丸尾末?作品を自室の本棚に?す勝負

──今回のアルバムのタイトルは「20世紀の逆襲」。過去から現在に向けてカウンタ?アタックを仕掛けるという意味なんですよね？

そうですね。でも私にとって20世紀はほぼ?感のない時代だから、まさに美樹本（晴彦）先生が描いてくださったジャケットのイメ?ジなんです。

──1970～80年代的なSF感、フュ?チャ?感のあるイラストですよね。

そのちょっと架空っぽくて、しかもカッチョいい時代が私にとっての20世紀って感じです。

──ただ面白いのが、上坂さんが去年の12月に花やしきで行った24?のバ?スデ?イベントのタイトルは「たおせ!! 23?」（?照： 誕生日サプライズに動じない上坂すみれ、ロシアの歌とまんじゅうに目を丸くする ）。1カ月前にはその過去を打倒しにかかっています。

ホントだ！（笑） イベントのタイトルは、スタッフさんに「考えてください」って言われて10分くらいで決めちゃっただけのものなんですけど、なんか深層心理みたいなものが表れてるのかもしれないですね。20世紀は私にとってカッチョいい時代なんだけど、23?の思い出、つい先月までの思い出は美化するには新鮮すぎるというか。私が74?くらいになったら美しい思い出になるのかもしれないんですけど、今はまだ生?しすぎて?みしめてもいいことがないから「たおせ!!」って言ってみたんだと思います。

──じゃあ例えば10年前、14?の頃の思い出は美化できますか？

その頃の思い出は23?の思い出と一?。まだ胸の?に?重に仕舞っておきたいですね。?誌で「本誌初登場！」という感じの取材をしていただくときって決まって生い立ちを聞かれるんですけど、（口を尖らせて）「Wikipediaを書き?しておいてくれればそれでいいのになあ」って思ったりもしています（笑）。

──すみません、音?ナタリ?も「初登場！」のときに思い切り聞いちゃいました（笑）（?照： 上坂すみれ「七つの海よりキミの海」インタビュ? ）。

ただ最近は「思い出の中には拾うものもあるよな」「完全に捨て去ろうにも身が?ってたりするよな」と思っている自分もいるんです。例えば?時は丸尾（末?）先生のマンガを買っては、無事部屋の本棚に?せるか？という勝負を繰り?げていたんですけど……。

──勝負？ 誰と？

母親と（笑）。21世紀に入って私も思春期になって、中野ブロ?ドウェイに通うようになったら、家に?ってくるたびに「何買ってきたの？」と聞かれるようになり。そしてカバンの中から丸尾先生のマンガが出てくると、なんとも言えない空?がリビングに流れ……（笑）。ただ、その頃の?まずさと執念みたいなものが、今回アルバムジャケットを先生に描いていただく?をつなげてくれたと考えれば、?時の思い出の中にも拾うべきところはあるなっていう?がするんです。……でもやっぱり基本的には十?年前までの思い出は、まだ美化できないものですね（笑）。

──100％素敵な思い出は？ 例えば大?に合格したとか、?優としてのキャリアをスタ?トしたとか、ア?ティストデビュ?したとか。

そういう拾うところがたくさんある思い出の中にも捨てるべきところはあるじゃないですか。例えば私は公募推薦入試で大?のロシア語?科に進んだんですけど、一?ほかの大?のオ?プンキャンパスに行ってみたり、センタ?試?を受けたりもしていて。「受?」や「合格」と聞くと、そのオ?プンキャンパスで「キラキラした大?生活！」みたいなものにアテられて、いたたまれなくなったことであったり、センタ?試?のときに受?票を忘れちゃって係の方にすごくご迷惑をおかけしたことであったり、自分の罪のようなものがどうしても思い出されてしまいますから。