宇宙生物?
(
、
英
:
Astrobiology
、
英
:
Exobiology
、
英
:
Xenobiology
)とは
地球
に限らず、?く宇宙全?での
生命?
について考察し、生物生存の?態や生物現象のより普遍的な仕組み、
生命の起源
などを明らかにしようとする?問。
アストロバイオロジ?
ともいう。天文?、生物?、地質?、物理?、化?など??的?問の上に成立する。しかし、比較的新しい?問なのでその定義ははっきりと確定していない。
2024年現在、地球以外の天?からは生命?は?見されておらず、したがって?義の宇宙生物?は、二つの分野に分けられる。すなわち、「
地球以外の場所の生命に?する問題
」と「
地球上の生命が宇宙に出た際の問題
」
[1]
である。?義の宇宙生物?では後者のみを指す
[2]
。
前者では、
地球外生命?
の探査?推測を主に扱い、
火星
などの
太陽系
?の
天?
に?しては
探査機
を用いて、太陽系外の
銀河系
に生存しているかもしれない生命、とりわけ、高度な文明社?を持つと考えられている生物に?しては
電波
によるコミュニケ?ションを?ろうとしている(?照:
地球外知的生命?探査
)。そのほかにも
ドレイクの方程式
や
代わりの生化?
といった地球外生命?の存在可能性?生?システムの考察がなされている。
後者では、無重力?態や
宇宙線
などの宇宙環境が人?に?える影響の?究、さらには地球上の動物、植物、細胞に?える影響を扱う。これらは人類が宇宙に進出してから少しずつではあるが、前者に比べて成果を?げている。人?に?する?究は特に、
宇宙??
と呼ばれる。
人間以外の動物の?究は、時間的な問題と長期的な宇宙空間での飼育技術の難しさから現在までの宇宙における動物のデ?タは限られている
[3]
。ただし、動物の行動や
?生
といった限定的なものはいくつか??されている。
宇宙空間におかれた動物がどのような行動を取るかは宇宙??の初期から注目されていた。動物は宇宙?在における初期段階には異常な行動をとることが多いが、やがて正常な?態へと移行し、動物には無重力?態に?する適?能力を有することが明らかになりつつある。たとえば、
メダカ
は宇宙では
平衡感?
に異常をきたすため、うまく泳げずに回?遊泳するが、?日後には無重力?態に適?して正常な遊泳が出?るようになる。また、
クモ
に?しても宇宙?在初期には
クモの?
をうまく張ることは出?ないが、?十日後には正常に張るようになる
[4]
。人間に?しても
宇宙?い
という
?り物?い
のような症?がみられるが、30時間から48時間程度で回復に向かう。
有性生殖
を行う動物では、
卵子
と
精子
との
受精
によって
個?
の?生が始まる。?生と重力との?係はメダカの
胚
や
カエル
の
受精卵
などを用いて調べられている。結論から言うと
?生類
、
魚類
、
無脊椎動物
など、
哺乳類
以外の動物には初期?生に?して無重力?態は大きな影響を?えていないことがわかっている。メダカにいたっては宇宙ですでに交尾?産卵?孵化が確認されている
[5]
。しかし、どの動物も
器官
の
分化
には
筋肉
や
骨
の形成が?れるなど、少なからず無重力環境の影響がある。また、加?についての
ショウジョウバエ
や
線?
を用いた??があるが、ショウジョウバエはオスの加?が加速し、メスは加速が認められず、線?では加?に影響しないとする??結果が出ており、加?や?命に?する宇宙?在の影響は統一した結論に達していない。加?の加速原因としては宇宙線に含まれる
HZE粒子
が
DNA
に?える影響が考えられている
[6]
。
陸上植物
は
固着生物
として生活していく上での??な環境ストレスを回避するために、
光
、
水
、重力といった環境を感受し、それを利用して自分の姿勢を制御するという仕組みを獲得した。それゆえ、陸上植物の形態形成は重力と大きく?わっており、植物の
種子
は無重力、微小重力?態でも扱いやすく、宇宙でも環境をコントロ?ルすれば植物の種子は
?芽
して育ち、
開花
や
結?
も見られる。とはいえ、宇宙の無重力(微小重力)環境というのは、植物の生育に大きな影響を及ぼし植物生産にも影響することになる。
重力依存的な成長のメカニズムを?究するのに宇宙環境はとても有用であり、その解明は地球における植物の生産力を高めるだけでなく、宇宙で植物栽培をするのにも?用できると考えられる。
植物の生長や運動、?制維持に深く?係する植物ホルモンの
オ?キシン
の流れは重力感受によって制御される。オ?キシンの動態制御は無重力下の宇宙では機能せず、植物の姿勢制御や形態形成を?化させると考えられるが、重力がオ?キシンの動態を制御するメカニズムはまだはっきり分かっていない。
重力屈性
とは、根が下に伸びて?が上に伸びる、というように植物が重力に反?してその伸長方向を?化させることである。
イネ
と
シロイヌナズナ
を地上で?育させた場合と宇宙で?育させた場合を比較した場合、地球上では明らかに地上部は上に、根は下に伸長している姿が見られるが、宇宙空間での無重力?態では伸長方向が制御されず、中には根が地上部の?と同じ方向に飛び出して伸びているものも見られた。
根の重力屈性の場合、重力は根の先端の
根冠細胞
で感受されると考えられる。根冠の一部の
コルメラ細胞
では、デンプン粒を含んだ
アミロプラスト
が重力によって沈み、これによってオ?キシンの流れが?化する。オ?キシンには、地上部の芽や若い葉から根の方に流れ、根の中心部を通って先端へ向かい、
Uタ?ン
するように根の周?を通って?る性質がある。根を傾けて重力刺激を?えると、オ?キシンは上側には行かず下側だけに行こうとするので、傾いた根の下側でオ?キシンの濃度が高くなり、下側の成長が上側に比べて相?的に?くなるために地球上の植物の根は下方向に伸びる。
一方、無重力(微小重力)下では、コルメラ細胞の中でアミロプラストが沈降しないのでオ?キシンが局在せず伸長方向の制御が不能になると考えられる。
アサガオ
や
ウリ科
植物などが見せる
つる
を支柱に?きつけながら伸張させる「つる?き」のような、?や根の先端がらせん?に回?しながら伸びる運動のことを回旋運動と呼ぶ。回旋運動には重力感受細胞である
?皮
を必要とするが、?皮細胞を作るのに必須の
SCARECROW遺?子
が?かないと、アサガオなどは重力を感受できずに回旋運動もつるを?くこともできなくなる。回旋運動とつる?きが重力依存的な現象であることを意味するが、つる植物の宇宙の無重力環境で回旋運動をするのか、支柱に?き付くかどうかは現在?究中である。
ウリ科植物の?芽直後に根と?の境界域に形成される突起?の組織である
ペグ
は、根は下へ?は上へと伸ばす重力屈性に逆らい種皮を土の中に押さえつける。これによって芽生えは種皮から?け出す。
地上では、ウリ科植物の種を上下逆さまになるように置いてもペグは必ず下方向にでるので、重力によって制御されていると考えられていたが、キュウリの種子を宇宙で?芽させても2個ペグができたので、ペグ形成には重力を必要しないことがわかった。
もともとキュウリの芽生えは2個のペグを?達させる能力を持つが、地上では重力に?答し、?たえられた芽生えの上側になった部位のペグ形成を抑制しているといえる。この抑制にもオ?キシンが?係している。
NASA
では、
シロイヌナズナ
の?芽前の種子を月面の植物栽培モジュ?ルの中で?芽させ、遺?子?現をモニタ?することで、植物が低重力や?度、?力や高放射線にどう??するかを?察する??を計??進行している。シロイヌナズナの?芽?成長は、バイオマ?カ?としての
?色?光タンパク質
(GFP)をシロイヌナズナに?現させて、488nmの光で?察することで確認する。
モデル植物のシロイヌナズナはGFPマ?キングが簡?にできる上に、火星の??に近い10キロパスカルの??でも成長できるので、?究材料として選ばれた。さらに、モジュ?ルに月の土を加えて土の毒性や含有物を調べる??も考えられている。
宇宙環境下における細胞は地上での??では見られない?動を示す。
原生動物
や哺乳類培養細胞などの??な細胞に及ぼす宇宙飛行の影響は多く報告されている。細胞は重力を感受することができ、無重力に?する反?は個?の細胞で異なることもわかっている。例えば
サリュ?ト6?
で行われた、ヒメゾウリムシの??では、無重力下では細胞?殖が促進されることがわかっている。
?義の「宇宙生物?」が指す取り組むべき課題としては
- 生命の起源と進化
- 地球外生命の探査、地球外文明との交信
- 地球生物の地球外への移住
の3点が?げられる
[7]
。
生命の起源は
生物化?分野
での一課題としても取り上げられるが、宇宙生物?では、生命は宇宙と深い係りのもとに進化したと定義し、より?く普遍的な?念を構築しようとするものである
[8]
。
1960年代の初期の宇宙探査により、
太陽系
?に地球外生命および地球外文明が存在する可能性は一旦ほぼ否定され、生命の探査は地球外有機物の探索が主となっていた
[9]
。しかしその後の探査や?究によって、木星の衛星
エウロパ
の地下に微生物?の生命が存在する可能性が示唆され、その探査の方法が??に?討されるなど
[10]
、太陽系?の地球外生命の探査をめぐる?況は大きく?化している。
他方、太陽系外の惑星系の直接的な探査は現在の人類の技術力では困難であり、先方から信?を送ってくるかもしれないとの期待のもと、地球外文明との交信のためのさまざまな試み(
SETI
)がなされている。
アメリカ合衆?
の
天文?者
フランク?ドレイク
が提唱した地球外生命?がどれほど存在するかの方程式(
ドレイクの方程式
)を用いて
大島泰?
は、「銀河系には100年に1度、我?と同程度の文明が誕生しており、??では1000万個ほどであり、そのうち人類の存?期間と重なっている文明は10万個程度であろう」と推測している
[11]
。
人類を含む
地球生物の移住
については比較的詳細な?討がなされ、
宇宙植民島
という考察が?表されている
[12]
。ただし、生態?的な?討は十分なされておらず、宇宙環境における地球生物の適?性の問題など、生物?と密接に結び付いており、多?の課題を解決していく必要がある。
- ^
大島泰?『宇宙生物?』
- ^
書籍によっては前者が?義の宇宙生物?とされていることもあるが、本稿では後者を?義の宇宙生物?と呼ぶ。
- ^
藤森義典『人類は宇宙へ向かう』
- ^
スカイラブ3?、ニワオニグモ。
- ^
1997年 IML-2ミッション 井尻
- ^
宇宙環境と生命 -宇宙生物?への招待- 佐藤?重
- ^
高倉達雄『現代天文小事典』
- ^
例えば
物理?
や
化?
同?、地球外に出ても、その法則が適用できる普遍的な?問への昇華が目指されている。
- ^
江上不二夫『生命を探る』
- ^
長沼 毅『生命の星?エウロパ』NHKブックス、2004年。
- ^
大島泰?『生命の誕生』
- ^
ジェラルド?オニ?ル『宇宙植民島-1990年完成!“第二の地球”計?』