという決意を述べ、全文を次のように結ぶ。

臣不勝受恩感激今當遠離臨表涕泣不知所言

大意:私は恩を受けた事の感激に打ち克つことが出?ません。今、正に遠く離れるに?たり?を流し、言葉もありません。

後出師表 [ 編集 ]

建興6年（ 228年）、諸葛亮は劉?に再び「出師表」を上奏したとされている。この時の文章は、先の「出師表」と?別して「 後出師表 」と呼ばれている。しかし、この文章は『三?志』の本文では言及されず、裴松之の注?の中で、習鑿? 『漢晋春秋』から引用され、さらに陳? の編纂した『諸葛亮集』にも見えず、?の張儼『?記』に見えると書かれている上、?史事?との相違点が多い。

?容 [ 編集 ]

後出師表の?容は次の通りである。

まず、自分が先帝である劉備から、逆賊である魏を討伐するようにと言われてきたことを確認し、魏の力があまりに?大で、自分の力はあまりにも弱く、このままの?態では蜀は魏に滅ぼされるであろうと述べる。そして坐して滅亡を待つよりは、先手を取って魏を討滅すべきであるとする。しかし、良からぬ輩が、自分の北伐を批判していると述べる。

このような批判に?し、6つの疑問点をあげてその批判の不?さを指摘する。

今の蜀の?況は、同じく漢中に?った漢の高帝 ? 張良 ? 陳平の才能に遠く及ばない者しかいないのに、坐して天下をとろうとするのはなぜか。
- 張良?陳平は、高帝に仕えた有名な謀臣である。彼らは天下を取るために、中?中を?けずり回った
劉繇や王朗は、自分の州郡の中にとどまり、結局孫策に敗れてしまった。
- 動かない蜀の?子を劉繇や王朗と重ね合わせて批判する
曹操は優れた軍略家であるが、それでも身を危ういところにおいて?ってきた。自分のような小人物はなおさら、危ういところに身を置かないでどうするのか。
曹操のような人物ですら、敗?を繰り返しているのだから、自分のような小人物が?いに負けたことをあれこれ言うのはどうか。
自身が漢中に赴任してから1年の?に趙雲 ?陽??馬玉?閻芝?丁立?白??劉??鄧銅に、曲長?屯?ら七十余人、異民族の精兵千余人を失った。さらに?年が?てば元の3分の2は失うことになり、それでどうして勝利を企?できるのか。
今、蜀は益州しか領有しておらず、??力がない。このまま放っておけば、??力のより大きい魏と?抗することはできないのではないか。

さらに、時代の流れは予見しがたいとし、弱小なる蜀も魏に勝てるかもしれないとし、死ぬまで努力すると述べる。

?作か?作か [ 編集 ]

古くから後出師表は??不明の文書として有名であった。?の考??者で?代正史の?究を行った何? の『義門?書記』では諸葛亮の?作とするが、考??者でも?大昭?林??は?作?を唱えており、現在でもはっきりした結論は出ていない。以下に?作?の?者の主張を述べる。

劉繇や王朗を批判したあと、曹休の話が出てくるが、30年近く時期が違う話を同一に扱うのは不自然である。
曹操が家臣の李服に謀反を起こされたという話が出てくるが、李服などという人物は『三?志』魏書に登場しない。
曹操が昌? に五回?ったという話が出てくるが、『三?志』蜀書では?った回?は一回で矛盾している。
趙雲が死んだことになっているが、彼の?年は229年であり、後出師表を書いたとされる時には趙雲はまだ生きていたはずである。
陳?の三?志本文や、諸葛亮集に??されておらず、張儼『?記』に登場するのは、疑問である。なぜ?に?っているのに蜀に?っていないのか。陳?は諸葛亮を非常に尊敬しており、前出師表だけ??して後出師表が漏れるということはあり得ないことだ。

これに?し、?作?を唱える?者は、

前出師の表でも似たような話はあり、王朗の話のあとに曹休の話が出てきても不自然ではない。
李服は董承と一?に反?を起こして?刑された王服（王子服）のことである。
『三?志』魏書の複?に渡って昌? が度?曹操に反?を起こしたことが記?されており矛盾はしていない。
趙雲は後出師表が出た時点で?に死去していたのであろう。
後出師表は?にいた諸葛亮の親族、諸葛喬や諸葛恪が?承したもので、蜀に?っていなくとも不自然ではない。陳?が三?志に??しなかったのは、魏王朝を「賊」呼ばわりするなど表現が過激だからであろう。

と主張している。

故事成語 [ 編集 ]

「後出師表」の中の「臣鞠躬??、死而后已（臣は鞠躬?力し、死して後に已む、）」は（四字熟語としては「鞠躬??」）は「全身全?でやり?く」という意味でつかわれる。『三?志演義』にも引用されたほか ?宗羲の「巡撫天津右僉都御史留仙馮公神道碑銘」にも引用されている。現代では朱鎔基首相が 2001年に演?で使用した。

朝鮮語では競技、選? などへの出陣を表明する際に、「出師表를 내다 」（出師表を出す）または「出師表를 던지다 」（出師表を投げる）の表現を使うことがある ^[3]^[4]。

脚注 [ 編集 ]

^ 『箋解古文??』の安子順の?言部分
^ 狩野1990、『孔明「出師表」を?む』?習?究社?史群像シリ?ズ１６、三?志下?所?の論考
^ 김선경 (2014年10月1日). “ [알고 쓰는 말글]던질 수 없는 ‘出師表’ ” (朝鮮語). 京鄕新聞 . 2024年3月6日 ??。
^ “ 國立國語院標準國語大辭典 - 出師表 ”. stdict.korean.go.kr . 2024年3月6日 ??。

?連項目 [ 編集 ]

[1] 『箋解古文??』の安子順の?言部分

[2] 狩野1990、『孔明「出師表」を?む』?習?究社?史群像シリ?ズ１６、三?志下?所?の論考

[3] 김선경 (2014年10月1日). “ [알고 쓰는 말글]던질 수 없는 ‘出師表’ ” (朝鮮語). 京鄕新聞 . 2024年3月6日 ??。

[4] “ 國立國語院標準國語大辭典 - 出師表 ”. stdict.korean.go.kr . 2024年3月6日 ??。

[1]

[2]

[3]

[4]