日本語における「シャ?マニズム」「シャマニズム」の?別（母音の長短）は、?究者の?問分野と密接な?係がある。 北海道 ? 樺太 ? シベリア ? ?州 ? モンゴル ? 朝鮮半島 を中心とした北方文化?の?究者の多くは「シャマン」「シャマニズム」という表記を用いてきた。ツング?ス語の?音は「シャマン」に近いとされる。一方、 沖? （ 琉球王? ）? 台? ? 中? 南部? 東南アジア ? インド を中心とした南方文化?の?究者の多くは「シャ?マン」「シャ?マニズム」の表記を用いてきた。また?米の民族??人類??宗??の?究を紹介する際の??語としては、「シャ?マニズム」「シャマニズム」が任意に用いられている。 堀一? の場合、「シャ?マニズム」という表記にはこの?象を世界的視野で捉えようという意?が?められていると指摘する ^[4] 。 ウノ?ハルヴァ （ 英語版 、 フィンランド語版 ） の『シャマニズム』を1971年に??した 田中克彦 は、2013年に再刊された 東洋文庫 版の後書きで、「語源とされるツング?ス語によれば、シャマンあるいはシャマ?ンとするのが至?であると思われる」と述べ、英語の?音を由?とするシャ?マンという言葉の使用を批判している ^[5] 。

シャ?マニズムの定義は?者によって??である。 まず地域であるが、北アジアに限られるとする?と、世界中の他の地域で見られる諸現象を含める?がある。

また超自然的存在と交信する際、 ?魂 と 憑依 （憑?）のどちらを基本と捉えるかについても意見が分かれている。 エリア?デ は ?魂 （ecstasy）のほうを本質的だとするが、 マッカロック （J. A. MacCullock ）は 憑依 （possession）を重視し、I. M. ルイス は一方を?調することを批判する。例えば シベリア など北東アジア?究者は?魂を重視し、東南アジアや南米の?究者は憑?を重視し、日本や 朝鮮半島 の?究者は憑?ないし折衷?をとる傾向がある ^[6] 。多くの?者は地域?民族?文化などの相違によってそのいずれかが積極的な意味をもつものと考えている ^[1] 。 パウルゾン （I. Paulson）は、?魂と憑依を?別しつつ、?魂ではシャ?マンはトランスの中でみずから行動するのでトランスが解けた後で???容を?明することができるのに?して、憑依ではシャ?マンに憑依した精?や死?が活躍するのでトランスから?めても本人は何事が生じたのか?明できないとした ^[1] 。

佐?木宏幹 は、シャ?マニズムには次のような3つの要素があるとする ^[7] 。

• トランス という特別の精神?態において ?魂 （ecstasy）または 憑依 （憑?）（possession）が行われる
• 神 ? ?精?などの超自然的存在と直接接??交流?交信
• 社?的に一定の役割を持つ 信仰 と行動の?系

トランス は、ある種の異常心理?態ではあるが、平常の社?人と半ば交流できる?態でもある。また演技的なものもあると考えられている。「 ?魂 」とは、ある人物の?魂が身?を離?することであり、「 憑依 （憑?） 」とは、神?? 精? がある人物の身?に憑くことである。?魂したシャ?マンは、その間、超自然的存在と交流していて、その事情を報告する場合もあるが、憑依されたシャ?マンは、その間のことを正?に返った時にまるで?えていない場合が少なくない ^[8] 。また「憑?（憑依）」はトランス?態になくても起こっていると考えられる場合がある ^{[9] [注? 2]} 。 （ トランスパ?ソナル心理? と ?性意識?態 も?照。）

なお上記の定義からも分かるように、シャ?マニズムという?念は、別の?術的?念「 アニミズム 」にも分類可能な要素を含んでいるので、一般に、?際の宗?はただシャ?マニズムである、ということにはならない。

ジェ?ムズ?フレイザ? は、 ?媒 （medium）、 予言者 （prophet）、 見者 （seer）、 呪師 (sorcerer)としていたがその多くはシャ?マンに分類される。佐?木宏幹は少なくとも5つに分ける必要性を主張している ^[11] 。

• ?魂 型 - シャ?マンの ?魂 が身?を離?して ?界 に赴き、諸精?を使役してもろもろの役割を果たす。?義の精?統御者型の一種。
• 精?統御者型 - 補助? を?使してもろもろの役割を果たす。
• ?媒型?憑?型 - シャ?マンが神??精?を自らの身?に憑依させ、人格?換が行われ、シャ?マンは神?自身として一人?で語る。
• 予言者 型??感型 - シャ?マンは神??精?と直接交信し、その意思を三人?で語る。シャ?マン自身の個人的意志がある。
• 見者型 - 神?の姿が見え、或いは?が聞こえる。神?の意思を三人?で語る。

日本の場合、これらのうち複?の役割を1人で兼ねている場合が多いとされる。また若い頃は「?媒」であったが、年を重ねるにつれて「予言者」→「見者」へと?わっていったと述?する例が多い。

人がシャ?マンと認められる過程にはいくつかの種類がある。社?によっても異なる。

• 召命型 - ある日突然心身の異?（ 巫病 ）として現れ、神?によって選ばれたものと見なされる。選ばれようと願っていてもなれるものではないが、選ばれてしまったら本人の意志で拒絶することも困難。 沖?? 周?の「ウマレ ユタ 」など。
• 世襲型 - 血統により選ばれる。?的資質、人格が?承されると考えられる。沖??周?の ノロ など。
• 修行型 - 身?的理由（特に盲目）や??的事情等からシャ?マンになるための修行??習を積む。沖??周?の「ナライ ユタ 」、日本の 東北 の「 イタコ 」など。

憑依する主?にもいくつかの種類があるとされている。

• 死口（しにくち）、?口（ほとけくち）
  • 新口（しんくち）、新ホトケ
  • 古口（ふるくち）、古ボトケ
• 生口（いきくち）
• 神口（かみくち）

アブラハムの宗? における 預言者 も、神や 天使 などが 憑依 すると考えれば一種のシャ?マン（予言者型）と見ることもできる。 だが?い倫理?に基づき、神の意思として?時の社?を批判している点で特異である。 ^{[ ?自?究? ]}

日本、韓?、台?、中?大陸、東南アジアなどにおいては、?魂（ecstasy）型がないとは言えないが、?倒的に憑依（possession）型が多い ^[12] 。

古?「巫女」と呼ばれる職能者が政治や軍事などの諸領域で活躍したことはよく知られている ^[1] 。『 三?志 』魏書東夷?の 倭人 ?、いわゆる『 魏志倭人? 』に記述された 邪馬台? 女王の 卑?呼 が用いたという「 鬼道 」も シャ?マニズム と言われている ^[1] 。また『 日本書紀 』の、神代?の 天照大神 、 崇神 紀の 倭迹迹日百襲? 、 垂仁 紀の 倭? 、 仲哀 紀の 神功皇后 （?長足?）などもシャ?マンの例として?げられる ^[1] 。いずれも卑?呼に比定する有力?のある人物である。

山上伊豆母 は、4世紀の 三輪王朝 、5世紀の 河?王朝 、そして崇?派の 蘇我氏 による大化の改新によって 律令制 ?家となる以前の 大和朝廷 は、 三輪氏 や 多氏 といった巫を司る一族と政を司る 大王 の共同統治が行われてきたと主張している ^[13] 。その後も 壬申の? に至るまで、 常世神 など?起不詳の神が?現し世を?がす事件が起きている。『日本書紀』には壬申の?の際に、 生?神 という神が?現し大海人皇子（ 天武天皇 ）を守護すると神語したという記述がある。

現代でも、アイヌの「トゥスクル」、下北半島の 恐山 における イタコ 、沖??周?の ユタ （ユタ（シャ?マン）とノロ（祭司）とは役割が異なる）など、各地域にシャ?マンに?てはまる事例がある ^[14] 。また都市においてもみられる ^[15] 。また 小口偉一 は、日本の宗?信仰の基底にシャマニズム的傾向があるとし、新宗?の集?の形成や基盤も同?であるとした ^[1] 。 新宗? の ?祖 らの中には召命型シャ?マンの系統に?すると思われるような人がいるのである ^[1] 。

近年、??とは違った型のシャ?マンが多?出現している。依?者の心身異常の原因について、動物?の障りであるという?明を避け、意識?無意識??在意識といった心理?用語を使って?明する者たちで、チャネラ?、スピリチュアル?カウンセラ?などと呼ばれるが、これらも新しい?いをしたシャ?マンに?すると言えよう ^[16] 。

中?大陸の東北部で流行っているシャ?マンは、出馬仙と呼ばれている。その出馬仙は、原始宗?のシャ?マニズムの?統を受け?いでおり、主に四つの動物たち（胡?嫦?）とグル?プを形成し、一?に占い?除??儀式活動していくこと。キツネ、ヘビ、イタチ、など修行した動物?が、人間の?に憑依することで、人に癒しの能力を?えるという。 ^[17]

近年、中?の東北部では、占いの能力もなくシャ?マンを??して詐欺する人が多く、本?の出馬仙が探せないぐらい少なくなっていると言われる。

• フィンダイゼン 著、和田完 ?『?媒とシャマン』冬樹社、1977年。  
• I?M?ルイス『エクスタシ?の人類?　憑依とシャ?マニズム』平沼孝之?、法政大?出版局、1985年。 ISBN 9784588001536 。
• ピア?ズ?ヴィテブスキ?『シャ?マンの世界』岩坂彰?、創元社、1996年。 ISBN 9784422215013 。
• ミハ?イ?ホッパ?ル 著、村井翔 ?『?? シャ?マニズムの世界』 ?土社 、1998年4月。 ISBN  978-4-7917-5616-2 。  
• グロ?リア?フラハティ 著、 野村美紀子 ?『シャ?マニズムと想像力』工作?、2005年。 ISBN  9784875023876 。  
• オ?ケ?フルトクランツ 著、山田仁史 ?「シャマニズムの?究史」、岩田美喜?竹?拓史 編『ポストコロニアル批評の諸相』東北大?出版?、2008年3月。 ISBN  9784875023876 。  ^[18]
• 山田仁史 著「シャマニズムをめぐる神話と世界?」、 高倉浩樹 編『極寒のシベリアに生きる-トナカイと氷と先住民』新泉社、2012年4月。 ISBN  9784875023876 。  
• オ?ケ?フルトクランツ 著、山田仁史 ?「シャマニズムの?究史」、岩田美喜?竹?拓史 編『ポストコロニアル批評の諸相』東北大?出版?、2008年3月。 ISBN  9784875023876 。  

• Quantum Men (カルロス?セラ?ノ?アスコ?ナ Carlos Serrano Azcona （スペイン語） )、スペイン、メキシコ、2011年 ^[19] 。
• D'autres mondes ( ヤン?ク?ネン )、フランス、2004年 ^[20] 。
• Bells From the Deep ( ヴェルナ??ヘルツォ?ク )、ドイツ、1993年 ^[21] 。
• Les maitres fous ( ジャン?ル?シュ )、フランス、1955年 ^[22] 。
• Au pays des mages noirs (ジャン?ル?シュ)、フランス、1947年。( ナイジェリア が舞台 （英語） )

代表執筆者の50音順

• エリア?デ, ミルチア 著、堀一? ?『シャ?マニズム 上』筑摩書房、2004年。 ISBN  9784480088376 。  
• エリア?デ, ミルチア 著、堀一? ?『シャ?マニズム 下』筑摩書房、2004年。 ISBN  9784480088383 。  
• 小松 (1982)： 小松和彦『憑?信仰論』?統と現代社、現代ジャ?ナリズム出版?（??）、1982年9月。 NCID  BN00333133 。 全?書誌番? : 82053262 。  
  • のち文庫化。小松和彦 『憑?信仰論-妖怪?究への試み』 講談社 〈 講談社?術文庫 1115〉、1994年3月。 ISBN 978-4-06-159115-8 。
• 櫻井 (1988)： 櫻井?太?『日本シャマニズムの?究 上 5-?承と生態』吉川弘文館〈櫻井?太?著作集〉、1988年1月（原著1974年）。 ISBN  978-4-642-07339-4 。  
• 佐?木 (1973)： 佐?木宏幹 著「シャマニズム」、小口偉一?堀一? 編『宗???典』東京大?出版?、1973年、249-253頁。 ISBN  9784130100274 。  
• 佐?木宏幹『シャ?マニズム-エクスタシ?と憑?の文化』中央公論新社、1980年。 ISBN  9784121005878 。  
• 佐?木 (1984)： 佐?木宏幹『シャ?マニズムの人類?』弘文堂、1984年。 ISBN  9784335570315 。  
• 佐?木宏幹「祭司の誕生-神道の成立をめぐって」『よみがえる神道の謎』（?史?本臨時?刊）新人物往?社、1989年。  
• 佐?木宏幹『シャ?マニズムの世界』講談社〈講談社?術文庫〉、1992年。 ISBN  9784061590557 。  
• 佐?木伸一「 シャ?マンの類型?: 日本および周?の地域に?して 」『族?: ヤカラ』第7?、筑波大??史人類?系民族??究室、1988年7月、1-46頁。  
• 佐藤憲昭「新潟市のシャ?マン」『駒?大?文化』第10?、駒澤大?、1987年3月、209-241頁、 NAID  110007003984 。  
• ウノ?ハルヴァ (底本は1971年?三省堂刊 NCID  BN01935641 )
  • ハルヴァ, ウノ 著、田中克彦 ?『シャマニズム1 -アルタイ系諸民族の世界像』平凡社〈東洋文庫〉、2013a。 ISBN  978-4-582-80830-8 。  
  • ハルヴァ, ウノ 著、田中克彦 ?『シャマニズム2 -アルタイ系諸民族の世界像』平凡社〈東洋文庫〉、2013b。 ISBN  978-4-582-80835-3 。  

• 山上伊豆母 『古代神道の本質』法政大?出版局、1989年、84-100頁。 ISBN  4588306014 。  

• 岩井大慧、「 「わがシャマニズム?究の回顧（〈特集〉シャマニズム?究） 」」『季刊民族學?究』 日本文化人類??、 1949年 14? 1? p.51-57, NAID  110001837880 , doi : 10.14890/minkennewseries.14.1_51