不可知論

不可知論 （ふかちろん、英 : agnosticism ）は、“物事の本質”は、「我?には知り得ず認識することが不可能である。」とする立場のこと。

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不可知論というのは、「事物の根本的な本質といえるものを我?は認識することができず知る余地がない」とし ^[1]、我?が??しえないようなことを問題として扱うことを拒否しようとする立場である ^[1]。現代の哲? で言えば、哲?用語で言う現象を越えること、我?の感?にあらわれる?容を越えることまでは知ることができない、として扱うことを拒否する立場である。

agnosticismという表現は、トマス?ヘンリ??ハクスリ? が自分の立場を言い表すために用いられはじめた、という ^[1]。それは 1868年（あるいは 1869年）だという。 R.H.ハットンの1881年3月13日付けの書簡によれば、この語は、1869年のある晩、 Metaphysical Society の結成以前に、Clapham Commonにあるジェ?ムズ?Knowles邸で開かれた、あるパ?ティ?でハクスリ??授によって提唱されたものである。彼は、それを聖パウロの『使徒言行? 』の第17章23節の「知られざる神」の祭壇の言及から採った。

カント以降の「物自? は不可知だ」とする考えも不可知論である。

不可知論は本質的な存在については認識不可能だとする。そのような主張に至るには、 ?疑論 ? 現象? ? ??主義などの立場によるものがある。

不可知論のなかにもさまざまなタイプがあり、存在を絶?のものとして、認識を言葉以上のものではないとする立場があり、また、認識が不可能であることを認めつつも本質的存在自?を想定することは可能であるとする立場もある。

宗?的不可知論のひとつのタイプとしては「神は『いる』とも、『いない』とも言えないのだ」とする中立的不可知論がある。他に、政治的な意?から無神論者であると言明するのがはばかられる場合に用いられることもあるが、これは政治的な運動であるマルクス?レ?ニン主義者や科?原理主義者などの無神論者からは " 相?主義的だ"などと批判されることがあった。

?史 [ 編集 ]

古代ギリシアのピュロンなども不可知論者に入れることができる ^[1]。

古代インドのサンジャヤ?ベ?ラッティプッタという、ブッダと同時代の人物も不可知論者とされることがある。

?迦（ガウタマ?シッダ?ルタ）は神の存在については肯定も否定もしなかったとされる。ただし、?迦は??の開祖として宗?の?組みの中に取り?まれた存在であるため、??が分派?展していく過程で?迦が絶?的な存在を肯定している?典が多?存在する。

古代中?においては孔子が「怪力?神を語らず」という立場であり、これも不可知論者と見ることもできる。

ヨ?ロッパの中世ではグノ?シス派などが「gnosis グノ?シス」によって神の本?を直接に知ることができる、としたのに?して、ロ?マ? カトリック?? では、神の存在は、人間理性にもともと備わる「自然の光」によって知られるが、神の本?そのものは知られない、神は人間には鏡に映る姿のようにおぼろであり、神と直接に?面することになるのは別の世においてである、とした ^[2]。

近世では、哲?的な?として不可知論が再登場した。人間は有限な存在で知力が限られており、世界自?が何であるかを知る道はないとする?である。人間の知識というのは、印象と ?念に限られて、それらを越えたことは知識の?象にならない、というデイヴィッド?ヒュ?ムの主張も不可知論の一種ととらえることができる ^[2]。また、カントが『純?理性批判』において示した、物自?は認識できずかつ知り得るものではなく、人は主?形式である時間 ? 空間のうちに?えられた現象だけを認識可能な能力のみがある、とする考え方も一種の不可知論となる ^[2]。

「positivism ポジティヴィズム」（日本語?では「??主義」と?されている ^{[注? 1]}）というのは、もともとの表現からも分かるように（神が）人間の感?に?えているもの（現れさせているもの）だけを問題として扱い（議論し）、その他のことは扱うのは止めよう、とする意味が?められた表現であり、知識を??可能なことに?するものだけに限ろうとしており感?に現れないことは「形而上?」として排除しようとする手法であるが、もともとその根底には不可知論がある、と言える。こうした傾向は論理??主義にも?承された。

人口統計 [ 編集 ]

人口統計調査では通常、細かく無宗? の人間を?別しないため、不可知論者は無神論者やその他の無宗?者と同じカテゴリ?に分類されることが多い。 ^[5]

ブリタニカ百科事典に?載された2010年の調査では、不可知論者や無宗?の人口は世界人口の約9.6％を占めていた。 ^[6]また2006年11月から12月にかけてフィナンシャル?タイムズ紙に?載された世論調査では、アメリカとヨ?ロッパ5カ?における宗?の割合が示されている。 ^[7]アメリカの不可知論者の割合は14％であったが、調査?象となったヨ?ロッパ諸?における不可知論者の割合は：イタリア（20％）、スペイン（30％）、イギリス（35％）、ドイツ（25％）、フランス（32％）と高水準であった。 ^[8]

他にもピュ??リサ?チ?センタ? の?施した調査によれば、世界の人?の約16％、キリスト?とイスラム?に次いで3番目に大きなグル?プが不可知論者であることがわかっており、 ^[9]2012年の報告からは、不可知論者はアメリカの成人人口の3.3％を占めていることも判明している。また同機?の?表した。 ^[10]「米?の宗?景?調査」では、不可知論者の55％が「神や普遍的な精神を信じている」と回答した一方、41％が「ほとんどの人が宗?を信仰している社?環境で無宗?であること」に緊張感を感じていると思うと回答している。 ^[11]

そしてオ?ストラリア統計局の調査報告（2021年版）によると、オ?ストラリア人の38.9％が「無宗?」であり、不可知論者もこのカテゴリ?に含まれる。 ^[12]さらに日本人の64％から65％、ベトナム人の最大81％が無神論者、 ^[13]^[14]不可知論者、あるいは神を信じていないとある。また?州連合（EU）の公式調査によると、EU人口の3％が神や?魂を信じるかどうかわからないと回答している。 ^[15]

脚注 [ 編集 ]

[ 脚注の使い方 ]

注? [ 編集 ]

^ だが、原語の語感が失われている。

出典 [ 編集 ]

^ ^a ^b ^c ^d 平凡社『哲?事典』p.1185
^ ^a ^b ^c Yahoo百科事典（日本大百科全書）宇都宮芳明　執筆
^ “ Religious Composition by Country, 2010?2050 ” (英語). Pew Research Center's Religion & Public Life Project (2015年4月2日). 2020年4月27日 ??。
^ “ Social values, Science and Technology ”. 2011年4月30日時点のオリジナルよりア?カイブ。 2011年4月9日 ??。
^ “ Major Religions Ranked by Size ”. Adherents.com. 2010年8月11日時点のオリジナルよりア?カイブ。 2010年8月14日 ??。
^ "Religion: Year in Review 2010: Worldwide Adherents of All Religions" . Encyclopædia Britannica . Encyclopædia Britannica Inc. 2014年7月2日時点のオリジナルよりア?カイブ。2013年11月21日?? 。
^ Goodstein, Laurie (2012年12月18日). “Study Finds One in 6 Follows No Religion” . The New York Times . オリジナルの2014年6月23日時点におけるア?カイブ。
^ “ Religious Views and Beliefs Vary Greatly by Country, According to the Latest Financial Times/Harris Poll ”. Financial Times/Harris Interactive (2006年12月20日). 2013年7月23日時点のオリジナルよりア?カイブ。 2011年4月9日 ??。
^ Cary Funk, Greg Smith. “ "Nones" on the Rise: One-in-Five Adults Have No Religious Affiliation ”. Pew Research Center. pp. 9, 42. 2014年8月26日時点のオリジナルよりア?カイブ。 2013年11月21日 ??。
^ “ Summary of Key Findings ”. Pew Research Center (2011年). 2014年10月17日時点のオリジナルよりア?カイブ。 2011年12月28日 ??。 “Nearly all adults (92%) say they believe in God or a universal spirit, including seven-in-ten of the unaffiliated. Indeed, one-in-five people who identify themselves as atheist (21%) and a majority of those who identify themselves as agnostic (55%) express a belief in God or a universal spirit.”
^ “ Summary of Key Findings ”. Pew Research Center (2011年). 2014年10月17日時点のオリジナルよりア?カイブ。 2011年12月28日 ??。 “Interestingly, a substantial number of adults who are not affiliated with a religion also sense that there is a conflict between religion and modern society ? except for them the conflict involves being non-religious in a society where most people are religious. For instance, more than four-inten atheists and agnostics (44% and 41%, respectively) believe that such a tension exists.”
^ “ Snapshot of Australia ”. Australian Bureau of Statistics (2021年). 2023年9月4日 ??。
^ Zuckerman, Phil (2007). Martin, Michael T. ed. The Cambridge Companion to Atheism . Cambridge, England: Cambridge University Press. p. 56. ISBN 978-0-521-60367-6 . OL 22379448M 2011年4月9日 ??。
^ “ Average intelligence predicts atheism rates across 137 nations ” (2008年1月3日). 2013年8月23日時点のオリジナルよりア?カイブ。 2012年10月21日 ??。
^ Social values, Science and Technology . Directorate General Research, European Union. (2005). pp. 7?11. オリジナルのApril 30, 2011時点におけるア?カイブ。 2011年4月9日 ??。

?連項目 [ 編集 ]

外部リンク [ 編集 ]

Atheism and Agnosticism （英語） - スタンフォ?ド哲?百科事典「無神論と不可知論」の項目。
agnosticism （英語） - Skeptic's Dictionary 「不可知論」の項目。

[3] だが、原語の語感が失われている。

[heibon-1] 平凡社『哲?事典』p.1185

[y_nihon-2] Yahoo百科事典（日本大百科全書）宇都宮芳明　執筆

[4] “ Religious Composition by Country, 2010?2050 ” (英語). Pew Research Center's Religion & Public Life Project (2015年4月2日). 2020年4月27日 ??。

[5] “ Social values, Science and Technology ”. 2011年4月30日時点のオリジナルよりア?カイブ。 2011年4月9日 ??。

[6] “ Major Religions Ranked by Size ”. Adherents.com. 2010年8月11日時点のオリジナルよりア?カイブ。 2010年8月14日 ??。

[eb-2010-7] "Religion: Year in Review 2010: Worldwide Adherents of All Religions" . Encyclopædia Britannica . Encyclopædia Britannica Inc. 2014年7月2日時点のオリジナルよりア?カイブ。2013年11月21日?? 。

[8] Goodstein, Laurie (2012年12月18日). “Study Finds One in 6 Follows No Religion” . The New York Times . オリジナルの2014年6月23日時点におけるア?カイブ。

[Harris-9] “ Religious Views and Beliefs Vary Greatly by Country, According to the Latest Financial Times/Harris Poll ”. Financial Times/Harris Interactive (2006年12月20日). 2013年7月23日時点のオリジナルよりア?カイブ。 2011年4月9日 ??。

[pew_2012-10] Cary Funk, Greg Smith. “ "Nones" on the Rise: One-in-Five Adults Have No Religious Affiliation ”. Pew Research Center. pp. 9, 42. 2014年8月26日時点のオリジナルよりア?カイブ。 2013年11月21日 ??。

[Demographics1-11] “ Summary of Key Findings ”. Pew Research Center (2011年). 2014年10月17日時点のオリジナルよりア?カイブ。 2011年12月28日 ??。 “Nearly all adults (92%) say they believe in God or a universal spirit, including seven-in-ten of the unaffiliated. Indeed, one-in-five people who identify themselves as atheist (21%) and a majority of those who identify themselves as agnostic (55%) express a belief in God or a universal spirit.”

[Demographics2-12] “ Summary of Key Findings ”. Pew Research Center (2011年). 2014年10月17日時点のオリジナルよりア?カイブ。 2011年12月28日 ??。 “Interestingly, a substantial number of adults who are not affiliated with a religion also sense that there is a conflict between religion and modern society ? except for them the conflict involves being non-religious in a society where most people are religious. For instance, more than four-inten atheists and agnostics (44% and 41%, respectively) believe that such a tension exists.”

[abs-13] “ Snapshot of Australia ”. Australian Bureau of Statistics (2021年). 2023年9月4日 ??。

[Martin2007-14] Zuckerman, Phil (2007). Martin, Michael T. ed. The Cambridge Companion to Atheism . Cambridge, England: Cambridge University Press. p. 56. ISBN 978-0-521-60367-6 . OL 22379448M 2011年4月9日 ??。

[Intelligence-15] “ Average intelligence predicts atheism rates across 137 nations ” (2008年1月3日). 2013年8月23日時点のオリジナルよりア?カイブ。 2012年10月21日 ??。

[EU-16] Social values, Science and Technology . Directorate General Research, European Union. (2005). pp. 7?11. オリジナルのApril 30, 2011時点におけるア?カイブ。 2011年4月9日 ??。

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